侵略するなら四畳半から

月野片里

文字の大きさ
上 下
2 / 15

侵略は爆発だ(自爆だよ!)

しおりを挟む
調査を開始して3日目の吾輩である、吾輩かなりピンチである。緊急対応の為に少しの時間トランスポーターのある山中から離れた隙に何者かの手によって完全に破壊され、吾輩に残された貴重な食料を根こそぎ奪われたのである_| ̄|○ il||li
「こんな事になるならもう少し備蓄しておくべきであった……」
後悔先に立たずとはまさにこの事であろう、何れにせよ今となっては後の祭りである。それにまだ諦めるには早い!まだ希望を捨てるのは早すぎるのだ!!

食料が無い今、吾輩に残された道はただ一つ何処かで食料を調達することである。
吾輩はトランスポーターの自爆機能作動させて、急いでその場から走り去るのであった。「さてと……とりあえず人のいる場所に行くとしましょうかね」
吾輩はそう呟きながら森の中を進むことにしたのだが……
「………………」
現在進行形で絶賛迷子中である(́・ω・)
「ふむ、これは困ったことになったぞ?」
かれこれ数時間は歩き回っているが一向に森から抜け出せる気配がない。まぁ、そもそも地図もなしに見知らぬ土地を歩いている時点で詰んでいるわけなのだがね?
そんなこんなで、なんとか山を降り海と間違えるよな大河の前まで行くことが出来たのだ
「おぉー、綺麗だな!」
その光景を見て思わず感嘆の声をあげる吾輩 そこには太陽の光を浴びてキラキラ輝く水面に、どこまでも広く続く水平線が見える景色だった。
「しかし、この世界の空は青いんだな……」
我輩の故郷であるチュチェールの空は黒く、大気は汚れている為に都市は大きなドームで覆われている、ドームという空と違う空を見上げて
「それに比べてここは空気も澄んでいて、太陽も近い……素晴らしい星ではないか!!」
この星を侵略出来る喜びに
「んっ!?」
思わず笑みを浮かべていた吾輩だが、その時ある事に気がついた それは……大河を渡る手段が全く無いことだ、川沿いを歩けば対岸までの距離が少なく浅瀬もあるはずだ、我輩は少し自己主張する空腹感を我慢してトボトボと歩いたのだった。
それからしばらく歩くこと1時間、ようやく対岸が見えてきた、そこには養成所で習った実地状況と異なる光景が広がっていた、そこには巨大木の森林地帯は何処にも無く、代わりに巨大な無機物の建造物が幾つもそびえ立っていたのである。どうやらあれが目的地のようだ、吾輩は期待を胸に膨らませてその場所へ続く大河に掛かる橋へと向かうのであった。「養成所で聞いていたのと幾分違うにゃ、我々チュチェールのもの達には大分遅れをとっていつようだが、地球の生物も知的なものだにゃ、散策してみれば食料も見つかるかもにゃ!」
吾輩は養成所で習った、第一次侵略戦争の時に多大な犠牲を払って手に入れた情報が既に古いものになっているのに気が付いたのである、原生林お森林地帯がなくなったいうことは吾輩達を食べるモンスターが居ないという事であると今こそ侵略が容易いのであると
そんなことより吾輩お腹が減ったのである腹の虫の自己主張がげんかいなのである何か食べないと駄目そうなのある。何処からか、いい匂いがするので行ってみるのである!
「何の匂いだろうにゃ?すごくお腹の空くいい匂いだにゃ!」取り敢えず匂いのする方向へと周囲を警戒しながらゆっくりだが進で行く(吾輩ってもしかしてカッコイイ?)ちょっとキメ顔してみる吾輩なんて思っていると、狭い路地の先からより強く匂いがして来たのである。
吾輩は走ったのである空腹を忘れて走ったのである(それはもう全力で)、そしたら居たのである故郷ではビッグマザー級の巨大な同胞がいるのである!同胞だから少し説明するだけで食べ物を分けて貰えるのである(やったね、吾輩!)。
「食べ物を少しでもいいので分けて欲しいにゃ?」お願いしてみたのである、でも何故か言葉が通じ無いのか無視されるのであるムカつくのである、抗議するのである!
「同胞よ、エリートである吾輩に食料を分けるにゃ!3日分でいいにゃ.....」言い切る間に突然殴られたのである、ボコボコにされたのである、そして鋭い爪でかぐられたのである。ここに来て急に思い出したのである養成所で習った事を、第一次侵略戦争の時の生き残りの子孫が居るかもしれない事を、絶対に違いないのである!
避ける力も無くなってきたのである、吾輩バタンキュである(ここで死ぬのかにゃ?意識が....)「うぅ……」
薄れゆく視界の中で見たものは、
「グルルルッ……」
威嚇しながらこちらを睨みつける
「ガァー」
牙を剥き出しにした
「……ネコ?」
そうして吾輩は気絶したのであった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

