バー木蓮 比呂乃ママと一杯いかが?

くうちゃん

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第3部 木蓮 チャクラとレインボーカラー

第3部 第6話 満月🌕の夜 カメリアの泉から(3/3)

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 見上げる月は、こんな時いつも静かに見守るだけだ。答えはいつもなかった。

(ここから)

 空気の冷え切ったアパートに戻り、少し淋しい気持ちになって横になった。うとうとしていたけれど、オフにし忘れたメールの着信音がして、目が覚めた。
 店のことやプライベートで見たこと感じたことをあげていたnoteから「スキのおしらせ」が届いた。

 相手は、初めて関わる相手だけれど、とても素敵な場所を紹介している方だった。その方が私の記事をスキだと言ってくれて、どうやらそれは真実らしい。

 比呂乃は、そこでの自分の価値を自分で認められる気がした。

 SNSというものに、最近まであまり触れたこともない比呂乃だったが、こんな風に愛を感じられる場なんだと思えた。
 
 noteで、別の方が、自分で作った自分の過ちや思いを歌う歌声を聴きながら、涙があふれた。この地の声が、地の声でしか届かない思いが、なぜか今は電子となり届く。
    だから、私の地の文章や地の思いが同じように誰かに届いているのだ。その流れは決して見えないけれど、確信できる。

 そしてこの感覚を育てれば、もっと世界を愛することができ、愛されるという予感もした。そして、ようやくだれかと愛し合うのだと分かった。


 その時、比呂乃の心の中に溢れたビジョンは、どうだろう。かつてないほど、光り輝き暖かなビジョンだった。

 カメリアの泉にスイレンが浮かび、泉の大きな水瓶からあふれる流れで、黄金のドアが開いた。

 開かれたドアの向こうには、緑の草原が果てしなく広がっていた。青々と伸びる草が根付いた大地に、豊かで温かい流れは滔々と、つきることない潤いを与え続ける。

 それはタロットの節制のイメージであり、The Starのイメージでもある。比呂乃は、そうそう、そんな風に生きたいんだったと思った。
 審判のラッパが聞こえそうな満月の夜だった。

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