12 / 67
12
しおりを挟む
「お言葉ですがマシュー様。お飾り妻との間にも信頼関係を築く必要ってあるんでしょうか。あ、服はありがとうございました。おかげさまで体に合ったものを着ることができて快適です」
マシュー様が来ない間に、採寸されて出来上がった服が届けられた。ドレスとは違った、お仕着せとも違った、たぶん市井の人が着るだろうワンピースの形をした、上等な布の服。
ほぼ誰にも見せることがないから、上等な布でなくてもよかったのにな、とは思ったけど、立場上安い布も使えなかったんだろうな、と思って、ありがたく着させてもらっている。
それでもって、高野さんが着ていたようなドレスが届けられなかったから、きっと書類上だけのお飾り妻で間違いなさそうだと確信を深めたわけだけど。
「お前がどこかで口を滑らせたら困るからな」
……それ? それをばらさない程度に信頼関係を築きたいってこと?
「八重様とも会えもしないのに、私がどこに行くって言うんですか」
もう2週間ほど高野さんとは会えていない。10日くらい前に会ったときにも再度マシュー様に頼んでみたけど、色よい返事はもらえるはずもなく、むしろ完全に濁された。
王様とか皇太子とかからすれば、厄介払いができた上に、王妃(予定者)を惑わす相手がいなくなってほっとしているんだろうから、もう二度と近づけたくないんだろうけど。皇太子を呼び捨てにしているのは、もう私の中で皇太子の評価が地に落ちてるからだ。
本当に、どうにかやって高野さんを助けたい! 二人で元の世界に戻りたい!
「王家の晩餐会には連れて行く」
「お飾り妻なのはきっと皆さん知ってるでしょうから、連れて行かなくても大丈夫ですよ」
お飾り妻でもそうでなくても、晩餐会とか嫌だわ。私絶対変な目で見られるよ。それにマナーとか無理無理。高野さん王妃教育大変そうだな、って他人事だからのんびりできたのであって。それに皇太子の顔見たら罵倒しそうで怖いわ。とりあえずストレスはたまってるから。
「連れて行かねば、私の王への忠心が疑われることがあるかもしれぬ」
王への忠心。……異母弟だと疑われるのか、実弟でも疑われるのか。……というか、ここ平和な世界なんじゃなかったっけ? そんなドロドロしたような話ってあるの?
「……そうなるとどうなるんですか」
「……城を追い出されるだろうな。前王が隠居した時点で、我々がここにいる理由は本来は何もなくなったわけだからな」
「城を追い出されたら困るんで、出ます」
それが一番困る。高野さんと会う手段が完全にゼロになりそうだから。
「お前、マナーとかは大丈夫なのか」
「あると思います? 一応この1か月半以上、軟禁生活してただけですけど」
「……そうか。誰か侍女をつけよう」
「いや……それはいいです」
「それはいいって、じゃあ、どうするつもりだ」
「そういうマナーの本とかありませんか? それ読んで乗り切ります」
「……実地の訓練をした方が早い」
それはそうなんだろうけど。
「四六時中人が部屋に控えているとか、無理です」
まあ、寝るときにはいなくなるんだろうけど……。それでも、今までこの部屋の中に他人の目がずっとないから耐えられてたけど、誰かの目がずっとあるとか、無理無理無理! そう思うと、高野さんって適応性が半端ないかもしれない!
「……マナーのレッスンだけ来るだけだ。四六時中部屋の中で監視させたいわけではないからな」
マナーのレッスンの時だけね!
「それならいいです」
それなら譲歩できそうだ。
「じゃあ、侍女を一人、毎日来させる。……マナーの練習にドレスが必要だな」
「いや、この服でいいです。そもそも直近の王家の晩餐会っていつあるんですか」
「……皇太子の結婚式だな」
いやそれは、きっと間違いなくタイムリミットで、一応私の中ではこの世界にいないことになってる日なんですけど! 主張できないけどね!
