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3章 無慈悲、リシャール家

リシャール家は標的が娘でも揺らがない

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 すうすう。んー、布団があったかい……。
ピピピピピピ‼
あ、アラーム鳴ってる……。
ということは朝の7時かあ……。
まあいいや。もうちょっと寝ちゃおう!
「お姉様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
謎の馬鹿でかい声で、私は完全に目覚めてしまった。
せっかく二度寝できそうだったのに……。
 お姉様って誰だろう?
お姉様と言っても私が姉だし。
私が姉に当たる人物といえばカイだけど、「お姉様」なんて呼ばない。
――というか、カイにそう呼ばれたら「普通に呼んで‼」と叱咤しているだろう。これはもう自分で予想がつく。
 姉をお姉様と呼ぶのは、――小説だけで構成されている私のイメージでは――貴族の令嬢たちだろう。
このメンバー内で令嬢と言えば――
アリス・リシャール。
しっかし、アリスに妹なんていたんだ??
外の様子を宿の部屋から覗く。
「お姉様あ!!」といって走りまくっているのは私より年下くらいに見える、金髪をお団子にした女の子だった。
金髪……、やっぱりアリスの妹?
 私が宿の外に出ると、カイがいた。
カイも、あの声に起きたみたい。
また、行動が全く一緒。
 「お姉様あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」
こんどは私を見るとこっちに向かって走ってきた。
「お姉様を知っていますかぁ!?」
「いや、お姉様って誰」
まずそれを説明しないとダメでしょ。
「自分は、ローズ・リシャールです。お姉様は――」
「アリス・リシャールだろ?」
ちょっとカイ、話をさえぎるなあ‼ 話の途中だってば!
「知っているなら何よりです。お姉様を呼んできてください‼」
「わかった‼」
それを聞くなりカイが宿へ。
待つ時間は暇だけど、つれてくるのは面倒だからよかったー。
 「連れてきたぞ!」
「ロ、ローズ!?」
アリスは、すごく驚いている。
この反応からして、本当に妹なのね……。
ところで、何の話をするんだろう。
 「お姉様、お父様とお母様が、『アリスが見つからないから悪魔で探し出す』と言っていました‼ いずれこの地にも悪魔がたくさん訪れると思います‼ 悪魔はお姉様を見つけると位置情報などを送信するようになっています。位置をつかんだら追いかけて、そしていずれお姉様を殺すそうです! ど、どうしたらいでしょう……」
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