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アリス様、企みを見抜かれる
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定期試験が終わり、まもなく長期休暇を迎える季節になっていた。
学園では期末最後の日が創立記念日になっており、式典が行われる。
式典の準備に追われる生徒会役員たちが、慌ただしく構内をを駆け回っていた。
「すみませんー! 誰かそれを止めてーー!!」
掛け声に振り向くと、ちょうど足元に手のひらに収まるサイズの玉が転がってきた。
「オーデリア公爵令嬢! ありがとうございます。助かりましたー」
息を切らした生徒会役員の男性が、駆け寄ってくる。
「珍しいですね。映像石ですか」
映像石とは、その時に起きたことを動く絵として記録することができる魔道具で、魔力によって動かすことができる。
「ええ、創立記念パーティーで学長の挨拶の撮影を頼まれてまして。最近じゃ活動写真機が手頃な価格で出回ってきてるおかげで値崩れしてきてますが、まだまだ高級品ですからね。無くしたらどうしようかとヒヤヒヤしましたよ」
彼はお礼を言って立ち去った。
映像石は昨今確かに珍しいが、高級品だからではなく、魔力の燃費が悪くて扱いづらいので持っている人が少ないだけだ。
ある程度裕福な貴族の子女ならばお小遣いで買えてしまうものなので、あの生徒会役員は平民出なのだろう。
ちなみに平民が受ける一般枠の試験は恐ろしく難しいので、この学園では平民出身だというと尊敬の眼差しを送られる。
優秀な人に違いない。顔を覚えておこうと考えていると、セバスチャンが戻ってきた。
中庭にあるベンチに腰掛けて、セバスチャンの報告を聞いた。やはりアリス様は『妖精姫と王子の秘密』のヒロインの行動をなぞっているようだった。
オーデリアに靴を隠された。から始まり、オーデリアにさまざまな嫌がらせを受けたとアレクシス様に訴えているという。
アレクシス様は、その訴えを律儀に聞いて、否定もせずにあの手この手で宥めているという。
「お嬢に無視をされただの、取り囲まれて悪口を言われただの、言いたい放題だったぞ。靴を隠された、っていうのはどう対応したのか知らんが、『創立記念パーティーに着るためのドレスが破られた』ってのには、『じゃあ新しいのを買ってあげる』とか抜かしてたぞ。アホなのか、あの坊ちゃんは」
「まあ、アレクシス様が自らお選びになるのかしら」
「気になるところそこか? あとは授業のノートを破られただのインクをこぼされただの言っていたんだが……その……」
セバスチャンは軽く身震いをして言った。
「その後の記憶がない」
「記憶がないって、あなたどこか具合でも悪いの」
セバスチャンは首を横に振る。
「わからん、ただ何かとんでもなく恐ろしいものを見た気がする。気がついたらあの女は姿を消していた」
何か恐ろしいもの? それが来てアリス様が行方不明に……?
