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バクエット・ド・パクス(6)

茶葉は収穫(摘採)を延ばすと硬化することがあります(2)

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そしてそれから数日後。

ミサトと旅団のメンバーたちはまたも小高い山の頂上で、しかし本日はお昼前にティータイムを楽しんでいた。
やや気温も高くなり、お茶の時間もサマータイム仕様になりつつあったのである。

一口サイズのお菓子をつまみながら、玉露を啜る。
氷出しの玉露は、濃厚な甘味でありつつも咽頭を涼やかにしながら、味わい続けることができた。
茶葉は、もちろんカトリーヌの茶園からだ。

さて、そんなカトリーヌはというと、今日も優雅にカップを傾けていた。
露出度がやや上がった、というとそんなもんこの服にあんのかという感じだが、とにかく露出度が少し上がった巫女姿だ。

基本的にこの国には男性は存在しないので、ミサトからすると何の意味があるのかと首を傾げたくなる。
しかしもちろん意味はある。ミサト視点では悲しいことに“露出度が上がった”だが、カトリーヌ視点ではそれはただのクールビズに過ぎなかった、多分。

ひとしきりジト目をカトリーヌに向けると、その視線に気づいたカトリーヌが微笑みを返すが早いか、ミサトはブレーズとノワールの方に視線を転じた。

思わずミサトの顔がニヤける。

その原因は、ノワールの方だった。
黒髪は無駄のないショートで、スラリと長身の身体に、ミサトからすれば待ってましたと喝采を浴びせたいぐらい、ピッタリとしたパンツルックが似合っていた。

そんな彼、いや彼女は脚を組みながら、カップの持ち手を使わずに、五本指でカップの口を掴んで持っていた。
会話の合間合間で視線をふと空の方にずらしながら、玉露をクイと飲む姿といったらもう……

その面貌も、以前の綺麗めの美少女といったものから、キレがあり目鼻立ちがハッキリとしたそれへと成長していた。
無表情だと鋭さが増しがちな顔なのに、それを軽やかにクシャリと崩しながら笑う場面が多いため、“キツさ”のようなものは一切感じられない。

以上が、ミサトのノワールへの評価だ。

対してブレーズはというと、全くもって、変化がなかった。
少し身長は伸びて成長するトコはしたかもしれないが、何か目立った変化は見受けられない。

……ま、いいか。

ミサトはそう思うと、明日にはどちらの茶畑も収穫だなと、眼下の茶畑を見下ろした。
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