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シュロッス・イン・デル・ゾーネ(4)
ギャザリング(2)
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「仲間探し?」
「旅の仲間、よ。ツヅキくん、貴方の本懐は、旅にこそあります」
「そうでございました、メイ・ペイルンオーリン殿」
最近、メイとの会話が上手くなったツヅキ。勿論、ツヅキが気を遣っているが故だ。
とは言え、この掛け合い自体についてはツヅキ自身もなんとなく刺激的に感じていた。
「掛け合いが上手くなったとか、自負しないの」
ここ最近、メイも“心中お察し”で踏み込む範囲が増えてきたような気がする。
気を許しているからなのか、はたまた気を許していないからなのか。
◇◇◇
「それで、仲間探しの目的地は?」
近郊の森から、デル・ゾーネ中心市街へとやってきたメイとツヅキ。
「ここよ」
大きな商館の前に辿り着いた。
人が大勢出入りしている、これまた大きな扉の上には、漢字六文字。
「龍騎士団茶舗?」
「ええ。最後の一人はここで探すの」
「最後って、確か旅団とやらは4人構成だったっけ?」
「ええ」
「他2人は?」
「私と、ウィーに決まってるじゃない」
決まってるのか。
「さあ、どうぞ」
メイに促され、商館内に入るツヅキ。
入ってすぐ左前方、丸いハイテーブルに腕と体重を預けて、立っている男がいた。
こちらに背を向けているその男に、メイは近づいて行く。
男が気配を感じ、振り向いた。
「到着したわよ」
「ああ、急がせてすまないな」
「割と緊急事態なのよね?」
「そうだ。ここの団長には既に話をしてある」
その男が、ツヅキの方を向いた。
どこかで見たことのある顔だな、とツヅキは思った。
「顔を合わせるのは二回目だね。ツヅキくん」
「誰かわかってないみたいよ」
「すみません……」
「謝ってもらう必要はない。メイ、心を無闇に読むのはやめなさい。それとも、それだけ仲良くなったということなら別だが」
「そ、そんなんじゃあないわよ!」
「心を読むまでもなく、わかりやすいな。ツヅキくん、私もキミの無意識の記憶を読んだが、私の場合は魔術詠唱がなければ読めないのだ。こんな風にわかりやすければ違うがね」
男がニヤリと笑う。ツヅキはこの人とは気が合いそうだなと感じ、同じく笑った。
メイは目を閉じ、そっぽを向いている。
「あなたは、ヴァーシュ大法官の隣にいた方ですね」
「そうだ。そしてメイの父親の、デイル・ペイルンオーリンだ。よろしく」
「旅の仲間、よ。ツヅキくん、貴方の本懐は、旅にこそあります」
「そうでございました、メイ・ペイルンオーリン殿」
最近、メイとの会話が上手くなったツヅキ。勿論、ツヅキが気を遣っているが故だ。
とは言え、この掛け合い自体についてはツヅキ自身もなんとなく刺激的に感じていた。
「掛け合いが上手くなったとか、自負しないの」
ここ最近、メイも“心中お察し”で踏み込む範囲が増えてきたような気がする。
気を許しているからなのか、はたまた気を許していないからなのか。
◇◇◇
「それで、仲間探しの目的地は?」
近郊の森から、デル・ゾーネ中心市街へとやってきたメイとツヅキ。
「ここよ」
大きな商館の前に辿り着いた。
人が大勢出入りしている、これまた大きな扉の上には、漢字六文字。
「龍騎士団茶舗?」
「ええ。最後の一人はここで探すの」
「最後って、確か旅団とやらは4人構成だったっけ?」
「ええ」
「他2人は?」
「私と、ウィーに決まってるじゃない」
決まってるのか。
「さあ、どうぞ」
メイに促され、商館内に入るツヅキ。
入ってすぐ左前方、丸いハイテーブルに腕と体重を預けて、立っている男がいた。
こちらに背を向けているその男に、メイは近づいて行く。
男が気配を感じ、振り向いた。
「到着したわよ」
「ああ、急がせてすまないな」
「割と緊急事態なのよね?」
「そうだ。ここの団長には既に話をしてある」
その男が、ツヅキの方を向いた。
どこかで見たことのある顔だな、とツヅキは思った。
「顔を合わせるのは二回目だね。ツヅキくん」
「誰かわかってないみたいよ」
「すみません……」
「謝ってもらう必要はない。メイ、心を無闇に読むのはやめなさい。それとも、それだけ仲良くなったということなら別だが」
「そ、そんなんじゃあないわよ!」
「心を読むまでもなく、わかりやすいな。ツヅキくん、私もキミの無意識の記憶を読んだが、私の場合は魔術詠唱がなければ読めないのだ。こんな風にわかりやすければ違うがね」
男がニヤリと笑う。ツヅキはこの人とは気が合いそうだなと感じ、同じく笑った。
メイは目を閉じ、そっぽを向いている。
「あなたは、ヴァーシュ大法官の隣にいた方ですね」
「そうだ。そしてメイの父親の、デイル・ペイルンオーリンだ。よろしく」
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