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ラスト・コンテクスト Part2

プリマキナ・オルソグナス(4)

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「ソレでは、殲滅戦の開始ですな」

メストールがそう言うと、全員が踵を返して走りだした。

ツヅキが走りながらメイに話しかける。

「コレ(とりあえず逃げる)で良かったのか?」

「貴方、私の心読みに頼りすぎてない? 答えはイエスよ。まず、ヤツらの一番の狙いは所有権者の貴方。ソレに」

「ソレに、アレと戦うにしてもこんな広場では不利でしょうしね」

「そういうコト」

ツヅキの、メイと反対側の隣を走っていたノワールが、メイの言葉の先を言う。
広場の中心から彼らは、森に向かって走っていた。
森との境界線には、ウィーとアルマージュがいる。

「ウィー、何とか立ち上がれはするみたいだな。良かった」

「でも、妙な顔してますね。横の、アルマージュさんも」

メイの横に並んで走っているアサヒが言った。
メイとツヅキが答える。

「確かに。『ちょっと待て』って困惑してるわね」

「ああ、ソレは心を読まなくてもわかるよ」

背後で轟音が響いた。
首を回して見ると、“蜘蛛”が立ち上がり、雄叫びを上げているのがわかった。
そして、その背中から何かが射出された。

追尾ミサイルだ。

「クソッ。森まで逃げられるか?」

ミサトが呟く。
そしてどうやらその答えはノーだった。

「俺たちに任せろ!」

オクルス、レインス、ララが立ち止まり振り返る。
そして飛行装置“アズール”の始動部を掴んだ。

「ああいうデカブツには空中戦だ!」

「坊やたちだけには任せておけないわね」

ジュディも三人の前に進む。

「私も、“一部だけなら”飛べるわ」

「心強いよお姉さん!」

レインスが言う。
皆が迫りくるミサイルにそれぞれ身構えた。が

何も動かない。
ララの疑問が口にでた。

「あ、アレ……?」

ジュディも、自らの身体が分離できなかった。
一部始終を見ていたムサシが何かに気づく。

「さっきの、ヤツの“青い波紋”といい、もしかして……。やっぱりそうなのか!? おいお前ら、機械類は多分しばらく動かせねえぞ! 戻れ!」

ムサシは、臨戦態勢のままの四人に呼びかける。
だが、ミサイルは無情にももう近すぎた。

「では、私たちが殿を務めた方が良さそうですね」

童仙がそう言い、南山城国の面々が勢いよく四人のもとに戻る。
そして、抜刀の構えに入った。
遠藤も口を開く。

「幸い、僕の銃も刀ほどじゃあないけど、機械と言うには単純すぎるからね」

「私の“急須”もソレは同じですよ。遠藤さんは中央、童仙さんと龍之介くんはそれぞれ右と左ですかね?」

「ええ、『90℃弾』でいきましょう。コレは私より龍之介殿の方が遥かに得意そうです」

「そんなコトはありませんよ」

龍之介は優しく微笑みながら遠慮気味にそう言ったが、その微かに見える瞳と刀に添えられた手は、静かな戦闘意欲を剥きだしにしつつあった。
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