静寂の星

naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】 深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。 そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。 漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。 だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。 そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。 足跡も争った形跡もない。 ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。 「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」 音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。 この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。 それは、惑星そのものの意志 だったのだ。 音を立てれば、存在を奪われる。 完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか? そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。 極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

名前を棄てた賞金首

天樹 一翔
SF
鋼鉄でできた生物が現れ始め、改良された武器で戦うのが当たり前となった世の中。 しかし、パーカッション式シングルアクションのコルトのみで戦う、変わった旅人ウォーカー。 鋼鉄生物との戦闘中、政府公認の賞金稼ぎ、セシリアが出会う。 二人は理由が違えど目的地は同じミネラルだった。 そこで二人を待っていた事件とは――? カクヨムにて公開中の作品となります。

【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~

山須ぶじん
SF
 異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。  彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。  そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。  ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。  だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。  それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。 ※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。 ※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

『星屑の狭間で』(チャレンジ・ミッション編)

トーマス・ライカー
SF
 政・官・財・民・公・軍に拠って構成された複合巨大組織『運営推進委員会』が、超大規模なバーチャル体感サバイバル仮想空間・艦対戦ゲーム大会『サバイバル・スペースバトルシップ』を企画・企図(きと)し、準備して開催(かいさい)に及んだ。  そのゲーム大会の1部を『運営推進委員会』にて一席を占める、ネット配信メディア・カンパニー『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』として、順次(じゅんじ)に公開している。  アドル・エルクを含む20人は艦長役として選ばれ、それぞれがスタッフ・クルーを男女の芸能人の中から選抜して、軽巡宙艦に搭乗(とうじょう)して操り、ゲーム大会で奮闘する模様を撮影されて、配信リアル・ライヴ・バラエティー・ショウ『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』の中で出演者のコメント付きで紹介されている。  『運営推進本部』は、1ヶ月に1〜2回の頻度(ひんど)でチャレンジ・ミッションを発表し、それへの参加を強く推奨(すいしょう)している。  【『ディファイアント』共闘同盟】は基本方針として、総てのチャレンジ・ミッションには参加すると定めている。  本作はチャレンジ・ミッションに参加し、ミッションクリアを目指して奮闘(ふんとう)する彼らを描く…スピンオフ・オムニバス・シリーズです。  『特別解説…1…』  この物語は三人称一元視点で綴られます。一元視点は主人公アドル・エルクのものであるが、主人公のいない場面に於いては、それぞれの場面に登場する人物の視点に遷移(せんい)します。 まず主人公アドル・エルクは一般人のサラリーマンであるが、本人も自覚しない優れた先見性・強い洞察(どうさつ)力・強い先読みの力・素晴らしい集中力・暖かい包容力を持ち、それによって確信した事案に於ける行動は早く・速く、的確で適切です。本人にも聴こえているあだ名は『先読みのアドル・エルク』と言う。 追記  以下に列挙しますものらの基本原則動作原理に付きましては『ゲーム内一般技術基本原則動作原理設定』と言う事で、ブラックボックスとさせて頂きます。 ご了承下さい。 インパルス・パワードライブ パッシブセンサー アクティブセンサー 光学迷彩 アンチ・センサージェル ミラージュ・コロイド ディフレクター・シールド フォース・フィールド では、これより物語は始まります。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

処理中です...