カメリア・シネンシス・オブ・キョート

龍騎士団茶舗

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United Japanese tea varieties of Iratsuko(2)

特捜6課

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ジュディとフランシスに挟まれ、アサヒは廊下を歩いていた。
幅10mほどの広い廊下は、壁も床も同じ白色の、無機質な廊下だった。
その廊下を、コートを着ている男性やラテックススーツの女性、顔の半分がオペラ座の怪人よろしく機械の男性などが行きかいする。

「フランシス! 今夜の案件は迷子の確保か?」

前方から歩いてきた、タブレットを持った男性が話しかけてきた。

「ああ。“レア”な迷子さ」

「そりゃあいい。この街はありふれた迷子で、溢れかえってるからな」

「違いない」

すれ違うまでの間に、軽やかに会話が交わされる。
どこか大人びていて、アサヒはカッコいいなと思った。

「なかなかギリギリの会話ね」

ジュディが釘をさす。

「なあにバレっこねえさ。あいつの頭じゃあ、タブレットに映ってる証拠品の上下さえ認識してねえよ。逆さに見てやがった」

アサヒは振り返る。先ほどの男性が、タブレットを上下左右傾けて首をかしげていた。

「もう着くわ。アサヒ君」

アサヒたちは、扉の一つに着いた。
アサヒには、その扉と廊下の他の扉を、ジュディたちがどうやって見分けているのかわからなかった。

「中には少し恐いオバサンがいるけど、私たちが対応するから心配しないで」

「そのオバサンより恐いのがこのお姉さんだから大丈夫だ」

「その二人より弱いのがこのオッサンだから信用しないように」

三人は自動で開いた扉を通過する。アサヒは思わず笑ったまま、入ってしまった。

こちらに背を向け、雨が当たる窓から外を見ている人物がいた。
一瞬、どこにオバサンがいるのかとアサヒは思った。
その人物はスラリとしているが、自信のあふれる背中からは女性らしさを感じなかった。

「その少年が“レア”?」

声質は鋭かったが、それでようやく目の前の人物が女性だとわかった。

「ええ、そうです。巨椋アサヒ。年齢分析によると13歳、男性。性格は冷静熟考型。後はデータを送ります」

アサヒは自分の年齢や性格が把握されていることに気づき、驚いた。

「データありがとう。……なるほど、だからその子は協力的で落ち着いているわけか。アノマリーが発生したようね」

「はい。降臨予測ポイントであるCS園ではなく、約6.28mずれた空中に現れました」

「他国でも同様の事象が観測されているわ。フランシス、メイ・ペイルンオーリンの近況を調査して報告して」

「了解。じゃあなアサヒ」

フランシスが出ていく。去り際にアサヒへのウインクを残していった。

「さて、アサヒ君」

女性が振り向く。歳は40代後半といったところだろうか。短い髪の毛をオールバックにしていた。

「私はアンナ・ライト。ジュディとフランシスの直属の上司でありFBU、Federal Bureau of U.J.Iの局長代行です。
あなたの知能指数が高いと判断し、このように話しかけています。理解できるかしら」

「えっと、英語はちょっと……」

「ああ、FBUはU.J.Iの捜査局よ。国の中の地域の揉め事は警察の仕事だけれど、私たちは国中を駆けずり回って操作をする。警察以上、軍隊未満ってところね。
英語が英語とわかる、英語が一般的な異世界からの人物で良かったわね。ジュディ」

「ええ、助かります」

アンナはジュディに小さな笑みを作ってみせるが、ジュディはそれに応じなかった。
アンナはアサヒに向き直る。

「さて、アサヒ君。
私は捜査局局長代行として、君の身柄を捜索させていました。これは国からの直接の命令です。いきなりで申し訳ないけど、君はこの国の存亡に関わる人物なのよ。
安心してほしいのは、私の命令に従ってもらえれば悪いようにはならないということ。そして私の命令に従うということは、隣にいるジュディやフランシスのように、特別捜査6課機動捜査班、特捜6課のメンバーになるということね。

よろしく。特捜6課最年少、アサヒ君」
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