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バクエット・ド・パクス
筵(むしろ)とは、暖簾みたいなヤツである。
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15分前に臀部を強打してから、彼女はまだ山の中をさまよっていた。
虫が少ないのは有難かったが、流石に、山中の歩きづらさに足腰が悲鳴を上げる。
「ちょ……だる……」
木から垂れ下がる蔦も、非常に鬱陶しかった。
「うざ……」
悲鳴を上げる足腰以上に、多くを物語る彼女の口。
と、微かに木々の向こうに、月明かりに照らされて何かが見えた。
「お」
自然物の中では、人工物は一際目立って見える。
ディスカバリング・チャンネル『MANKIND vs NATURE』の頼れる兄貴、ベア・グリズリー先生の教えだ。
木々の向こうにあったのは、小さな小屋だった。
「ラッキー! 誰もいないわよね……」
足腰のこれまでの苦労も何のその、小走りで駆け寄る。扉を開ける。
中には藁(わら)の束が何個か置かれていた。筵(むしろ)もあった。
「めっちゃラッキー!」
巻かれた筵を寝床として展開し、自分の身にも別の筵をかける。
20代後半女子の寝床としてはかなり失格だったが、誰かが見ているわけじゃなし。
「極楽ですなあ~(^^♪」
そのまま、秒で彼女は寝落ちした。
虫が少ないのは有難かったが、流石に、山中の歩きづらさに足腰が悲鳴を上げる。
「ちょ……だる……」
木から垂れ下がる蔦も、非常に鬱陶しかった。
「うざ……」
悲鳴を上げる足腰以上に、多くを物語る彼女の口。
と、微かに木々の向こうに、月明かりに照らされて何かが見えた。
「お」
自然物の中では、人工物は一際目立って見える。
ディスカバリング・チャンネル『MANKIND vs NATURE』の頼れる兄貴、ベア・グリズリー先生の教えだ。
木々の向こうにあったのは、小さな小屋だった。
「ラッキー! 誰もいないわよね……」
足腰のこれまでの苦労も何のその、小走りで駆け寄る。扉を開ける。
中には藁(わら)の束が何個か置かれていた。筵(むしろ)もあった。
「めっちゃラッキー!」
巻かれた筵を寝床として展開し、自分の身にも別の筵をかける。
20代後半女子の寝床としてはかなり失格だったが、誰かが見ているわけじゃなし。
「極楽ですなあ~(^^♪」
そのまま、秒で彼女は寝落ちした。
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