「はぁ」
私は曖昧に返事をするだけにとどめた。
「大丈夫だ。あと2か月ちょっとはある」
私の気のない返事を、自信がないせいだと勘違いされたらしい。勘違い万歳だけど。
「ええ、頑張ります」
私も高野さん並みに頑張ってるふりをする日々が始まるらしい。
あ。
「あの、八重様とは会えないんでしょうか」
私の問いかけは、マシュー様の苦笑が答えだった。
*
教えたリハビリもすぐすぐに効果が出るようなものではないということもあって、マシュー様の足はまた10日ほど遠のいていたのだけど。
その間、私が何をやっていたかと言えば、相も変わらず、ぼんやりと空を眺めながら、元の世界に戻るために何か糸口がないか考えていた。ちょっと変わったことと言えば、私がこの世界に来た意味があるのか、ということも考えてみるようになったぐらいだろうか。意味がないことはない、と思いたいだけなのかもしれないけど。何せ、考える時間だけは膨大にある。
……あ、あとマナーレッスンが追加された。私語のない、緊張感が漂う部屋でのマナーレッスンなど、苦痛以外の何物でもない。……せめて世間話くらいしてくれればいいものを。でもその時間は相手にとっても気づまりなのか、1時間ほどで終了する。高野さんは2時間ほどさせられると言っていたから、立場の違いってやつなのか、単に相手が気づまりなのかは判断はできないんだけど。
久しぶりに部屋に顔を出したマシュー様は、少し困惑したような表情だった。
「どうかされましたか」
「八重様に会いに来いと言われた」
「……いいですね。私も連れて行ってほしいです」
「お前が行くんだ」
私は目を見開く。
「私、行っていいんですか」
私を遠ざけるために誰かと結婚させようとしたくらいなのに?(いや実際はしてるけどしてないようなものだから!)
「至急来るようにとのことだ。八重様の部屋まで送ろう」
「至急? ……何が?」
至急、という言葉に、よからぬ予感が沸き起こる。
「私も知らぬ。ただ、王より命令が下ったのだ。……皇太子は反対していたがな」
……王の命令。……皇太子は反対している……。命の危険? なら、王としても“災い”の疑いのかかった私など近づけたくもないだろう。
なぜなのかが全く思い至らなくて、私も困惑する。
「八重様が、どうしてもと言ったのでしょうか」
「……そうなのかもしれないな」
良くはわからないけど、公式に高野さんに会えるというのであれば、会いに行くに決まってる!
「じゃあ、行きましょう!」
私の言葉に、マシュー様がクスリと笑う。
「マナーレッスンも同じくらいやる気を見せてほしいがな」
……そうか、私のやる気のなさはバレバレで筒抜けか。
……ま、どうせ出る予定もない晩餐会のためだからな、と思っているのがばれるかもしれないから、以後気を付けよう。
マシュー様が来ない間に、採寸されて出来上がった服が届けられた。ドレスとは違った、お仕着せとも違った、たぶん市井の人が着るだろうワンピースの形をした、上等な布の服。
ほぼ誰にも見せることがないから、上等な布でなくてもよかったのにな、とは思ったけど、立場上安い布も使えなかったんだろうな、と思って、ありがたく着させてもらっている。
それでもって、高野さんが着ていたようなドレスが届けられなかったから、きっと書類上だけのお飾り妻で間違いなさそうだと確信を深めたわけだけど。
「お前がどこかで口を滑らせたら困るからな」
……それ? それをばらさない程度に信頼関係を築きたいってこと?
「八重様とも会えもしないのに、私がどこに行くって言うんですか」
もう2週間ほど高野さんとは会えていない。10日くらい前に会ったときにも再度マシュー様に頼んでみたけど、色よい返事はもらえるはずもなく、むしろ完全に濁された。
王様とか皇太子とかからすれば、厄介払いができた上に、王妃(予定者)を惑わす相手がいなくなってほっとしているんだろうから、もう二度と近づけたくないんだろうけど。皇太子を呼び捨てにしているのは、もう私の中で皇太子の評価が地に落ちてるからだ。
本当に、どうにかやって高野さんを助けたい! 二人で元の世界に戻りたい!
「王家の晩餐会には連れて行く」
「お飾り妻なのはきっと皆さん知ってるでしょうから、連れて行かなくても大丈夫ですよ」
お飾り妻でもそうでなくても、晩餐会とか嫌だわ。私絶対変な目で見られるよ。それにマナーとか無理無理。高野さん王妃教育大変そうだな、って他人事だからのんびりできたのであって。それに皇太子の顔見たら罵倒しそうで怖いわ。とりあえずストレスはたまってるから。
「連れて行かねば、私の王への忠心が疑われることがあるかもしれぬ」
王への忠心。……異母弟だと疑われるのか、実弟でも疑われるのか。……というか、ここ平和な世界なんじゃなかったっけ? そんなドロドロしたような話ってあるの?
「……そうなるとどうなるんですか」
「……城を追い出されるだろうな。前王が隠居した時点で、我々がここにいる理由は本来は何もなくなったわけだからな」
「城を追い出されたら困るんで、出ます」
それが一番困る。高野さんと会う手段が完全にゼロになりそうだから。
「お前、マナーとかは大丈夫なのか」
「あると思います? 一応この1か月半以上、軟禁生活してただけですけど」
「……そうか。誰か侍女をつけよう」
「いや……それはいいです」
「それはいいって、じゃあ、どうするつもりだ」
「そういうマナーの本とかありませんか? それ読んで乗り切ります」
「……実地の訓練をした方が早い」
それはそうなんだろうけど。
「四六時中人が部屋に控えているとか、無理です」
まあ、寝るときにはいなくなるんだろうけど……。それでも、今までこの部屋の中に他人の目がずっとないから耐えられてたけど、誰かの目がずっとあるとか、無理無理無理! そう思うと、高野さんって適応性が半端ないかもしれない!
