上 下
9 / 16
1章 聖女の意味を知らない国王についていく気はありませんので!

王主催パーティー①

しおりを挟む
 「いやあ~、君たちはきっと最強聖女だよ~。なんなら今度、僕主催のパーティーにティラー伯爵家・・・・・・・で来てほしいんだけど……どうかな?」
……えっ?
ほっ本当に言っているの!?
王主催のパーティーなんて、オマスペルマスじゃあ大公爵と公爵、それと侯爵のみが行けるものだったのに……。
私達は伯爵。
しかもペルミルンに来てまだ一日も経っていないのよ!?
どれだけお心が広い方なのかしら……。
「これだけ魔力の強い二人だから、家族も気になって」
陛下は、ニコニコ顔でそう言う。
はあ、軽いですね。
 感動した私が馬鹿だったかしら。
確かに、聖女の質が良ければ良いほど、聖女を輩出している家も気になるわ。
それならぜひ参加するほうが良いわよね。
「ご厚意に答えさせていただきます。ぜひ、参加させていただきますわ」
私が、微笑んで返事をする。
パーティー、しかも王主催なのですから、ドレスやアクセサリーに凝らなくてはなりませんね。
まずは日にちを聞くのが最優先ですね。
「それで――日にちのほうはいつなのですか?」
「明日だよ」
 「「えええええええっ!?」」
あ、明日ぁ!?
そ、そんなにいきなり実施できるのかしら??
王主催ということはきっと豪華にパーティーを開くのでしょう。
準備が間に合うかしら……。
「なんだい? 明日はあいてなかったかい?」
「いえいえ! 王主催のパーティーなどという貴族にとって最高の事がすぐ出来るということを……」
「無理しなくていいよ。日にちに驚いているのだろう? 『善は急げ』だからね」
はあ。
『善は急げ』って、「良いことはためらわずに、直ちに実行せよ」って意味よね。
私達には嬉しい出来事だけど、陛下にとっては嬉しいのかしら……?
 「早急の実施、ありがとうございます。では準備のため、帰らせていただきます」
「ああ。楽しみにしているよ」
ああ、なんだか緊張してきたわ……。
「「〖テレポーテーション瞬間移動〗」」
 「お父様、お母様! 明日実施する、陛下主催のパーティーに誘われたのです‼」
「えっ!?」
まあ、驚かれるのは当然ですわよね。
「準備しなくては!」
「アンジュもエイミも準備して‼」
わかってますわよ。
私は足取り軽く、自分の部屋に入った。
エイミはもうこの部屋には居ない。
オマスペルマスを離れたから、エイミも自分の部屋がもらえるようになったの!
 さて、ドレスは何にしようかしら?
アクセサリーは何にしようかしら?
 緊張するけど、選ぶのも楽しいわ‼
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約破棄ですか、大したものですね

droit
恋愛
わたしはこの国で一番になった。つまりこの国で最も優れたギフトを持っていたということだ、しかしこの国のトップはそれが気に入らなかった。わたしは嫉妬心の対象となった。そして政治的な動きが生じていたことに気付くことができなかった、突然の婚約破棄に加えそしてわたしは国を追い出された。絶対に許さない、絶対に、絶対にだ!!

【完結】君の世界に僕はいない…

春野オカリナ
恋愛
 アウトゥーラは、「永遠の楽園」と呼ばれる修道院で、ある薬を飲んだ。  それを飲むと心の苦しみから解き放たれると言われる秘薬──。  薬の名は……。  『忘却の滴』  一週間後、目覚めたアウトゥーラにはある変化が現れた。  それは、自分を苦しめた人物の存在を全て消し去っていたのだ。  父親、継母、異母妹そして婚約者の存在さえも……。  彼女の目には彼らが映らない。声も聞こえない。存在さえもきれいさっぱりと忘れられていた。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?

長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。 王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、 「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」 あることないこと言われて、我慢の限界! 絶対にあなたなんかに王子様は渡さない! これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー! *旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。 *小説家になろうでも掲載しています。

異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)

深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。 そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。 この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。 聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。 ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。

護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜

ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。 護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。 がんばれ。 …テンプレ聖女モノです。

王太子に愛する人との婚約を破棄させられたので、国を滅ぼします。

克全
恋愛
題名を「聖女の男爵令嬢と辺境伯公子は、色魔の王太子にむりやり婚約破棄させられた。」から変更しました。  聖魔法の使い手である男爵令嬢・エマ・バーブランドは、寄親であるジェダ辺境伯家のレアラ公子と婚約していた。  幸せの絶頂だったエマだが、その可憐な容姿と聖女だと言う評判が、色魔の王太子の眼にとまってしまった。  実家を取り潰すとまで脅かされたエマだったが、頑として王太子の誘いを断っていた。  焦れた王太子は、とうとう王家の権力を使って、エマとレアラの婚約を解消させるのだった。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

処理中です...