記憶にある本

青狼記

　元々この作家さんが好きで読んでいて、いつもと違う毛色だなー、と思って読み始めた。
　元々この作家さんはハードボイルドを書く作家さんで、ハードボイルドにはまっていたその時の私はたまたま手に取ったその作家さんの本を気に入ってずっと作品を読んでいたのだけど、いつもと違うような雰囲気の表装とタイトルに、ふーん、とだけ思って読み始めた。

　号泣した。
　何に泣いたのか、もう今となっては思い出せない。だけど、泣いた。
　この作家さんの作品はずっと好きで読んでいたけど、この作品が一番好きだと言うくらいにこの作品に感情を動かされた。
　
　残念ながら細かいストーリーを思い出せないという非常に残念で非常に薄情な読者ではあるけど、この作品は、今でも好きだと公言できる。
　
　基本的に図書館で借りてしまっている私は、小説の類は手元に持ってない。
　だから、この本は3回ほど借りて読んだはずだ。
　手元に小説を置き始めると、その数が膨大になっていくのが分かっているから、手元には何も置いてない。
　だけど、買ってもいいかな、と思うくらいにはこの小説は好きだった。
　
　また読みたくなった。
　図書館が遠くなったのを、残念に思うのはこんな時だ。