世界最強に運のみで

kryuaga

文字の大きさ
上 下
58 / 60

#57

しおりを挟む
福田哲司

LEVEL:6

HP:50/50(+10)

MP:350/350(+100)

体力:240(+200)

速さ:75(+10)

運:119/120



お分かりだろうか? この弱さが。

レベル6になってもHPがMPの7分の1しかない。

補正が無ければ、ザコですよ。いや、補正があってもザコですね。

体力なんて補正が無ければHPと同じ。

レベルが2も上がったのに、HPと体力は10しか増えない……。

こりゃ素直に武具による補正に頼った方が賢い選択だな。

いや、レベルはちゃんと上げるんですけどね。



スライム退治はもう旨みが無くなったので、次はビッグベアー退治だ。

3階にいるのが10なら、ここなら11ぐらいじゃないかな?

それを1人で倒せるようになれば、やっとレベルが2桁になれる!

1人で倒せれば、の話だけど。



3階ではカンダさんとキジマさんで、1匹を倒していた。とどめだけさせてもらってた。

レベルが高いので1人でも倒せるのだろう。

という事で、ちょっと実践してもらう事にした。



「二人で倒せていたのは、早く確実に倒す為だったんですよ」

「そうなの?」

「迷路は狭いので、早く倒さないと次のが来た時に逃げ場が無くなります。

 確実に倒さないと、雇い主の福田さんに被害が出る可能性がありますし」

「は~、なるほどねぇ」

「広い場所なら1人で戦いますね。警戒の為に一人必要ですから」

「カンダの考えが正しい訳ではありませんよ?臨機応変に対処するのが一番大事です」

「そうなの?」

「はい、ここのような前後にしか道が無い場合、前後に1人づつ配置する方法もあります」

「あぁ、なるほどね。戦ってる時に後ろから敵が来ても良い様にって事だ」

「そうです。今は1人多いので、前に2人が基本ですね」



ふむふむ。勉強になるなぁ。

おっと、講義を受けていたら、ビッグベアーが現れたよ。

四つんばいで歩いていたビッグベアーだが、俺たちに気づくと立ち上がって吠えている。

そこにカンダさんが、剣を振りかぶって走っていく。速い!!

ビッグベアーの爪を生かした右手の振り下ろしを剣でいなしたかと思うと、その勢いのまま首筋を一閃。

ビッグベアーは首から血を噴出させ、前のめりに倒れ動かなくなった。



「こうやって、最初の一撃をかわして首を切るのが一般的ですね」



うん! 無理! 参考にならない!!



「まず、どうやって最初の一撃を避けるのさ?!」

「えっと、、、見てると右手を振り上げるので、それをサッと左に避けるんですよ」

「右手じゃなかったら?」

「サッと右に避けます」



サッてなんだよ?!

擬音で言うんじゃない!

お前はナガ○マさんか!!

しょうがない、ここは常識人のキジマさんに解説してもらおう。



「え~。ビッグベアーが立ち上がって攻撃する場合は、右手か左手のどちらかです。蹴りやタックルはしません。

 なので、振り上げようとしている手がどちらなのかを注視してください。

 振り上げる手が判れば、そちらの方に向かいます。右手ならば右手側、こちらからすれば左に向かいます」

「逆の方が安全じゃないの?」

「動いてない手の方に行くのは安全ですが、攻撃が出来ません。空いている手で防御してくるのです」

「攻撃をする為に移動するのね」

「そうです。後は避ける方法ですが、剣でいなすのは難しいので、しゃがみつつ移動が良いと思います。

 ビッグベアーは身長があるのに手は短いのです。低くなれば当たりにくくなります。

 避けてしまえば、手を振り下ろしている為に首がガラ空きになってます。

 そこを剣で切るのです。振り下ろした手に沿って剣を動かせば首に到達します。

 2cmも切れれば出血ですぐに死にますが、切った後はなるべく離れる方が良いですね」



なんて判りやすい解説なんだ!!

サッにこんな深い意味があったなんて!!

もうカンダさんは、俺の中では脳筋キャラに認定だよ。



とりあえず俺は、脳筋カンダさんを相手にシミュレーションを何度もした。

もう大丈夫でしょう、とお墨付きを貰ったので、後は実践あるのみだ!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生先が同類ばっかりです!

羽田ソラ
ファンタジー
水元統吾、”元”日本人。 35歳で日本における生涯を閉じた彼を待っていたのは、テンプレ通りの異世界転生。 彼は生産のエキスパートになることを希望し、順風満帆の異世界ライフを送るべく旅立ったのだった。 ……でも世の中そううまくはいかない。 この世界、問題がとんでもなく深刻です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【3部完結】ダンジョンアポカリプス!~ルールが書き変った現代世界を僕のガチャスキルで最強パーティーギルド無双する~

すちて
ファンタジー
謎のダンジョン、真実クエスト、カウントダウン、これは、夢であるが、ただの夢ではない。――それは世界のルールが書き変わる、最初のダンジョン。  無自覚ド善人高校生、真瀬敬命が眠りにつくと、気がつけばそこはダンジョンだった。得たスキルは『ガチャ』! クラスメイトの穏やか美少女、有坂琴音と何故か共にいた見知らぬ男性2人とパーティーを組み、悪意の見え隠れする不穏な謎のダンジョンをガチャスキルを使って善人パーティーで無双攻略をしていくが…… 1部夢現《ムゲン》ダンジョン編、2部アポカリプスサウンド編、完結済。現代ダンジョンによるアポカリプスが本格的に始まるのは2部からになります。毎日12時頃更新中。楽しんで頂ければ幸いです。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

思想で溢れたメモリー

やみくも
ファンタジー
 幼少期に親が亡くなり、とある組織に拾われ未成年時代を過ごした「威風曖人亅 約5000年前に起きた世界史に残る大きな出来事の真相を探る組織のトップの依頼を受け、時空の歪みを調査中に曖人は見知らぬ土地へと飛ばされてしまった。 ???「望む世界が違うから、争いは絶えないんだよ…。」  思想に正解なんて無い。  その想いは、個人の価値観なのだから…  思想=強さの譲れない正義のぶつかり合いが今、開戦する。 補足:設定がややこしくなるので年代は明かしませんが、遠い未来の話が舞台という事を頭の片隅に置いておいて下さい。 21世紀では無いです。 ※未だに完結の目処が立っていない初期に書き始めた駄作です。ダラダラやっていますが進める意志はあります。

処理中です...