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街中探索 ②
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私は騎士と異形の鎧モンスターが戦っていた現場から、騎士に見つからない様に移動していたのだけど、何故か騎士が私の方角に向かって近寄ってきているのがしばらく経ってから分かった。
あまりにゆっくりとこちらに向かって来ているので、あまり警戒していなかったのだけど、私のいる方角に向かって一直線に移動しているのが分かったので、私の騎士に対する警戒心が一気に跳ね上がった。
どうやって私のいる位置が分かったのかな?
最初はたまたまかなと思ったけど、戦闘現場から既に1キロは離れているし、結構寄り道しながらぐるぐると移動していたから、追跡するのは至難の技だと思う。
ちなみに、私が騎士の位置を特定出来ているのは、師匠から教わった風属性と光属性の融合魔術である探索魔術のおかげなのだけど、追跡してきている騎士はあんなに弱いモンスターに苦戦しているレベルなので、融合魔術などは使える筈は無いから、私を追跡している方法も気になった。
もしかしたら、召喚したものを追跡する魔術とかがあったりするか、私が使った氷魔術を追跡するかかな?
他人の魔力を追跡する魔術も可能ではあるけど、それも融合魔術なんだよね……
謎だなぁ……
そんな逃げる私と、追跡する騎士とのスローペースな鬼ごっこは半日ほど続き、日が落ち始めて暗くなり始めたら騎士は追跡を諦めてどこかへ行ってしまった。
夜になるから諦めたのかな?
あそこまで執拗に追跡していたのだから、夜になっても続くのを覚悟していたのだけど、あっさりと帰ったのでちょっと拍子抜けしてしまった。
もしかしたら日中にしか出来ない追跡方法などだったのかな?
それならば諦めて帰ったのに納得出来る。
まさか、夜に現れる無害な影が怖いからなんていう理由だけは無いだろうなと考えていたけど、諦めてくれたのなら良かったなと思いながらも、街中を探索するのが目的だったという意味では今日1日を無駄にしたなと思ってしまった。
それでも逃げながら街中を移動していたけど、追跡してくる騎士以外は人の気配が無かったなぁ。
モンスターの気配と動物の様な気配ならいくつか発見したけど、奈落ダンジョンみたいなモンスターの強さではなく、一撃で倒せそうな弱いモンスターの気配しか発見出来無かった。
出来れば明日には騎士以外の人間に会いたいところだけど、あまり期待は出来ないのかなと思っているが、街の人達はどこへ行ってしまったのだろうか?
強いモンスターが襲撃してきて街を占拠されているなら街から逃げ出すのも分かるけど、あんなに弱いモンスターが徘徊している程度ならば騎士や冒険者が追い払えば問題ない気がするけど、きっとそれ以外の理由があるんだろうなぁ……
私としてはその理由が非常に気になった。
そう言えば地上に上がってから何も食べていない事を思い出した。
まあ、私はこの世界に来た影響からか大気中にある魔力を吸収する事で食事をしなくても生きていける身体になっていたんだけど、やっぱり何か美味しいものは食べたいなという欲求が無くなったわけではないから、奈落ダンジョン内でもモンスターのドロップ肉などを魔術による殺菌や加熱、解毒など様々な工程を経て食べられるレベルの肉にまでしてからモンスターの肉を食べていた。
師匠曰く、基本的にダンジョン内のドロップ肉は食べられる物ではなく、魔術の素材などに使われる以外は放置されていて、人間が食べたら良くて腹を壊し、悪ければ死ぬらしい。
まあ、何の加工もしていないモンスターのドロップ肉は強烈な異臭を放つから、そのまま食べる人はいないだろう……というか普通の人からしたらモンスターのドロップ肉はダンジョンからの嫌がらせなのではないかと思っていた。
私は明日は動物を狩って焼肉を食べたいなと思いながら寝るのだった。
あまりにゆっくりとこちらに向かって来ているので、あまり警戒していなかったのだけど、私のいる方角に向かって一直線に移動しているのが分かったので、私の騎士に対する警戒心が一気に跳ね上がった。
どうやって私のいる位置が分かったのかな?
最初はたまたまかなと思ったけど、戦闘現場から既に1キロは離れているし、結構寄り道しながらぐるぐると移動していたから、追跡するのは至難の技だと思う。
ちなみに、私が騎士の位置を特定出来ているのは、師匠から教わった風属性と光属性の融合魔術である探索魔術のおかげなのだけど、追跡してきている騎士はあんなに弱いモンスターに苦戦しているレベルなので、融合魔術などは使える筈は無いから、私を追跡している方法も気になった。
もしかしたら、召喚したものを追跡する魔術とかがあったりするか、私が使った氷魔術を追跡するかかな?
他人の魔力を追跡する魔術も可能ではあるけど、それも融合魔術なんだよね……
謎だなぁ……
そんな逃げる私と、追跡する騎士とのスローペースな鬼ごっこは半日ほど続き、日が落ち始めて暗くなり始めたら騎士は追跡を諦めてどこかへ行ってしまった。
夜になるから諦めたのかな?
あそこまで執拗に追跡していたのだから、夜になっても続くのを覚悟していたのだけど、あっさりと帰ったのでちょっと拍子抜けしてしまった。
もしかしたら日中にしか出来ない追跡方法などだったのかな?
それならば諦めて帰ったのに納得出来る。
まさか、夜に現れる無害な影が怖いからなんていう理由だけは無いだろうなと考えていたけど、諦めてくれたのなら良かったなと思いながらも、街中を探索するのが目的だったという意味では今日1日を無駄にしたなと思ってしまった。
それでも逃げながら街中を移動していたけど、追跡してくる騎士以外は人の気配が無かったなぁ。
モンスターの気配と動物の様な気配ならいくつか発見したけど、奈落ダンジョンみたいなモンスターの強さではなく、一撃で倒せそうな弱いモンスターの気配しか発見出来無かった。
出来れば明日には騎士以外の人間に会いたいところだけど、あまり期待は出来ないのかなと思っているが、街の人達はどこへ行ってしまったのだろうか?
強いモンスターが襲撃してきて街を占拠されているなら街から逃げ出すのも分かるけど、あんなに弱いモンスターが徘徊している程度ならば騎士や冒険者が追い払えば問題ない気がするけど、きっとそれ以外の理由があるんだろうなぁ……
私としてはその理由が非常に気になった。
そう言えば地上に上がってから何も食べていない事を思い出した。
まあ、私はこの世界に来た影響からか大気中にある魔力を吸収する事で食事をしなくても生きていける身体になっていたんだけど、やっぱり何か美味しいものは食べたいなという欲求が無くなったわけではないから、奈落ダンジョン内でもモンスターのドロップ肉などを魔術による殺菌や加熱、解毒など様々な工程を経て食べられるレベルの肉にまでしてからモンスターの肉を食べていた。
師匠曰く、基本的にダンジョン内のドロップ肉は食べられる物ではなく、魔術の素材などに使われる以外は放置されていて、人間が食べたら良くて腹を壊し、悪ければ死ぬらしい。
まあ、何の加工もしていないモンスターのドロップ肉は強烈な異臭を放つから、そのまま食べる人はいないだろう……というか普通の人からしたらモンスターのドロップ肉はダンジョンからの嫌がらせなのではないかと思っていた。
私は明日は動物を狩って焼肉を食べたいなと思いながら寝るのだった。
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