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「ライ様。そんなことをライ様がする必要はないと思うわ。…でももしまだハリーの被害を受ける女性が出てくるのであれば、罪として裁いてほしいわ」
「も、もう、そんなことはしない」
取り繕うようなハリーの声に、アリーナはため息だけをつく。
「そうですか…それについては、後程検討しましょう。でもアリーナ、安心してください。ハリー・マルロッタと結婚する可能性など1%もあり得ませんからね」
ライは一度しまった紙をアリーナに渡す。アリーナはその紙をゆっくりと開いていく。
するとその紙の真ん中には、ハリー・マルロッタの名前と、ローゼ・ハッサムという名前が書いてあった。ガラ辺境伯の娘ではなさそうだが、ハッサム家も辺境伯の一つだ。
一番上には結婚許諾書の文字と、一番最後には王の名前が署名されている。
つまり、これは完全に届け終わった書類と言うことになる。
「…ハリー、おめでとう。」
顔を上げたアリーナは、ハリーに祝福の言葉を伝える。家族や友人の結婚の時のような嬉しいという気持ちは勿論ない。ただ事実としてそれ以外にハリーに言える言葉がなかった。アリーナ自身あまりよく理解はできていなかったが、アリーナがハリーとの結婚を逃れられたことは間違いなさそうだ。
「アリーナ何を言ってるんだ? その紙は何だ?!」
アリーナの手から紙を奪い取ったハリーが、紙に書かれてあることを見て、蒼白になっていく。
「何だこれは! 俺は…こんなもの書いていない」
慌てふためくハリーに、ライがクスクスと笑う。
「いえ。その署名はあなたの署名で間違いないはずですよ」
確かにあのハリーの癖のある字は、ハリーで間違いなさそうだとアリーナも思った。昔もらった手紙の字がものすごく癖字で読みにくかったのを思い出した。…どうでもいい思い出だったが。
「そんなもの、存在するはずがない! …そうか、副団長の権限で偽装したんだな!?」
ハリーが必死の形相でライを責める。だがライはゆるりと首を横に振ると、肩をすくめた。
「ハリー・マルロッタ。あなたが間違いなく署名したものですよ? ハッサム家の娘に渡したことがあったのではありませんか?」
何だ一度求婚した相手だったのか、とアリーナは気が抜ける。多分今回はそれをうまい具合にライに使われてしまったようだ。だが、ガラ辺境伯の娘に言い寄る前にハッサム辺境伯の娘に言い寄っているならば、特にハリーにはダメージもなさそうだと思うのだが、それにしてはハリーの反応が過剰すぎる。
「! 渡したぞ! だが、ローゼではない! ターシャに渡したものだ! 何でターシャではなくローゼの名前があるんだ!」
どうやらハリーが求婚した相手とは別の相手の名前が書かれているらしい。
「ターシャ嬢はあなたと結婚する気にはなれないそうですが、ローゼ嬢は、それはそれはあなたのことを買っておいででしたよ。父上にねだるほどには。」
ハリーが蒼白な顔で首をぶんぶんと横に振る。
「何で俺がローゼなんかと! オークなんか抱けるか!」
どうも口汚い罵りがされたらしいとアリーナにもわかった。一瞬聞こえた“オーク”とは、昔読んだ冒険物語に出てきた豚をモチーフにした怪物のことだろうかと思う。だが、令嬢を捕まえて“オーク”と呼ぶはずはないとアリーナは自分で訂正する。きっと他の何かのことを呟いたに違いないと。
「どうしようとあなたの勝手ですが、この結婚は取り消すことはできませんから」
ライがヒヤリとする声でハリーに告げる。
そう。結婚前に相性を確認する作業が行われるのは、この国では結婚したら別れることが許されないためだ。だから、婚約した後は誠実さを求められるし、結婚した後は浮気などもってのほかだ。
「偽装された結婚など、おかしいだろう!」
「ガラ辺境伯とハッサム辺境伯がお困りでして。お二人の利害が一致したと私は聞いただけですが」
ハリーに現在言い寄られていたのはガラ辺境伯の娘だ。だが、それをガラ辺境伯は良しとはしていなかった。そして、ハッサム辺境伯の娘ローゼは、ハリーに執着していた。そしてハッサム家の手元にはハリーの署名がある結婚許諾書があった。
