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テラ・ドス・ヴェルメロス(14)

暗黒山脈(40)

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「ぐぁっ……!」

ヴェルメロスの三人全員に、ジュディの弾丸が命中する。
傷だらけのジュディの照準は正確ではなかったが、オクルスの右肩、アルマージュの左太腿の端、レインスの左肩、を撃ち抜いた。

ジュディは落下運動のままに、三人に近づいてくる。
そしてその装弾は、オクルスの想定以上に早かった。迎撃は間に合わない。

「皆、最大出力だ!」

ヴェルメロスの四人は、アズールを最大出力にした。
蒸気が一瞬で辺りを包む。

その場にいた全員の視界が、真っ白になった。


◇◇◇


「クソッ、熱いんだよ!」

ミサトが毒づく。
傍らのブレーズも自慢の声で周囲を何とかしたかったが、蒸気の熱が息を吸い込むコトを許さなかった。

やがて、蒸気が薄まり始めた。
ゆっくりと周りの光景が戻ってくる。

ソコには、ミサトとブレーズの他には誰もいなかった。

「ドコ行った? アイツら」

「……あ」

ブレーズが前方を指さす。
草むらが揺れていた。

「お」

ミサトは銃を構えると、躊躇せず撃った。
弾丸が草むらに飛び込む。


……
………

「痛ったぁあぁーああい!」

草むらから、衣服がボロボロな女性が飛びでてくる。カトリーヌだ。

「なんでいきなり撃つんですかあ! ミサトさぁーん!」

「うん、この甘めぇ『さみどり』味はカトリーヌだ。そしてその視覚的面積増の肌色部分の無駄に下品な凹凸具合、うん、やっぱりカトリーヌだ」

審査弾の味を皆が咀嚼する。

「惚れちゃあダメですよ♪」

「あ、飲んじゃった。吐きだそうと思ったのに」

カトリーヌの後ろには、ノワールもいた。
コチラも服はボロボロで、スタイルの良い腰と脚、肩が露出している。

「やられました……」

「大丈夫か? ……にしては、大丈夫そうね」

「私たちは最初っから自分たちの魔力を、身体強化に全振りですからね。服だけしか致命的なダメージは負っていません」

「もう少しこのダメージドレスで居ようかな♪」

「相手はどうだった?」

「すみません、確認できませんでした。私たちよりダメージを負っていると思うのですが、逃げられたようです」

「ま、しゃあないか。逃げたとしたら“山を降りる向き”だろ。ていうか、男の子と、機械の身体のボロボロの女性見なかった? あと、蒸気吹きだしてるヤツら」

「いえ、見なかったですね」

「だとしたら……U.J.Iのヤツらはまあいいとして、ヴェルメロスのヤツらは先に進んだっぽいな」
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