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テラ・ドス・ヴェルメロス(4)
ギャザリング(1)
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ララ、オクルス、レインスの三人は酒場にいた。もちろん三人とも酒は飲めない。
目の前にいる人物の、旅への勧誘が目的だったが、その人物も酒は飲めなかった。
何故なら彼も少年だ。
「なあ、酒も飲めないのに、なんで酒場にいっつもいるんだ?」
オクルスが相手に聞く。
「うっせえな、いつもじゃねーし。それに酒場ってのは酒を飲むためだけじゃあなくて、情報収集とか、仲間集めをするトコでもあるの」
「そういう意味なら話は早い。俺たちも仲間集めをしに来たんだ、アルマージュ」
「へえそうかい。じゃあ、あそこで飲んでる禿のオッサンがオススメだぞ」
「いや、お前を採用しに来たんだよ。アルマージュ」
レインスが話に入る。
「そんなこったろうと思ったよ。でも俺は忙しいんだ。盗賊のキミらも忙しいだろうが、賞金稼ぎの俺はもっと忙しくてね。何せ物は盗もうとしても勝手に動かないが、人は捕まえようとするとあっちへ行ったりこっちへ行ったりするからな」
「その通り。それにだ、盗賊は銃は使わないんだよ。平和主義だからな」
「何が言いてえんだ、オクルス」
「この人に、銃の使い方を教えてほしいんだよ」
「そのお嬢ちゃんにか?」
「いや、多分お嬢ちゃんじゃあないと思うけど……」
ララがフードを外す。
「確かにどっちかパッと見わからねえが、どっちにしろ銃なんて教えても使えねーだろーに」
「どうしてだよ」
「レインス、見ての通りだろーが。銃ってのは反動も大きくて、結構腕の力がいるんだぜ。……面と向かって初めてのあんたには悪いが、ちょいとばかし筋肉をつけた方が良いぞ」
ララは下を向いてしまった。
「ちょっと言いすぎたけど」とアルマージュ。
「アルマージュ、お前同い年のクセに偉そうだぞ。俺たちよりララさんの方が年上だ、多分」
「お互い、年長に敬意を払うタイプだったか? んで多分って何なんだよ。何歳なんだ」
「あー、それがララさんは記憶喪失でさ」
「はあ? ていうかそもそもこのララさんは誰なんだ」
三人は顔を見合わせる。
オクルスが口を開いた。
「それは、協力してくれるってことが確定しないと教えられねえな」
「じゃあ協力しない」
「……くっそー、わあったよ。“ララ”だよ“ララ”」
「もう聞いたぞ」
「じゃあなくて、ほらアレ、“まれびと”の方」
レインスが小声でアルマージュに伝える。アルマージュは少し驚いたような表情をした後、軽く吹き出して、オクルスに顔を近づけた。
「……本当か?」
「証拠がいるか? ララさん」
オクルスがララを促す。ララは頷くと、懐に手を入れた。
目の前にいる人物の、旅への勧誘が目的だったが、その人物も酒は飲めなかった。
何故なら彼も少年だ。
「なあ、酒も飲めないのに、なんで酒場にいっつもいるんだ?」
オクルスが相手に聞く。
「うっせえな、いつもじゃねーし。それに酒場ってのは酒を飲むためだけじゃあなくて、情報収集とか、仲間集めをするトコでもあるの」
「そういう意味なら話は早い。俺たちも仲間集めをしに来たんだ、アルマージュ」
「へえそうかい。じゃあ、あそこで飲んでる禿のオッサンがオススメだぞ」
「いや、お前を採用しに来たんだよ。アルマージュ」
レインスが話に入る。
「そんなこったろうと思ったよ。でも俺は忙しいんだ。盗賊のキミらも忙しいだろうが、賞金稼ぎの俺はもっと忙しくてね。何せ物は盗もうとしても勝手に動かないが、人は捕まえようとするとあっちへ行ったりこっちへ行ったりするからな」
「その通り。それにだ、盗賊は銃は使わないんだよ。平和主義だからな」
「何が言いてえんだ、オクルス」
「この人に、銃の使い方を教えてほしいんだよ」
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「いや、多分お嬢ちゃんじゃあないと思うけど……」
ララがフードを外す。
「確かにどっちかパッと見わからねえが、どっちにしろ銃なんて教えても使えねーだろーに」
「どうしてだよ」
「レインス、見ての通りだろーが。銃ってのは反動も大きくて、結構腕の力がいるんだぜ。……面と向かって初めてのあんたには悪いが、ちょいとばかし筋肉をつけた方が良いぞ」
ララは下を向いてしまった。
「ちょっと言いすぎたけど」とアルマージュ。
「アルマージュ、お前同い年のクセに偉そうだぞ。俺たちよりララさんの方が年上だ、多分」
「お互い、年長に敬意を払うタイプだったか? んで多分って何なんだよ。何歳なんだ」
「あー、それがララさんは記憶喪失でさ」
「はあ? ていうかそもそもこのララさんは誰なんだ」
三人は顔を見合わせる。
オクルスが口を開いた。
「それは、協力してくれるってことが確定しないと教えられねえな」
「じゃあ協力しない」
「……くっそー、わあったよ。“ララ”だよ“ララ”」
「もう聞いたぞ」
「じゃあなくて、ほらアレ、“まれびと”の方」
レインスが小声でアルマージュに伝える。アルマージュは少し驚いたような表情をした後、軽く吹き出して、オクルスに顔を近づけた。
「……本当か?」
「証拠がいるか? ララさん」
オクルスがララを促す。ララは頷くと、懐に手を入れた。
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