ライじゃなくても厄介払いができるならその手を使ってしまうかもしれないな、とアリーナは思う。
「そうそう。子爵も、この婚姻を大層お喜びでしたよ? しがない子爵家の三男が辺境伯と繋がりを持てるとは、と。あの私がローゼ嬢に抱きつかれた時、アリーナはどうやら視界には入ってなかったようですが、子爵夫妻も隣にいたんですよ? 両家ともに喜ばれる縁談を見届けられて、私も幸いでした」
両家と辺境伯の娘からは喜ばれたかも知れないが、ハリー本人の同意はない。無論、政略結婚などそんなもので、本人の同意など必要はないが、今回は政略という意味は全くない。
当のハリーは、言葉を発せないらしく、口をパクパク開いたり閉じたりするだけで、見ているだけでもショックのほどが分かる。
「あ、そうそう。ハッサム辺境伯には既にお孫さんが十人はいるそうですから、離縁の必要はありませんよ」
つまり、相手に子がなせなくてもハリーの離縁は許されないということだ。
「時折、まれにですけどね? 望まぬ結婚をした人間が相手に毒を飲ませて病死に見せ掛けて殺したりする恐ろしいことを考える人間がいるらしいんですがね? ハッサム辺境伯の家では、毒の耐性をつけるように小さい頃から毒に慣らされているそうですよ。血が絶えたら困ると。周辺国で出回っている毒まで耐性があるらしいんですよ。すごいですね」
つまり、姑息なことをしようとしても駄目だということだ。
「ああ。あなたの新居は辺境伯の別邸で、仕事は今のまま。辺境伯には優秀な息子さんが四人いるそうで、人手は足りているとのことでしたよ」
つまり、辺境伯の監視下にある場所から逃れられず、加えて辺境伯の手足としては力不足と見られたらしい。
アリーナはシェスが人生後悔するレベルだと言ったことの意味がよくわかった。
ハリーはハッサム辺境伯の家で飼い殺しと相成るらしい。
「会場にハッサム辺境伯とローゼ嬢が待っていますから、ご挨拶に行ってきたらいいですよ」
ライがにっこりと笑うのと対照的に、ハリーの顔は真っ青で、嫌々とでも言いたそうに首を振っている。
「も、もう、そんなことはしない」
取り繕うようなハリーの声に、アリーナはため息だけをつく。
「そうですか…それについては、後程検討しましょう。でもアリーナ、安心してください。ハリー・マルロッタと結婚する可能性など1%もあり得ませんからね」
ライは一度しまった紙をアリーナに渡す。アリーナはその紙をゆっくりと開いていく。
するとその紙の真ん中には、ハリー・マルロッタの名前と、ローゼ・ハッサムという名前が書いてあった。ガラ辺境伯の娘ではなさそうだが、ハッサム家も辺境伯の一つだ。
一番上には結婚許諾書の文字と、一番最後には王の名前が署名されている。
つまり、これは完全に届け終わった書類と言うことになる。
「…ハリー、おめでとう。」
顔を上げたアリーナは、ハリーに祝福の言葉を伝える。家族や友人の結婚の時のような嬉しいという気持ちは勿論ない。ただ事実としてそれ以外にハリーに言える言葉がなかった。アリーナ自身あまりよく理解はできていなかったが、アリーナがハリーとの結婚を逃れられたことは間違いなさそうだ。
「アリーナ何を言ってるんだ? その紙は何だ?!」
アリーナの手から紙を奪い取ったハリーが、紙に書かれてあることを見て、蒼白になっていく。
「何だこれは! 俺は…こんなもの書いていない」
慌てふためくハリーに、ライがクスクスと笑う。
「いえ。その署名はあなたの署名で間違いないはずですよ」
確かにあのハリーの癖のある字は、ハリーで間違いなさそうだとアリーナも思った。昔もらった手紙の字がものすごく癖字で読みにくかったのを思い出した。…どうでもいい思い出だったが。
「そんなもの、存在するはずがない! …そうか、副団長の権限で偽装したんだな!?」
ハリーが必死の形相でライを責める。だがライはゆるりと首を横に振ると、肩をすくめた。
「ハリー・マルロッタ。あなたが間違いなく署名したものですよ? ハッサム家の娘に渡したことがあったのではありませんか?」