「ねえ、このことをアレクシス様は――」
不安に思い立ち上がると、
「キャーーー!」
と甲高い声が聞こえ、わたくしたちの目の前を特徴的なストロベリーブロンドが風のような速さで通り過ぎた。
令嬢とは思えぬ脚力だ。
しばし呆然としたあと、セバスチャンを振り返ると、椅子の上で倒れて気絶していた。
なるほど。セバスチャンの見た恐ろしいもの、わかった気がします。
そして週末。
本日もメラニー様の家にお邪魔していた。
机の上には、真新しい本が二冊、置かれていた。
「メラニー様、これはもしや……!」
「ええ、ご期待の通りの品よ」
『妖精姫と王子の秘密』、二巻だ。
メラニー様が、出版業を営む知人に問い合わせて、店頭に並ぶよりも少し前に入手してくれたという。
「悪いけど、先に読ませてもらったわ。ネタバレして申し訳ないけど、オーデリア様は早く知っておくべきだと思うから、先に結論を言うわね。悪役令嬢は、悪人じゃなかったわ」
「まあ、良かった……!」
「しかも、悪役令嬢は、例えとかじゃなく本当に、妖精のお姫様だったの。つまり、この物語の本当の主人公は、悪役令嬢とされていた公爵令嬢のほうだったの」
「そ、そんな大どんでん返しが……!」
そんなことを言われては、いますぐ読みたくてたまらない。
「ねえ、オーデリア様」
メラニー様が少し声のトーンを落として言う。
「わたし、この本を書いたのがどなたなのか、教えてもらったの」
「ええっ、じゃ、それじゃ、まさか……」
サインとか、頼めたりするのだろうか。
「オーデリア様、落ち着いて。サインのことはのちのち考えるとして、ここからが大事なことなの。この本を書いた方は、アレクシス殿下の乳母の姉の娘。ジェローム子爵令嬢の従姉にあたる方なの」
わたくしは心臓の鼓動が高まるのを感じながら、できるだけ冷静にいった。
「つまり、アリス様は二巻の内容も知っていたかもしれないということ?」
「可能性は高いわ。一巻のヒロインの容姿は子爵令嬢にそっくりだし、作者本人が、『従姉妹たちからインスピレーションを得ている』ってインタビューに答えていたそうよ」
「……それじゃあ、いったいどういうことになるのかしら。アリス様が、ご自身が演じてらっしゃるヒロインが、じつは本当のヒロインではないと知っていらしたとして……」
ただのお遊戯。そう片付けることもできる。
だけど、そうではない気がしていた。アリス様には、何かはっきりとした目的があるような……。
もうしばらく、セバスチャンにアリス様の行動を見張らせると言い、その日は別れた。
そしてその晩『妖精姫と王子の秘密』二巻を徹夜で読破し、翌日しっかりと目の下にクマを作って登校し、メラニー様に叱られた。
「もう、何のために先にあらすじを伝えたと思ってるのよ!」
ちょっぴり寝ぼけた頭で食堂に向けて歩いていると、大階段の踊り場に差し掛かったところで何かが高速で服をかすめていくような衝撃があった。
何にぶつかったのかとあたりをキョロキョロと見回すが誰もいない。
階下で叫び声が聞こえて見下ろすと、床に蹲るアリス様にアレクシス様が駆け寄るところだった。
「アリス、大丈夫か!? どこか怪我は……」
アリス様は涙混じりの声で言った。
「オーデリア様に……オーデリア様に階段から突き落とされたんです」
ありましたね……小説にそんなシーン。
一瞬のことでわかりませんでしたが、先程わたくしにぶつかった何かが、アリス様だったのでしょう。あの勢いで落下したとしたら……お怪我は大丈夫なのでしょうか。
「オーデリア……?」
怪訝な顔で見上げるアレクシス様に、わたくしは黙って首を振ります。
「とにかく、念の為に医務室で診てもらおう」
アレクシス様が手を差し出すと、アリス様は嬉しそうに飛びついた。
