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United Japanese tea varieties of Iratsuko(5)
空中庭園にて(1)
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アサヒは、ビニールで覆われた“CS園”にいた。
“カメリア・シネンシス園”、通称“CS園”だ。カメリア・シネンシスとはお茶のことらしい。
「茶園って言ったらダメなのですか?」とジュディに聞くと「良いけど、101号室で矯正プログラムを受けさせられるわよ」とのことだった。
「強制的にな、矯正を」とフランシスも後から付け足していた。
“CS園”にアサヒは、肥料をやりに来たのだった。
目の前にあるCSの畝は、ジュディの畝とフランシスの畝だった。
この世界の人々がCSと一心同体的な存在と知った時は、別に驚かなかった。
だが、フランシスの正体を知った時には、流石にアサヒは驚いた。
ジュディは、中身は人間だが、外側は機械だと知っていた。よくゲームとかアニメに出てくるサイボーグってヤツかな、と思っていた。
それで言うと、フランシスは逆、中身が機械で外側が人間だったのだ。つまりロボットだ。
理由は聞いても、アサヒにはイマイチわからなかったが、どうやら凄い機械に生き物の“感覚”をくっつけると、機械も心を持つようになるらしい。
フランシスは“ゴースト”と言っていたが、それが誕生したと同時に、フランシスのCSも発見されたとのことだった。
「チューリングテストを行わなくても自我が証明できて良かったわね」とジュディが言うと、フランシスは爆笑していた。
ともかく、その二人に“旅の準備”には不可欠と言われ、“CS園”の世話をしに来たのだった。
場所はFBU本部第三庭園、FBU本部の周囲を普段は旋回している、巨大ドローンの上だった。
FBU本部にいくつかある外部通路に、第三庭園ドローンをドッキングしてもらって乗り込んだ時は、まだ晴れていた。
雨が降ってくるとビニールが展開され、一時的に庭園は空調の効いたビニールハウスとなったのだった。
肥料を入れた袋を背中に背負う。かなりの重量だった。
世話は機械でできるらしいのだが、フランシスの「筋トレも兼ねれるだろ」という提案によって、“昔ながらの”やり方を行うことになった。
まあ、アサヒは嫌ではなかったが。
袋を背負い立ち上がる。重量で、後ろに転んだ。
◇◇◇
「まっすぐ立ち上がろうとするからコケるのさ。ちょっと前のめりに立ち上がるんだよ」
そう言うと、フランシスは肥料袋を背負ったまま、ひょいと立ち上がった。
フランシスの背中では、肥料袋はミニチュアサイズに見える。
「説得力ないわね、色んな意味で」
ジュディの一言。
二人は、アサヒが首尾よく行えているか様子を見に来たのだった。
着いてみると、ちょうどアサヒが尻もちをついているところだった。
言われた通りに立ってみる。ふらついたが、何とか直立はできた。
「オッケーオッケー。で、こうやって撒いてくんだ」
フランシスは、肥料袋から伸びている筒を上下に振りながら畝を進む。
筒からは、絶えず一定の肥料がこぼれ、畝の根元に転がっていった。
同じように撒いていくアサヒ。
フランシスはもう向こうまで到達し、折り返して戻ってきていた。二人はすれ違う。
「俺の畝は多めに頼むぜ」
「わかりました。多いと皆さんは元気になったりするのですか?」
「それはないな」
「え」
「ただ、俺の場合は筋肉がつきやすくなるからよ。まあ、運動しなけりゃただの脂肪になって終わりだがな」
「なるほど」
「ジュディの場合は、ナイスバディになるんじゃあねえか」
「え?」
ジュディの方を振り向くアサヒ。
ちょうど肥料袋を背負って立ち上がったジュディと目が合い、慌てて向き直す。
