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シュロッス・イン・デル・ゾーネ(13)
暗黒山脈(22)
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U.J.Iとバクエット・ド・パクスの一行たちが戦闘をしている同時刻――
「あの隠しもしない蒸気機関……完全にヴェルメロスの一行ね。心を読むまでもない」
メイが言った。
デル・ゾーネの一行は、U.J.I――尤も、ツヅキらは相手がそうだとは判別できていないが――との一瞬の戦闘の後、続いて空からの攻撃を受けた。
ウィーがいち早く気づき防御を行い、現在彼らは草むらの中に隠れていた。
「しかし、お嬢さんがこんな魔術も使えたとはね」
「何よ。こう見えて結構優秀なんですけど私」
ツヅキは、自分たちの周囲にランダムに配置されている“燃えない炎”を見て言った。
敵からの襲撃後、今と同じようにまずは草むらに隠れたデル・ゾーネ一行だったが、敵からの追撃は止まなかった。
それもそのはず、ヴェルメロスの一行はサーモグラフィを装備したからだ。
温度探知によって、ツヅキらの位置は筒抜けだった。
ソコで、メイが“燃えない炎”を周囲に展開した。
ソレ自体は術者の思い通りに形を変えたり動かせたりする熱源でありながら、周囲には延焼しない炎。
炎たちの展開によって、相手の目を欺くコトにはまんまと成功した。
「ど、どうします? ほ、炎を動かして、わ、私たちも逃げますか?」
「いえ、カップ。私の魔術半径内でしか炎は展開できないし動かせない。どっちにしろ、ヤツらもついてくるわ」
「そ、そうでした……」
「でも、逃げ続けるコトはできるんじゃあないか? ドコかで隙も生まれるだろう?」
「ツヅキくん、この山脈にきたのは逃げるためじゃあなくってよ」
ちっちっちと、メイが指を振った。
ツヅキが訝しむ。
「カップ、私の炎みたいにランダムな場所に……」
◇◇◇
「肉眼でも眼鏡越しでも、見つけられなくなったわね」
「だからこそ地道に眼鏡越しで潰すしかねーだろ」
レインスに答えながら、アルマージュは引き金を引いた。
草むらに跳ねた弾丸は、最後に消えゆく炎を煌めかせた。
「ハズレか」
彼らは上空を不規則に旋回しながら、熱源を一つずつ潰していた。
すぐに新たな熱源が現れるが、相手に辿り着くのは時間の問題だろう。
「あと怪しいのは六つか」
「オクルスの記憶力のお陰で助かるよ。神経衰弱は苦手だからな」
アルマージュがまたも引き金を引く。
ハズレだったが、残りは五つだ。
「次のは私が――」
と、レインスの声が歪んだ。
一行がソチラを向く。
レインスは飛行態勢を崩し、急速に落下していた。
「おい、レインス!」
オクルスが言うが早いか、ララがレインスに弾丸を撃ち込んだ。
レインスが態勢を立て直し、皆と同じ高さに戻ってくる。
「もう! なんで毎回敵の反撃一発めは私なのよ! ララさん、『100℃』弾助かったわ」
「いえ……当てれて良かったです」
「何があった? レインス」
「なんか急に押さえつけられたような感じがして――」
レインスが言い終わる前に、次はオクルスが皆の前で急落した。
またもララが弾丸を放つ。
「あの隠しもしない蒸気機関……完全にヴェルメロスの一行ね。心を読むまでもない」
メイが言った。
デル・ゾーネの一行は、U.J.I――尤も、ツヅキらは相手がそうだとは判別できていないが――との一瞬の戦闘の後、続いて空からの攻撃を受けた。
ウィーがいち早く気づき防御を行い、現在彼らは草むらの中に隠れていた。
「しかし、お嬢さんがこんな魔術も使えたとはね」
「何よ。こう見えて結構優秀なんですけど私」
ツヅキは、自分たちの周囲にランダムに配置されている“燃えない炎”を見て言った。
敵からの襲撃後、今と同じようにまずは草むらに隠れたデル・ゾーネ一行だったが、敵からの追撃は止まなかった。
それもそのはず、ヴェルメロスの一行はサーモグラフィを装備したからだ。
温度探知によって、ツヅキらの位置は筒抜けだった。
ソコで、メイが“燃えない炎”を周囲に展開した。
ソレ自体は術者の思い通りに形を変えたり動かせたりする熱源でありながら、周囲には延焼しない炎。
炎たちの展開によって、相手の目を欺くコトにはまんまと成功した。
「ど、どうします? ほ、炎を動かして、わ、私たちも逃げますか?」
「いえ、カップ。私の魔術半径内でしか炎は展開できないし動かせない。どっちにしろ、ヤツらもついてくるわ」
「そ、そうでした……」
「でも、逃げ続けるコトはできるんじゃあないか? ドコかで隙も生まれるだろう?」
「ツヅキくん、この山脈にきたのは逃げるためじゃあなくってよ」
ちっちっちと、メイが指を振った。
ツヅキが訝しむ。
「カップ、私の炎みたいにランダムな場所に……」
◇◇◇
「肉眼でも眼鏡越しでも、見つけられなくなったわね」
「だからこそ地道に眼鏡越しで潰すしかねーだろ」
レインスに答えながら、アルマージュは引き金を引いた。
草むらに跳ねた弾丸は、最後に消えゆく炎を煌めかせた。
「ハズレか」
彼らは上空を不規則に旋回しながら、熱源を一つずつ潰していた。
すぐに新たな熱源が現れるが、相手に辿り着くのは時間の問題だろう。
「あと怪しいのは六つか」
「オクルスの記憶力のお陰で助かるよ。神経衰弱は苦手だからな」
アルマージュがまたも引き金を引く。
ハズレだったが、残りは五つだ。
「次のは私が――」
と、レインスの声が歪んだ。
一行がソチラを向く。
レインスは飛行態勢を崩し、急速に落下していた。
「おい、レインス!」
オクルスが言うが早いか、ララがレインスに弾丸を撃ち込んだ。
レインスが態勢を立て直し、皆と同じ高さに戻ってくる。
「もう! なんで毎回敵の反撃一発めは私なのよ! ララさん、『100℃』弾助かったわ」
「いえ……当てれて良かったです」
「何があった? レインス」
「なんか急に押さえつけられたような感じがして――」
レインスが言い終わる前に、次はオクルスが皆の前で急落した。
またもララが弾丸を放つ。
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