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シェリ嬢の回想14

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「ねえ、マット君ってさ」
 誰と誰が両想いだとの話をしている時だった。
 同じくマットたちに興味津々の視線を向けている友人が、マットの名を口にした。
 今まで、この話を誰かと共有したことはなかったが、この友人たちになら、口にしていいのかもしれない。
 少なくとも、シェリはこの友人たちが口が軽いわけではないと信用していた。

「マディー君のことが好きなんだよね?」
 シェリはとうとう口にした。
 友人たちの瞳が輝く。
「あ、やっぱり? 私も思ってた! 潤んだ目でマディー君のこと見上げてることあるよね!」
「私も! 何だ、みんな思ってたんだー!」

 やっぱり、思っていたのはシェリだけじゃなかったらしい。
「あの二人、尊いよね?」
 シェリの言葉に、二人が大きく頷く。

 シェリはあの尊さを理解する仲間が出来たことを、嬉しく思った。
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