世界最強に運のみで

kryuaga

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罰ゲームも終わったので帰る事に。

なんか俺が罰ゲームしてた感じもあったのだが……。

馬車で帰ると、丁度17時だった。

ホテルの玄関をくぐると、既にサガワさんが待っていてくれた。



「もうしわけありません。ちょっとトラブルに巻き込まれまして……」

「いえいえ、私も今来た所なのですよ! それで、私に用とは何でしょうか? もしや昨日の事ですかな?」

「そうなんですよ。町から出るなと言われまして……」

「そうですか! それなら何の心配も要りません! ずっと泊まって頂いて結構ですぞ!」

「いや、お金の事なのですが……」

「いやいや、帝王さんからお金を貰うなんて出来ません! ええそうですとも!!」

「いえ、何か町長が宿泊費を払うと言ってましてですね。どうしたものかと」

「なるほどなるほど。スイートの料金を町に出させるのは気が引ける、という事ですな!

 いや、さすが帝王さん。町の財政にまで気を使っていただけるとは! 正に紳士ですな!!」

「いや、、、そんないいものではありませんよ。一般人なので」

「ご謙遜を。な~に、そういう事ならば、私の方から町長には話しをしておきましょう。

 帝王さんは何の心配もなさらず、好きなだけお泊りください!」

「ありがとうございます。そこで相談なのですが……。スイート以外の部屋に移動というのは…。」

「何をおっしゃる!! 帝王さんをスイート以外に泊めるなぞ、出来ません! ええ出来ませんとも!!」



部屋を替えるというのは無理だった。

スイート以外に泊めるなんてホテルの格が下がる!とまで言われたら引き下がるしかない。

……サガワさんは俺を何者だと思っているのだろうか?





あれから2日経った。

本日、とうとうあの日の結論が出たらしい。昼に警察に行く事になった。

あの日とは、デブハゲが絡んできた日の事だ。

俺の賞品の事と、デブハゲの有罪無罪が決まるそうだ。



この2日間はヒマだった。

また絡まれたくないので、ギャンブルはNG。

魔法を覚えようと本を読もうと思ったのだが、キジマさんに町の外ですべきと言われ断念。

たまに暴走する事があり、街中だと危険との事。良い機会だと思ったのになぁ……。



結局した事と言えば、

1.ポチと遊ぶ(一応俺の従魔という事は覚えていたようだ。一安心……?)

2.ウエダさんにポーカーフェイスを教える。少しはマシになった。

3.ならばとウエダさんにブラフを教える。とっさのウソがつけないので断念。

4.皆でトランプ。俺が教えた大富豪がブームになった。

こんな所だろうか。ヒマさが判ってもらえるだろう。



今日も結局、昼までは大富豪をプレイ。

昼飯を終えると、サガワさんがやって来た。道案内ついでに警察まで付いてきてくれるそうだ。

護衛としてカンダさんとキジマさんが一緒に行く事に。



警察に到着すると、会議室のような部屋に案内された。

少し待っていると、いかにも騎士をやってましたっていうガチムチな40歳くらいの男の人が来た。



「お待たせしました。私はここで署長をしているソノダと申します」

「福田です。よろしくお願いします。こちらは護衛をしてもらっているカンダさんとキジマさんです」

「私の事は知ってますよね。サガワです」



カンダさんとキジマさんは俺の背後で会釈をしている。

俺は着席を勧められたので署長の正面の席に座った。サガワさんは俺の隣の席へ。

二人は護衛なので立っているそうだ。警察なんだから大丈夫だろうに。



「3点ほど福田さんに報告があります」

「3点もですか?」

「はい。まずはシキメの件ですね」

「あぁ、ガチャの」

「その通りです。ヤツは色々と不正をしておりましたので、逮捕となりました」

「やっぱりそうですか」

「はい。次にその時の賞品なのですが、本人の持ち物は現在全て凍結されている為に選べません。

 本人に命令をするにしても牢の中では意味が無いでしょう。どうされますか?」



ふむ、無しにしても良いんだが、何か損をしたような気がするなぁ。

何か無いか? 何か何か・・・あっ!



「シキメがオーナーをしていたあのガチャの店はどうなるのでしょうか?」

「シキメの息子がオーナーになり続けるようですよ。

 だが、あの店の物は貰えませんよ?所有者が息子とはいえ変わりますから」

「いえ、あの店の上級者ガチャを引く権利をもらえないかな、と思いまして」

「ふむ・・・それぐらいなら融通出来そうですね。回数は決められるでしょうが」

「それでお願いしますよ。1回、いや2回ほどする権利をお願いします」

「判りました。それで調整しましょう」



良かった。これで損をする事は無くなった。

後は俺が運を使って当てれば良いのだ。



「最後に。インディアンポーカーの店での事です。

 あの3人はグルで不正をしていた事が判明しましたので逮捕しました。

 貴方があの3人から稼いだお金は貴方の物になりますのでカードをお返しいたします」



そう、あの時に全員カードを警察に渡していたのだ。



「ついでに、3人は不正で儲けていたようなので、3人のカードも貴方の物となりました」

「えっ? それっていいんですか?!」

「はい。どうせあの3人にはこれから先使う事ができませんので、問題ありません」

「……それはどういう意味でしょうか?」

「3人への刑は20年の鉱山送りに決まりましたから」

「えっと……」

「福田さん。鉱山での仕事は死亡率が非常に高いのですよ。刑期を無事終えられた人は1割もいませんよ。

 その中で20年の刑期。そこまで言えば大体判りますよね」



サガワさんが恐ろしい事を教えてくれた。

ある意味死刑じゃないか!

犯罪、ダメ、ゼッタイ!
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