「……マナーのレッスンだけ来るだけだ。四六時中部屋の中で監視させたいわけではないからな」
マナーのレッスンの時だけね!
「それならいいです」
それなら譲歩できそうだ。
「じゃあ、侍女を一人、毎日来させる。……マナーの練習にドレスが必要だな」
「いや、この服でいいです。そもそも直近の王家の晩餐会っていつあるんですか」
「……皇太子の結婚式だな」
いやそれは、きっと間違いなくタイムリミットで、一応私の中ではこの世界にいないことになってる日なんですけど! 主張できないけどね!
「はぁ」
私は曖昧に返事をするだけにとどめた。
「大丈夫だ。あと2か月ちょっとはある」
私の気のない返事を、自信がないせいだと勘違いされたらしい。勘違い万歳だけど。
「ええ、頑張ります」
私も高野さん並みに頑張ってるふりをする日々が始まるらしい。
あ。
「あの、八重様とは会えないんでしょうか」
私の問いかけは、マシュー様の苦笑が答えだった。
*
教えたリハビリもすぐすぐに効果が出るようなものではないということもあって、マシュー様の足はまた10日ほど遠のいていたのだけど。
その間、私が何をやっていたかと言えば、相も変わらず、ぼんやりと空を眺めながら、元の世界に戻るために何か糸口がないか考えていた。ちょっと変わったことと言えば、私がこの世界に来た意味があるのか、ということも考えてみるようになったぐらいだろうか。意味がないことはない、と思いたいだけなのかもしれないけど。何せ、考える時間だけは膨大にある。
……あ、あとマナーレッスンが追加された。私語のない、緊張感が漂う部屋でのマナーレッスンなど、苦痛以外の何物でもない。……せめて世間話くらいしてくれればいいものを。でもその時間は相手にとっても気づまりなのか、1時間ほどで終了する。高野さんは2時間ほどさせられると言っていたから、立場の違いってやつなのか、単に相手が気づまりなのかは判断はできないんだけど。
久しぶりに部屋に顔を出したマシュー様は、少し困惑したような表情だった。
「どうかされましたか」
「八重様に会いに来いと言われた」
「……いいですね。私も連れて行ってほしいです」
「お前が行くんだ」
私は目を見開く。
「私、行っていいんですか」
私を遠ざけるために誰かと結婚させようとしたくらいなのに?(いや実際はしてるけどしてないようなものだから!)
「至急来るようにとのことだ。八重様の部屋まで送ろう」
「至急? ……何が?」
至急、という言葉に、よからぬ予感が沸き起こる。
「私も知らぬ。ただ、王より命令が下ったのだ。……皇太子は反対していたがな」
……王の命令。……皇太子は反対している……。命の危険? なら、王としても“災い”の疑いのかかった私など近づけたくもないだろう。
なぜなのかが全く思い至らなくて、私も困惑する。
「八重様が、どうしてもと言ったのでしょうか」
「……そうなのかもしれないな」
良くはわからないけど、公式に高野さんに会えるというのであれば、会いに行くに決まってる!
「じゃあ、行きましょう!」
私の言葉に、マシュー様がクスリと笑う。
「マナーレッスンも同じくらいやる気を見せてほしいがな」
……そうか、私のやる気のなさはバレバレで筒抜けか。
……ま、どうせ出る予定もない晩餐会のためだからな、と思っているのがばれるかもしれないから、以後気を付けよう。
12
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
私が我慢する必要ありますか?【2024年12月25日電子書籍配信決定しました】
青太郎
恋愛
ある日前世の記憶が戻りました。
そして気付いてしまったのです。
私が我慢する必要ありますか?
※ 株式会社MARCOT様より電子書籍化決定!
コミックシーモア様にて12/25より配信されます。
コミックシーモア様限定の短編もありますので興味のある方はぜひお手に取って頂けると嬉しいです。
リンク先
https://www.cmoa.jp/title/1101438094/vol/1/
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
安らかにお眠りください
くびのほきょう
恋愛
父母兄を馬車の事故で亡くし6歳で天涯孤独になった侯爵令嬢と、その婚約者で、母を愛しているために側室を娶らない自分の父に憧れて自分も父王のように誠実に生きたいと思っていた王子の話。
※突然残酷な描写が入ります。
※視点がコロコロ変わり分かりづらい構成です。
※小説家になろう様へも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる