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バクエット・ド・パクス(13)
暗黒山脈(18)
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「“急須”を持ってる以上、コチラの可愛い少年からまずはお相手しないといけませんねえ♪」
パクスの彼女が、アサヒの方を向いた。
アサヒは“銃”を連射する。
アサヒの狙いは良かったが、女性はその弾丸を容易く回避した。
回避しながらも、アサヒに一歩また一歩と近づく。
「大丈夫。取って食おうってワケじゃあありませんから」
女性はムサシたちのコトも計算し、位置を選んでいた。
もしもムサシかフランシスが攻撃を行えば、アサヒにも当たりかねない場所を上手く選び、戦闘の状況を操作していたのだった。
彼ら二人もそのコトはわかっていたので、アサヒと女性に向かって既に走り始めていたが、ソレは間に合いそうもなかった。
アサヒは弾倉を装填するでもなく、その銃口を下げた。
「諦めていただけましたか♪ その方がコチラも助かります」
「いえ、もう終わりました。命中したので」
女性は全身に何かが衝突し、身動きができなくなるのを感じた。
彼女の反応速度を上回るスピードだった。
「ぐっ!」
「『90℃』弾が狙っていたのは、私の方だ」
耳元で、ジュディの声が聞こえた。
辛うじて動かせるだけ首と目を女性が動かすと、背後で、空中に浮かんだジュディの“右胸”に弾丸が命中しているのが見えた。
「バラバラにしたのは悪手だったわね。お陰で『90℃』弾の力もあって、貴女を拘束するコトができた」
「こんな拘束ぐらいっ……!」
銃声がまたも森に響いた。
アサヒがジュディの、次は右腕に弾丸を撃ち込んでいた。
女性を縛るジュディの力が激しくなる。
「ぐあっ……! 『50℃』弾……ですか」
「いや、『60℃』だ。残念だったな」
「……どこかでお会いしましたっけ?」
「ああ。確かに、私の脳の中にも貴女の記憶があるよ」
「メモリーじゃあ、ないんですか」
「こう見えて、私はロボットじゃあなくてね」
「あら、身体は私の方が柔らかそうですけど」
「いや、ご覧の通り関節も柔らかいよ」
「そういうコトじゃあ、ないんですけどね」
「わかってるさ。お陰で掴みやすいよ。身体の凹凸がハッキリしててね」
「……じゃあ、精一杯掴んでいてくださいねっ!」
女性は上半身に比べて拘束の緩い下半身に力を込めると、空中にジャンプした。
そのまま背中から、地面目がけて落下する。
女性の全身を、電磁力で少し身体を離しつつ、くまなく拘束していたジュディだったが、その主要部分は女性の背中に集中していた。
体幹部分と頭部もそうだ。
女性が背中から地面に落下したコトで、ジュディに衝撃が加わった。
「ぐぅっ……!」
ジュディの拘束は少し緩んだが、まだ女性を離さない。
「じゃあもういっちょ!」
女性が立ち上がり、再度同じ攻撃を加えた。
しかし次は、同じようにはいかなかった。
女性の背中に、貫くような衝撃が来た。
「かはっ……!」
ジュディが体幹部位に少し空間を開け、ソコに左手を置いたのだった。
その指先を女性の背中に添え、手刀のようにして。
地面に衝突した力は、左手首からその指先へと、そして女性の背中へと伝わっていた。
「痛いわね……。どうする? 私と貴女の我慢比べ、する? 確かに、私より貴女の方が柔らかそうだけれど」
「……機械はコレだから嫌いです。おっと失礼。脳みそ以外だけ、でしたっけ?」
パクスの彼女が、アサヒの方を向いた。
アサヒは“銃”を連射する。
アサヒの狙いは良かったが、女性はその弾丸を容易く回避した。
回避しながらも、アサヒに一歩また一歩と近づく。
「大丈夫。取って食おうってワケじゃあありませんから」
女性はムサシたちのコトも計算し、位置を選んでいた。
もしもムサシかフランシスが攻撃を行えば、アサヒにも当たりかねない場所を上手く選び、戦闘の状況を操作していたのだった。
彼ら二人もそのコトはわかっていたので、アサヒと女性に向かって既に走り始めていたが、ソレは間に合いそうもなかった。
アサヒは弾倉を装填するでもなく、その銃口を下げた。
「諦めていただけましたか♪ その方がコチラも助かります」
「いえ、もう終わりました。命中したので」
女性は全身に何かが衝突し、身動きができなくなるのを感じた。
彼女の反応速度を上回るスピードだった。
「ぐっ!」
「『90℃』弾が狙っていたのは、私の方だ」
耳元で、ジュディの声が聞こえた。
辛うじて動かせるだけ首と目を女性が動かすと、背後で、空中に浮かんだジュディの“右胸”に弾丸が命中しているのが見えた。
「バラバラにしたのは悪手だったわね。お陰で『90℃』弾の力もあって、貴女を拘束するコトができた」
「こんな拘束ぐらいっ……!」
銃声がまたも森に響いた。
アサヒがジュディの、次は右腕に弾丸を撃ち込んでいた。
女性を縛るジュディの力が激しくなる。
「ぐあっ……! 『50℃』弾……ですか」
「いや、『60℃』だ。残念だったな」
「……どこかでお会いしましたっけ?」
「ああ。確かに、私の脳の中にも貴女の記憶があるよ」
「メモリーじゃあ、ないんですか」
「こう見えて、私はロボットじゃあなくてね」
「あら、身体は私の方が柔らかそうですけど」
「いや、ご覧の通り関節も柔らかいよ」
「そういうコトじゃあ、ないんですけどね」
「わかってるさ。お陰で掴みやすいよ。身体の凹凸がハッキリしててね」
「……じゃあ、精一杯掴んでいてくださいねっ!」
女性は上半身に比べて拘束の緩い下半身に力を込めると、空中にジャンプした。
そのまま背中から、地面目がけて落下する。
女性の全身を、電磁力で少し身体を離しつつ、くまなく拘束していたジュディだったが、その主要部分は女性の背中に集中していた。
体幹部分と頭部もそうだ。
女性が背中から地面に落下したコトで、ジュディに衝撃が加わった。
「ぐぅっ……!」
ジュディの拘束は少し緩んだが、まだ女性を離さない。
「じゃあもういっちょ!」
女性が立ち上がり、再度同じ攻撃を加えた。
しかし次は、同じようにはいかなかった。
女性の背中に、貫くような衝撃が来た。
「かはっ……!」
ジュディが体幹部位に少し空間を開け、ソコに左手を置いたのだった。
その指先を女性の背中に添え、手刀のようにして。
地面に衝突した力は、左手首からその指先へと、そして女性の背中へと伝わっていた。
「痛いわね……。どうする? 私と貴女の我慢比べ、する? 確かに、私より貴女の方が柔らかそうだけれど」
「……機械はコレだから嫌いです。おっと失礼。脳みそ以外だけ、でしたっけ?」
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