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ラスト・コンテクスト Part1

大文字の夜に(2)

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「皆さん、すっごくすっごーくヒドいですね♪ “問答”の流れ的には、実に実に民主的に、有罪者は集団リンチ不可避なんですね。ひっどおーいなぁあー」

カトリーヌが涙を流すフリをしながら、その場にへたり込む。

「でも、南山城国の“ぺルソン・ラー”さん。えっと、貴方たちの国の言葉だと“まれびと”さんでしたっけ? 貴女の言った『ごちゃごちゃ言わずにU.J.Iさんパクスさん対私たちの方が良くないですか?』には賛成です」

皆がその言葉を聞き、その真意に到達する前に

「特に『ごちゃごちゃ言わずに』の部分にはね♪」

パクスの一行から、カトリーヌとノワールの姿が消えた。

皆が視線で追うコトができず、気づいた時には、カトリーヌはメイとカオルの前に、ノワールは童仙の前に立っていた。
カトリーヌはメイとカオルの額にそれぞれ左右の拳を当てており、ノワールは左手の人差し指と中指を童仙の刀に添えている。

「おっと♪ ヴェルメロスの坊やたちも動かない方がいいですよ。既に照準済みです♪」

先程まで一行が揃っていたパクスの立ち位置には、ミサトのみがいた。
ミサトから少し離れた位置、祭壇に邪魔されずにヴェルメロスへの射線を確保できる場所に、ブレーズが立っている。
その小さな身体は、口に筒状にした右手を当て、左手をその前に構えていた。

「皆さんが悪いんですよ♪ 窮鼠猫を噛まざるを得ない状況を作りだしたのは貴方がたです。状況の製造者責任がありますよねぇ」

オクルスが口を開いた。

「アンタらんトコの“ララ”を放っといて大丈夫なのか? そこのお嬢ちゃんがオレたちを攻撃する前に、ウチの早撃ちの名手の銃が火を吹かないとも限らないぜ?」

「撃てるもんなら撃ってみてくださいよ♪ その瞬間、ヴェルメロスの皆さんの手に風穴をプレゼントしますよ。ソレにその女(ひと)、“ぺルソン・ラー”にしては普通じゃあないですよ」

ミサトは小声で言った。

「普通じゃあないって、あんまり褒め言葉じゃねーぞ」

童仙は目の前のノワールに話しかける。

「速いですね」

「ありがとうございます。『100℃弾』です。そして身体能力には自信がありまして」

「存じ上げていますよ。貴女方とは兄弟国のような関係でしたものね」

「そうですね。その時代のコトは、あまり知りませんが」

「ええ。私も聞き及んだ程度です」

カトリーヌが、U.J.Iに問う。

「さて、どうしますU.J.Iさん♪ 他の皆さんの言葉通り、二ヶ国仲良くボコられますか? ソレとも貴方がたの言葉通り、皆さんの側に回って私たちを嬲りますか? ごちゃごちゃ言葉遊びの必要ない状況を作り上げてあげましたので、今すぐ決めていただけますと助かります♪」

「いいえ、誰も何も嬲らないわ」

メイが宣言した。
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