カメリア・シネンシス・オブ・キョート

龍騎士団茶舗

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ラスト・コンテクスト Part2

プリマキナ・オルソグナス(15)

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「敵の様子はどうだ!? 遠藤さん」

森の奥へツヅキが大声で問う。
先程まで自分たちがいた場所だが、今は遠藤と

「もうすぐ動きだしそうだ!」

「“アンタら”は大丈夫か?」

「ああ! ジュディさんもヴェルメロスの皆も流石銃火器の扱いが非常に上手くて、教えを乞いたいよ!」

彼らが、蜘蛛の両中脚から量産されている子蜘蛛の津波を押しとどめていた。

「カオルさん! 『60℃』!」

「オッケー!」

レインスにカオルが撃ち込む。
レインスはソレによって増量した魔力を乗せ、ライフルの引き金を引いた。
強化された弾丸が子蜘蛛を数匹まとめて貫通する。

「アサヒくん! 『90℃』!」

「了解です!」

次はアサヒがアルマージュに撃ち込む。
加速した彼は素早く腰の弾丸を腕の側面で跳ね上げると、空中で両手のリボルバーに装填した。


◇◇◇


銃声が雨あられのように聞こえてくる。

「よし。じゃあ俺は先に行くぜ」

「ああ、頼みます。ムサシさん」

ムサシはツヅキが敬語を使ったコトに少し驚いたが、微笑して遠藤たちの方向に走っていった。
童仙が口を開く。

「私もいつでも大丈夫です」

「俺もだが……カップちゃん、もう軽くしてるのか?」

「あ、い、いえ、まだです」

「フランシスさん、まだ我慢してくれ。ギリギリで軽くしたいんだ。魔力の浪費は避けたい」

「ああわかってるさツヅキ君。ちょっと確認しただけだ。ミスター童仙、アンタ細身な割に重いな。筋量か?」

「大変申し訳ありません……!」

「いやいや、後で筋トレ法を教えてくれないか?」

「ソレはオレも後で聞きたいが、“射出”は行けるか?」

「もちろんだ。俺の三角筋から腕橈骨筋まで、全てがぎりぎりと弦を引いてるぜ」

フランシスはその大きな片手に、足を揃えた童仙を乗せていた。
まるで弁慶と大人の牛若丸だな、とツヅキは思った。
カップはその横で、杖を構える。

「準備してくれ。カウントダウンする。……5、4、3」

童仙が体勢を屈める。
フランシスも腕を引いた。

「2」

カップの杖先にも、青い光が点る。

「1……0!」

カップの魔力により、童仙が軽くなった。
フランシスは全力で彼を投げる。
カップの“自由落下”による速度よりも速く、彼は直線的に飛んだ。

空中で抜刀し、眼前の樹々を切り裂く。
開けた光景の先に、蜘蛛がいた。
ツヅキはまたも大声を森へと発する。

「ララさん!」

「はい!」

ララはツヅキたちと遠藤たちの中間の場所にいた。
童仙が空中を通過するのに合わせ、『100℃弾』が撃ち込まれていた彼に『50℃弾』を上書きする。

「流石ヴェルメロスの“レア”。空中の相手に撃ち込むのはお手のモノか……!」

ララの横を通過したムサシが独り言ちた。
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