ピンピンしていらっしゃいます。問題はなさそうです。
あとから聞いた話では、その後医務室に向かったアレクシス様とアリス様は校医に診察を頼んだものの、
「私にできることはないです」
その一言で帰されてしまったとか。まあそうでしょうね。
『妖精姫と王子の秘密』一巻では、パーティーの日に悪役令嬢が王子に断罪される。
セバスチャンの諜報活動により、アリス様がその断罪シーンを再現しようとしていることが明らかになっていた。
「だからね、殿下には悪役令嬢を断罪して欲しいの。ねえ、これはたいせつなことなのよ。聞いていらっしゃる?」
「うん、そうだね。かわいいね」
悪役令嬢の断罪、と言われても何だかわかっていないアレクシス様は、ただただ頬を膨らませてプリプリするアリス様が可愛らしくてニコニコするばかり。アリス様は不満を募らせていた。
わたくしは、アリス様に詳しい専門家でいらっしゃるファンクラブの方々を公爵邸にお招きし、情報交換を行った。
そして、創立記念パーティーに向けて、念入りに計画を立てた。
学園では期末最後の日が創立記念日になっており、式典が行われる。
式典の準備に追われる生徒会役員たちが、慌ただしく構内をを駆け回っていた。
「すみませんー! 誰かそれを止めてーー!!」
掛け声に振り向くと、ちょうど足元に手のひらに収まるサイズの玉が転がってきた。
「オーデリア公爵令嬢! ありがとうございます。助かりましたー」
息を切らした生徒会役員の男性が、駆け寄ってくる。
「珍しいですね。映像石ですか」
映像石とは、その時に起きたことを動く絵として記録することができる魔道具で、魔力によって動かすことができる。
「ええ、創立記念パーティーで学長の挨拶の撮影を頼まれてまして。最近じゃ活動写真機が手頃な価格で出回ってきてるおかげで値崩れしてきてますが、まだまだ高級品ですからね。無くしたらどうしようかとヒヤヒヤしましたよ」
彼はお礼を言って立ち去った。
映像石は昨今確かに珍しいが、高級品だからではなく、魔力の燃費が悪くて扱いづらいので持っている人が少ないだけだ。
ある程度裕福な貴族の子女ならばお小遣いで買えてしまうものなので、あの生徒会役員は平民出なのだろう。
ちなみに平民が受ける一般枠の試験は恐ろしく難しいので、この学園では平民出身だというと尊敬の眼差しを送られる。
優秀な人に違いない。顔を覚えておこうと考えていると、セバスチャンが戻ってきた。
中庭にあるベンチに腰掛けて、セバスチャンの報告を聞いた。やはりアリス様は『妖精姫と王子の秘密』のヒロインの行動をなぞっているようだった。
オーデリアに靴を隠された。から始まり、オーデリアにさまざまな嫌がらせを受けたとアレクシス様に訴えているという。
アレクシス様は、その訴えを律儀に聞いて、否定もせずにあの手この手で宥めているという。
「お嬢に無視をされただの、取り囲まれて悪口を言われただの、言いたい放題だったぞ。靴を隠された、っていうのはどう対応したのか知らんが、『創立記念パーティーに着るためのドレスが破られた』ってのには、『じゃあ新しいのを買ってあげる』とか抜かしてたぞ。アホなのか、あの坊ちゃんは」
「まあ、アレクシス様が自らお選びになるのかしら」
「気になるところそこか? あとは授業のノートを破られただのインクをこぼされただの言っていたんだが……その……」
セバスチャンは軽く身震いをして言った。
「その後の記憶がない」
「記憶がないって、あなたどこか具合でも悪いの」
セバスチャンは首を横に振る。
「わからん、ただ何かとんでもなく恐ろしいものを見た気がする。気がついたらあの女は姿を消していた」
何か恐ろしいもの? それが来てアリス様が行方不明に……?
