93 / 277
バクエット・ド・パクス(8)
他国に入っただけなのに(3)
しおりを挟む
「しかし、デル・ゾーネの出発が遅れているのは何故でしょうね?」
ノワールが皆に問いかける。
一行が市街で最初に到達した場所は、商店区域だった。
ソコで情報(と食べ物とその他諸々)を手に入れながら、彼女らは市街を北へ進んでいた。
「なんか聞いてると、この国の最大機関『オートラグ』とごちゃごちゃしてるみたいだけどね」
ミサトがサンドイッチを食べ歩きながら言う。
ノワールは内心「どれだけ食べられるんだろうこの人……」と思っていた。
「まあ、私たちにとっては好都合ですね♪」
「…………」
カトリーヌもホットドッグを食べ歩きながら言う。
ブレーズも内心「どれだけ食べられるんだろうこの人……」と思いながら、カトリーヌの言に対し頷いていた。
◇◇◇
ミサトとカトリーヌがまだ満腹にならぬうちに、彼女らは商店区域を通り抜けた。
街並みは緩やかに、商品などを売り込むために外に開けた店々が立ち並ぶソレから、中に一歩踏み込まなければ様子がわからない建物の群にシフトしていく。
「経済区域、ですかね?」
「みたいだねぇ。カトリーヌ、道はコッチで合ってんの?」
「大丈夫ですよ♪」
「あ……アレ」
ブレーズが消え入りそうな声とともに、前方の建物を指差す。
そこには、一つの商館が建っていた。
「どうしました? ブレーズ」
「お茶の………意外と………………」
「確かに割とここまで、お茶関連のお店は見かけませんでしたね。食べ物関連は多かったですが」
「デル・ゾーネはお茶の“目立ってる度”で言えば、確かにキョート内では高くはないかもしれませんね。でも品質、特に抹茶などの品質は高いんですよ♪」
カトリーヌが解説する。ミサトがそれに対し、ふと疑問を投げかける。
「へえ、そうなんだ。パクスは?」
「パクスの特徴は、大規模な生産ですね~。キョート随一の生産量ですから♪」
「ほーん」
喋っているうちに、商館の前まで辿り着いた。
商館の扉の上には『龍騎士団茶舗』の文字。
「入ってみる?」
「情報収集します?」
ミサトとノワールが他の二人に聞く。
「じゃあ、レディファーストで入りますね♪ さあ、ブレーズも」
「……」
全く会話にならぬまま、カトリーヌとブレーズが中に入る。
ミサトとノワールは「私たちもレディだよね?」と顔を見合わせつつも、その後に続いた。
ノワールが皆に問いかける。
一行が市街で最初に到達した場所は、商店区域だった。
ソコで情報(と食べ物とその他諸々)を手に入れながら、彼女らは市街を北へ進んでいた。
「なんか聞いてると、この国の最大機関『オートラグ』とごちゃごちゃしてるみたいだけどね」
ミサトがサンドイッチを食べ歩きながら言う。
ノワールは内心「どれだけ食べられるんだろうこの人……」と思っていた。
「まあ、私たちにとっては好都合ですね♪」
「…………」
カトリーヌもホットドッグを食べ歩きながら言う。
ブレーズも内心「どれだけ食べられるんだろうこの人……」と思いながら、カトリーヌの言に対し頷いていた。
◇◇◇
ミサトとカトリーヌがまだ満腹にならぬうちに、彼女らは商店区域を通り抜けた。
街並みは緩やかに、商品などを売り込むために外に開けた店々が立ち並ぶソレから、中に一歩踏み込まなければ様子がわからない建物の群にシフトしていく。
「経済区域、ですかね?」
「みたいだねぇ。カトリーヌ、道はコッチで合ってんの?」
「大丈夫ですよ♪」
「あ……アレ」
ブレーズが消え入りそうな声とともに、前方の建物を指差す。
そこには、一つの商館が建っていた。
「どうしました? ブレーズ」
「お茶の………意外と………………」
「確かに割とここまで、お茶関連のお店は見かけませんでしたね。食べ物関連は多かったですが」
「デル・ゾーネはお茶の“目立ってる度”で言えば、確かにキョート内では高くはないかもしれませんね。でも品質、特に抹茶などの品質は高いんですよ♪」
カトリーヌが解説する。ミサトがそれに対し、ふと疑問を投げかける。
「へえ、そうなんだ。パクスは?」
「パクスの特徴は、大規模な生産ですね~。キョート随一の生産量ですから♪」
「ほーん」
喋っているうちに、商館の前まで辿り着いた。
商館の扉の上には『龍騎士団茶舗』の文字。
「入ってみる?」
「情報収集します?」
ミサトとノワールが他の二人に聞く。
「じゃあ、レディファーストで入りますね♪ さあ、ブレーズも」
「……」
全く会話にならぬまま、カトリーヌとブレーズが中に入る。
ミサトとノワールは「私たちもレディだよね?」と顔を見合わせつつも、その後に続いた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
チートな嫁たちに囲まれて異世界で暮らしています
もぶぞう
ファンタジー
森でナギサを拾ってくれたのはダークエルフの女性だった。
使命が有る訳でも無い男が強い嫁を増やしながら異世界で暮らす話です(予定)。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる