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1章 なんで月に町が? なにそれ魔法??
心温令嬢化作戦‼②
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そして数十分後、髪をとかし終えた。
(あの激痛は、もう経験したくない……)
いわゆるトラウマだ。
だがそれは自分がいままで髪をとかしてこなかったせいである。
心温は完全にジュリエットのせいと決めつけているが、ほぼ自分の責任だ。
「さあ、終わったわよ~。次は服ね~」
言い終わると心温はまたまたジュリエットに連れて行かれた。
ついた部屋は、壁中に数多のドレスがかけられており、正面には壁いっぱいに鏡が埋め込まれている。
心温は、ジュリエットさんは鏡が好きだと認識した。
しかしジュリエットは、鏡好きではない。
心温が、髪のセットや着替えに鏡が必要なことを知らないだけである。
友達に「女子力が無い」といわれるのは、ごもっともである。
「さあ、何がお好み?? ロリータかしら? 好きなのを手に取ってね!」
ジュリエットはそう言った。
だがここにあるドレスは、リボンやフリフリがたくさんついており、心温の好みとはかけ離れている。
心温の好みは、「簡単に着衣できて、シンプル」である。
「あ、あの。あんまりフリフリして無い服が良いデス……」
「あら、そうなのね。シンプルだと、ゴシックロリータとかかしら? シンプルなゴスロリはどこだっけ……?」
心温には、「ゴスロリ」の意味が全く分からない。
「ゴスっとしたロリータ」と認識している。
(「ゴスっと」って何……? パンチを食らわせた時の効果音?)
「じゃあ、これなんかどう?」
数分後、ジュリエットが服をもってきた。
その服は、七分丈の袖がゴム緩くまとめてあるベージュのトップスに、黒いサロペットスカートがついているものである。
サロペットスカートは下の方に白いラインが入っているが、模様はそれだけだ。
(これなら、シンプルでいいかな。丈も長いし)
心温は、そう自分に言い聞かせていた。
そもそもスカートや、ひらひらしているものは心温の好みではないのだ。
「これにします」
なんとか心温は言い切った。
「パニエも入れるかしら?」
ジュリエットに、そう聞かれた。
無論、心温にパニエの意味が分かるはずない。
何かわからないものを着せられるのは嫌なので、心温は丁重にお断りした。
靴下も貰った。普通に真っ黒……だと思ったが、白い十字架の柄があった。
「そうそう、靴もセットなのよ~。サイズ確かめるから、靴持ってくるわね~」
心温は、自分の承諾なしで話が進んでいくのを、呆然と見ていた。
「20センチと21、22をもってきたわよ~」
ジュリエットがもってきたのは、黒色で厚底のクロスリボンシューズだ。
心温は、真っ先に22センチを履いた。
心温が20センチと21センチを履いていたのは一年以上前なのを、ジュリエットは知らない。
22センチは心温の足にちょうどいい大きさだった。
「じゃあ、ちょっと歩いてみて~」
心温は歩き出す。
が、靴を履いたのは厚底シューズを一回もはいたことが無い女子力ゼロの11歳。
無論厚底に慣れず、一歩目で転倒した。
幸い絨毯がやわらかく、大事には至らなかったが。
(貴族の令嬢生活、もう嫌あ~!!!!!!!)
ここが貴族の家かはわからないが。
(あの激痛は、もう経験したくない……)
いわゆるトラウマだ。
だがそれは自分がいままで髪をとかしてこなかったせいである。
心温は完全にジュリエットのせいと決めつけているが、ほぼ自分の責任だ。
「さあ、終わったわよ~。次は服ね~」
言い終わると心温はまたまたジュリエットに連れて行かれた。
ついた部屋は、壁中に数多のドレスがかけられており、正面には壁いっぱいに鏡が埋め込まれている。
心温は、ジュリエットさんは鏡が好きだと認識した。
しかしジュリエットは、鏡好きではない。
心温が、髪のセットや着替えに鏡が必要なことを知らないだけである。
友達に「女子力が無い」といわれるのは、ごもっともである。
「さあ、何がお好み?? ロリータかしら? 好きなのを手に取ってね!」
ジュリエットはそう言った。
だがここにあるドレスは、リボンやフリフリがたくさんついており、心温の好みとはかけ離れている。
心温の好みは、「簡単に着衣できて、シンプル」である。
「あ、あの。あんまりフリフリして無い服が良いデス……」
「あら、そうなのね。シンプルだと、ゴシックロリータとかかしら? シンプルなゴスロリはどこだっけ……?」
心温には、「ゴスロリ」の意味が全く分からない。
「ゴスっとしたロリータ」と認識している。
(「ゴスっと」って何……? パンチを食らわせた時の効果音?)
「じゃあ、これなんかどう?」
数分後、ジュリエットが服をもってきた。
その服は、七分丈の袖がゴム緩くまとめてあるベージュのトップスに、黒いサロペットスカートがついているものである。
サロペットスカートは下の方に白いラインが入っているが、模様はそれだけだ。
(これなら、シンプルでいいかな。丈も長いし)
心温は、そう自分に言い聞かせていた。
そもそもスカートや、ひらひらしているものは心温の好みではないのだ。
「これにします」
なんとか心温は言い切った。
「パニエも入れるかしら?」
ジュリエットに、そう聞かれた。
無論、心温にパニエの意味が分かるはずない。
何かわからないものを着せられるのは嫌なので、心温は丁重にお断りした。
靴下も貰った。普通に真っ黒……だと思ったが、白い十字架の柄があった。
「そうそう、靴もセットなのよ~。サイズ確かめるから、靴持ってくるわね~」
心温は、自分の承諾なしで話が進んでいくのを、呆然と見ていた。
「20センチと21、22をもってきたわよ~」
ジュリエットがもってきたのは、黒色で厚底のクロスリボンシューズだ。
心温は、真っ先に22センチを履いた。
心温が20センチと21センチを履いていたのは一年以上前なのを、ジュリエットは知らない。
22センチは心温の足にちょうどいい大きさだった。
「じゃあ、ちょっと歩いてみて~」
心温は歩き出す。
が、靴を履いたのは厚底シューズを一回もはいたことが無い女子力ゼロの11歳。
無論厚底に慣れず、一歩目で転倒した。
幸い絨毯がやわらかく、大事には至らなかったが。
(貴族の令嬢生活、もう嫌あ~!!!!!!!)
ここが貴族の家かはわからないが。
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