「ねえ、このことをアレクシス様は――」
不安に思い立ち上がると、
「キャーーー!」
と甲高い声が聞こえ、わたくしたちの目の前を特徴的なストロベリーブロンドが風のような速さで通り過ぎた。
令嬢とは思えぬ脚力だ。
しばし呆然としたあと、セバスチャンを振り返ると、椅子の上で倒れて気絶していた。
なるほど。セバスチャンの見た恐ろしいもの、わかった気がします。
そして週末。
本日もメラニー様の家にお邪魔していた。
机の上には、真新しい本が二冊、置かれていた。
「メラニー様、これはもしや……!」
「ええ、ご期待の通りの品よ」
『妖精姫と王子の秘密』、二巻だ。
メラニー様が、出版業を営む知人に問い合わせて、店頭に並ぶよりも少し前に入手してくれたという。
「悪いけど、先に読ませてもらったわ。ネタバレして申し訳ないけど、オーデリア様は早く知っておくべきだと思うから、先に結論を言うわね。悪役令嬢は、悪人じゃなかったわ」
「まあ、良かった……!」
「しかも、悪役令嬢は、例えとかじゃなく本当に、妖精のお姫様だったの。つまり、この物語の本当の主人公は、悪役令嬢とされていた公爵令嬢のほうだったの」
「そ、そんな大どんでん返しが……!」
そんなことを言われては、いますぐ読みたくてたまらない。
「ねえ、オーデリア様」
メラニー様が少し声のトーンを落として言う。
「わたし、この本を書いたのがどなたなのか、教えてもらったの」
「ええっ、じゃ、それじゃ、まさか……」
サインとか、頼めたりするのだろうか。
「オーデリア様、落ち着いて。サインのことはのちのち考えるとして、ここからが大事なことなの。この本を書いた方は、アレクシス殿下の乳母の姉の娘。ジェローム子爵令嬢の従姉にあたる方なの」
わたくしは心臓の鼓動が高まるのを感じながら、できるだけ冷静にいった。
「つまり、アリス様は二巻の内容も知っていたかもしれないということ?」
「可能性は高いわ。一巻のヒロインの容姿は子爵令嬢にそっくりだし、作者本人が、『従姉妹たちからインスピレーションを得ている』ってインタビューに答えていたそうよ」
「……それじゃあ、いったいどういうことになるのかしら。アリス様が、ご自身が演じてらっしゃるヒロインが、じつは本当のヒロインではないと知っていらしたとして……」
ただのお遊戯。そう片付けることもできる。
だけど、そうではない気がしていた。アリス様には、何かはっきりとした目的があるような……。
もうしばらく、セバスチャンにアリス様の行動を見張らせると言い、その日は別れた。
そしてその晩『妖精姫と王子の秘密』二巻を徹夜で読破し、翌日しっかりと目の下にクマを作って登校し、メラニー様に叱られた。
「もう、何のために先にあらすじを伝えたと思ってるのよ!」
ちょっぴり寝ぼけた頭で食堂に向けて歩いていると、大階段の踊り場に差し掛かったところで何かが高速で服をかすめていくような衝撃があった。
何にぶつかったのかとあたりをキョロキョロと見回すが誰もいない。
階下で叫び声が聞こえて見下ろすと、床に蹲るアリス様にアレクシス様が駆け寄るところだった。
「アリス、大丈夫か!? どこか怪我は……」
アリス様は涙混じりの声で言った。
「オーデリア様に……オーデリア様に階段から突き落とされたんです」
ありましたね……小説にそんなシーン。
一瞬のことでわかりませんでしたが、先程わたくしにぶつかった何かが、アリス様だったのでしょう。あの勢いで落下したとしたら……お怪我は大丈夫なのでしょうか。
「オーデリア……?」
怪訝な顔で見上げるアレクシス様に、わたくしは黙って首を振ります。
「とにかく、念の為に医務室で診てもらおう」
アレクシス様が手を差し出すと、アリス様は嬉しそうに飛びついた。
ピンピンしていらっしゃいます。問題はなさそうです。
あとから聞いた話では、その後医務室に向かったアレクシス様とアリス様は校医に診察を頼んだものの、
「私にできることはないです」
その一言で帰されてしまったとか。まあそうでしょうね。
『妖精姫と王子の秘密』一巻では、パーティーの日に悪役令嬢が王子に断罪される。
セバスチャンの諜報活動により、アリス様がその断罪シーンを再現しようとしていることが明らかになっていた。
「だからね、殿下には悪役令嬢を断罪して欲しいの。ねえ、これはたいせつなことなのよ。聞いていらっしゃる?」
「うん、そうだね。かわいいね」
悪役令嬢の断罪、と言われても何だかわかっていないアレクシス様は、ただただ頬を膨らませてプリプリするアリス様が可愛らしくてニコニコするばかり。アリス様は不満を募らせていた。
わたくしは、アリス様に詳しい専門家でいらっしゃるファンクラブの方々を公爵邸にお招きし、情報交換を行った。
そして、創立記念パーティーに向けて、念入りに計画を立てた。
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