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第8話

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 バルトさんの指導を受けるようになって数週間が経ち、僕の剣術にも少しずつ自信がつき始めた。構えや基本的な動きが自然に体に馴染んできたことを実感する日々だ。そんなある日、バルトさんが集まった村の青年たちを前に、大きな声で告げた。

 「今日は初めての実戦訓練を行う。みんな、今まで教えた技術を実際に使ってみろ!」

 僕は驚きと興奮が入り混じった気持ちで、木剣を手に構えた。今日の訓練は、他の仲間たちと組んで模擬戦を行う形式だ。戦闘で必要なものは力だけでなく、判断力や周囲との協力も重要だということを、バルトさんは繰り返し強調していた。

 僕のチームは、幼馴染のリナと、村の青年エリックだ。リナは素早い身のこなしが得意で、エリックは力強い剣筋で知られている。二人と共に戦えることは心強く、僕も何としても彼らの足を引っ張らないようにしようと心に誓った。

 「作戦はどうする?」

 僕の問いかけに、リナが小さく笑って答えた。

 「私が相手を攪乱するから、エリックとアレックスは力を合わせて隙を突くのはどう?」

 僕たちは作戦を確認し、いざ模擬戦が開始された。相手チームも村で鍛えられた強者たちであり、油断はできない。僕たちは息を合わせながら、慎重に間合いを測った。

 リナが素早く相手の横を駆け抜け、気を引くと、僕とエリックはその隙を逃さずに突撃した。エリックの重い一撃が相手の防御を崩し、僕はその隙をついて、木剣で一撃を加えることができた。

 バルトさんが見守る中、僕たちの動きは次第にスムーズになり、互いのタイミングを合わせることができるようになっていった。しかし、途中で僕が不意に動きを見誤り、相手に反撃を受けて転倒してしまった。バルトさんの声が鋭く響く。

 「アレックス、落ち着け!動きが単調になっている。敵の動きを見極めろ!」

 その言葉で冷静さを取り戻し、僕は相手の動きを注視した。無闇に突撃するのではなく、相手の隙を見つけることが重要だと気づいた。再び立ち上がり、リナとエリックと共に息を合わせ、今度は冷静に攻める。

 数分後、僕たちは無事に模擬戦を制することができた。バルトさんは満足げに頷きながら言った。

 「今日はよく頑張った。戦いは力だけでなく、心の落ち着きと協力が必要だ。そのことを忘れないようにな。」

 僕は深く息を吐き、全身に心地よい疲労感を感じていた。この訓練を通じて、仲間と一緒に戦うことの大切さや、自分一人では勝てない戦い方を学んだのだ。

 訓練を終え、リナとエリックと共に村へ戻りながら、僕は強くなりたいという思いをさらに深めていった。もっと鍛錬を積み、いずれはこの村だけでなく、外の世界でも戦える力を持ちたい。そんな気持ちが芽生えた瞬間だった。

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