「で、でも、ジュディさんは機械の身体でしょう?」
「アサヒ君。我がU.J.Iの科学力は世界一ですぜ」
そう言うと、フランシスはニヤリと笑った。
“カメリア・シネンシス園”、通称“CS園”だ。カメリア・シネンシスとはお茶のことらしい。
「茶園って言ったらダメなのですか?」とジュディに聞くと「良いけど、101号室で矯正プログラムを受けさせられるわよ」とのことだった。
「強制的にな、矯正を」とフランシスも後から付け足していた。
“CS園”にアサヒは、肥料をやりに来たのだった。
目の前にあるCSの畝は、ジュディの畝とフランシスの畝だった。
この世界の人々がCSと一心同体的な存在と知った時は、別に驚かなかった。
だが、フランシスの正体を知った時には、流石にアサヒは驚いた。
ジュディは、中身は人間だが、外側は機械だと知っていた。よくゲームとかアニメに出てくるサイボーグってヤツかな、と思っていた。
それで言うと、フランシスは逆、中身が機械で外側が人間だったのだ。つまりロボットだ。
理由は聞いても、アサヒにはイマイチわからなかったが、どうやら凄い機械に生き物の“感覚”をくっつけると、機械も心を持つようになるらしい。
フランシスは“ゴースト”と言っていたが、それが誕生したと同時に、フランシスのCSも発見されたとのことだった。
「チューリングテストを行わなくても自我が証明できて良かったわね」とジュディが言うと、フランシスは爆笑していた。
ともかく、その二人に“旅の準備”には不可欠と言われ、“CS園”の世話をしに来たのだった。
場所はFBU本部第三庭園、FBU本部の周囲を普段は旋回している、巨大ドローンの上だった。
FBU本部にいくつかある外部通路に、第三庭園ドローンをドッキングしてもらって乗り込んだ時は、まだ晴れていた。
雨が降ってくるとビニールが展開され、一時的に庭園は空調の効いたビニールハウスとなったのだった。
肥料を入れた袋を背中に背負う。かなりの重量だった。
世話は機械でできるらしいのだが、フランシスの「筋トレも兼ねれるだろ」という提案によって、“昔ながらの”やり方を行うことになった。
まあ、アサヒは嫌ではなかったが。
袋を背負い立ち上がる。重量で、後ろに転んだ。
◇◇◇
「まっすぐ立ち上がろうとするからコケるのさ。ちょっと前のめりに立ち上がるんだよ」
そう言うと、フランシスは肥料袋を背負ったまま、ひょいと立ち上がった。
フランシスの背中では、肥料袋はミニチュアサイズに見える。
「説得力ないわね、色んな意味で」
ジュディの一言。
二人は、アサヒが首尾よく行えているか様子を見に来たのだった。
着いてみると、ちょうどアサヒが尻もちをついているところだった。
言われた通りに立ってみる。ふらついたが、何とか直立はできた。
「オッケーオッケー。で、こうやって撒いてくんだ」
フランシスは、肥料袋から伸びている筒を上下に振りながら畝を進む。
筒からは、絶えず一定の肥料がこぼれ、畝の根元に転がっていった。
同じように撒いていくアサヒ。
フランシスはもう向こうまで到達し、折り返して戻ってきていた。二人はすれ違う。
「俺の畝は多めに頼むぜ」
「わかりました。多いと皆さんは元気になったりするのですか?」
「それはないな」
「え」
「ただ、俺の場合は筋肉がつきやすくなるからよ。まあ、運動しなけりゃただの脂肪になって終わりだがな」
「なるほど」
「ジュディの場合は、ナイスバディになるんじゃあねえか」
「え?」
ジュディの方を振り向くアサヒ。
ちょうど肥料袋を背負って立ち上がったジュディと目が合い、慌てて向き直す。
「で、でも、ジュディさんは機械の身体でしょう?」
「アサヒ君。我がU.J.Iの科学力は世界一ですぜ」
そう言うと、フランシスはニヤリと笑った。
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