何だ一度求婚した相手だったのか、とアリーナは気が抜ける。多分今回はそれをうまい具合にライに使われてしまったようだ。だが、ガラ辺境伯の娘に言い寄る前にハッサム辺境伯の娘に言い寄っているならば、特にハリーにはダメージもなさそうだと思うのだが、それにしてはハリーの反応が過剰すぎる。
「! 渡したぞ! だが、ローゼではない! ターシャに渡したものだ! 何でターシャではなくローゼの名前があるんだ!」
どうやらハリーが求婚した相手とは別の相手の名前が書かれているらしい。
「ターシャ嬢はあなたと結婚する気にはなれないそうですが、ローゼ嬢は、それはそれはあなたのことを買っておいででしたよ。父上にねだるほどには。」
ハリーが蒼白な顔で首をぶんぶんと横に振る。
「何で俺がローゼなんかと! オークなんか抱けるか!」
どうも口汚い罵りがされたらしいとアリーナにもわかった。一瞬聞こえた“オーク”とは、昔読んだ冒険物語に出てきた豚をモチーフにした怪物のことだろうかと思う。だが、令嬢を捕まえて“オーク”と呼ぶはずはないとアリーナは自分で訂正する。きっと他の何かのことを呟いたに違いないと。
「どうしようとあなたの勝手ですが、この結婚は取り消すことはできませんから」
ライがヒヤリとする声でハリーに告げる。
そう。結婚前に相性を確認する作業が行われるのは、この国では結婚したら別れることが許されないためだ。だから、婚約した後は誠実さを求められるし、結婚した後は浮気などもってのほかだ。
「偽装された結婚など、おかしいだろう!」
「ガラ辺境伯とハッサム辺境伯がお困りでして。お二人の利害が一致したと私は聞いただけですが」
ハリーに現在言い寄られていたのはガラ辺境伯の娘だ。だが、それをガラ辺境伯は良しとはしていなかった。そして、ハッサム辺境伯の娘ローゼは、ハリーに執着していた。そしてハッサム家の手元にはハリーの署名がある結婚許諾書があった。
ライじゃなくても厄介払いができるならその手を使ってしまうかもしれないな、とアリーナは思う。
「そうそう。子爵も、この婚姻を大層お喜びでしたよ? しがない子爵家の三男が辺境伯と繋がりを持てるとは、と。あの私がローゼ嬢に抱きつかれた時、アリーナはどうやら視界には入ってなかったようですが、子爵夫妻も隣にいたんですよ? 両家ともに喜ばれる縁談を見届けられて、私も幸いでした」
両家と辺境伯の娘からは喜ばれたかも知れないが、ハリー本人の同意はない。無論、政略結婚などそんなもので、本人の同意など必要はないが、今回は政略という意味は全くない。
当のハリーは、言葉を発せないらしく、口をパクパク開いたり閉じたりするだけで、見ているだけでもショックのほどが分かる。
「あ、そうそう。ハッサム辺境伯には既にお孫さんが十人はいるそうですから、離縁の必要はありませんよ」
つまり、相手に子がなせなくてもハリーの離縁は許されないということだ。
「時折、まれにですけどね? 望まぬ結婚をした人間が相手に毒を飲ませて病死に見せ掛けて殺したりする恐ろしいことを考える人間がいるらしいんですがね? ハッサム辺境伯の家では、毒の耐性をつけるように小さい頃から毒に慣らされているそうですよ。血が絶えたら困ると。周辺国で出回っている毒まで耐性があるらしいんですよ。すごいですね」
つまり、姑息なことをしようとしても駄目だということだ。
「ああ。あなたの新居は辺境伯の別邸で、仕事は今のまま。辺境伯には優秀な息子さんが四人いるそうで、人手は足りているとのことでしたよ」
つまり、辺境伯の監視下にある場所から逃れられず、加えて辺境伯の手足としては力不足と見られたらしい。
アリーナはシェスが人生後悔するレベルだと言ったことの意味がよくわかった。
ハリーはハッサム辺境伯の家で飼い殺しと相成るらしい。
「会場にハッサム辺境伯とローゼ嬢が待っていますから、ご挨拶に行ってきたらいいですよ」
ライがにっこりと笑うのと対照的に、ハリーの顔は真っ青で、嫌々とでも言いたそうに首を振っている。
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