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高速で回転していたガチャも次第にゆっくりになり、そして止まった。
「は~い、これで混ざりました~!
しか~し! 今回はそれでは終わりませんよ~!
蓋をした状態で、双方が納得するまで回してもらいま~す。
これは不正防止の為で~す」
なるほど。この時点で仕込んでいれば、回す事で無駄になるからな。
まずはシキメが立ち上がり、ガチャを2回転させた。
俺の番になったので、3回転ほどさせておいた。
「は~い。双方の混ぜる時間は終~了~!
最後に、町長さんに回して頂きま~す。
これで最初に『当たり』か『ハズレ』が出るように仕込んでても意味が無くなりますので~。
町長さんは好きな回数チャレンジできま~す。
これで次回が『当たり』か『ハズレ』か判らなくなりますので~」
そこまでするんだな。
ふと見るとシキメは悔しそうな顔をしていた。
・・・何か仕込んでたのか?
と言う事は、この一連の流れは第3者が考えてるという事になる。
カジノの町としては、不正は許さないという事なのか。
まぁ俺には不満は無い。運頼みで全力で回すだけだ。
結局町長は23回も回していた。
キリの良い回数にしなかったのは、これまた不正防止の為なんだろう。
ちなみに出たカプセルは全てハズレだった。
さていよいよ俺の番になる。
頭の中で『運を30使っても良いから、当たれ! 当たれ!! 当たれ!!!』とひたすら念ずる。
ついでに、『ハズレたら毎朝アサイさんとイイクラさんを呪う!!』と付け足しておく。
「町長さん、ありがとうございました~。
では、帝王さ~ん。こちらへどうぞ~!」
促されるままにガチャの近くに行く。
不正だの言われないように、ガチャには指一本も触れないし、なるべく離れた場所に立つ。
「で~は! 回してくださ~い! お願いしま~す!!」
俺がガチャのハンドルに手をかけると、ドラムロールが鳴り出した。
ダララララララララララララ・・・・・
祈りつつ、勢い良くガチャを回す。
ガラガラガラ・・・
コロン
出た玉をお姉さんが観客には見えないようにして取り上げる。
ステージ上にいる俺達には、何が出たか丸判りなのだが。
ダラララララ・・・・ダン!
ドラムロールの終わりと共に、お姉さんはカプセルをかかげ叫んだ。
「金色のカプセルで~~~す!! 『当たり』ですよ~~~~!!
という事で、勝者は、、、帝王さんで~~~す!!!」
割れんばかりの拍手が会場で起こった。
ついでに「帝王! 帝王!」と帝王コールまで起きている。
それは止めてもらいたい。
ドヤ顔でシキメを見ると、顔色が青白くなり白くなり、最後に真っ赤になってた。
そしてそのまま立ち上がり、叫んだ。
「インチキだ! この勝負、無効だ!!」
すると舞台袖から、先ほどの町長が出てきた。
「どこにもインチキや不正は認められませんでしたよ? なのでこの勝負は有効です。」
「バカな! こんな確率で当たる訳が無い!!」
「実際に当たってますよ? それとも当たらないように細工でもしたのですか?」
「さ・細工なんてしていない!」
「ならば有効でしょう。それに福田さんは一度も機械には触れていない。不正は不可能です。」
「ソイツの着けているイヤリングは『運気底上げのイヤリング』じゃないか! 卑怯だろ!!」
「はて?貴方の店でも『着けてはいけない』というルールは無い。ならば卑怯ではない。有効な作戦ですね。」
「くっ! さてはその女か町長が買収されてるんじゃないか?!」
「おや、聞き捨てなりませんなぁ。この町の代表として、不正は許しません。
そのような者が買収に応じる等と言われては……。謝罪を要求します!」
「調べなきゃ事実か判らないだろうが!!」
「ほう、そこまで言いますか……。
判りました。身辺調査を第3者に依頼しましょう。そして調べられる事を了承しましょう。
そしてついでに貴方の身辺調査もしましょうかね」
「何故俺まで?!」
「貴方には不正や買収の噂が絶えずあるのですよ。今まではあくまで噂だったので調べませんでした。
しかし貴方は『調べなきゃ事実か判らない』と言われましたので、調べて事実かどうかハッキリさせます」
「・・・!!」
あ~、この慌てぶりは、何らかの不正をやってるな?
よけいな事を言って、怒らせてはいけない人を怒らせちゃったな。
バカなヤツだな~とシキメを見てると町長さんが俺の方にやってきた。
「すみません、福田さん。このような事になったので、結果が確定するまで賞品の授与は待ってください。」
「あぁ、気にしないで下さい。」
「ありがとうございます。
ついでになんですが、結果が確定するまでは町を出ないでください。」
「えっ? 連れもですか?!」
「はい、それも調査対象になりますので。
その代わり、滞在費は町が持ちますので今の宿に泊まっていてくだされば良いですよ。」
今、スイートルームなんだけどな…。
請求書が町長の所に行ったら、金額見て「シキメのせいで無駄な出費だ!!」とまた怒るんじゃないだろうか?
「は~い、これで混ざりました~!
しか~し! 今回はそれでは終わりませんよ~!
蓋をした状態で、双方が納得するまで回してもらいま~す。
これは不正防止の為で~す」
なるほど。この時点で仕込んでいれば、回す事で無駄になるからな。
まずはシキメが立ち上がり、ガチャを2回転させた。
俺の番になったので、3回転ほどさせておいた。
「は~い。双方の混ぜる時間は終~了~!
最後に、町長さんに回して頂きま~す。
これで最初に『当たり』か『ハズレ』が出るように仕込んでても意味が無くなりますので~。
町長さんは好きな回数チャレンジできま~す。
これで次回が『当たり』か『ハズレ』か判らなくなりますので~」
そこまでするんだな。
ふと見るとシキメは悔しそうな顔をしていた。
・・・何か仕込んでたのか?
と言う事は、この一連の流れは第3者が考えてるという事になる。
カジノの町としては、不正は許さないという事なのか。
まぁ俺には不満は無い。運頼みで全力で回すだけだ。
結局町長は23回も回していた。
キリの良い回数にしなかったのは、これまた不正防止の為なんだろう。
ちなみに出たカプセルは全てハズレだった。
さていよいよ俺の番になる。
頭の中で『運を30使っても良いから、当たれ! 当たれ!! 当たれ!!!』とひたすら念ずる。
ついでに、『ハズレたら毎朝アサイさんとイイクラさんを呪う!!』と付け足しておく。
「町長さん、ありがとうございました~。
では、帝王さ~ん。こちらへどうぞ~!」
促されるままにガチャの近くに行く。
不正だの言われないように、ガチャには指一本も触れないし、なるべく離れた場所に立つ。
「で~は! 回してくださ~い! お願いしま~す!!」
俺がガチャのハンドルに手をかけると、ドラムロールが鳴り出した。
ダララララララララララララ・・・・・
祈りつつ、勢い良くガチャを回す。
ガラガラガラ・・・
コロン
出た玉をお姉さんが観客には見えないようにして取り上げる。
ステージ上にいる俺達には、何が出たか丸判りなのだが。
ダラララララ・・・・ダン!
ドラムロールの終わりと共に、お姉さんはカプセルをかかげ叫んだ。
「金色のカプセルで~~~す!! 『当たり』ですよ~~~~!!
という事で、勝者は、、、帝王さんで~~~す!!!」
割れんばかりの拍手が会場で起こった。
ついでに「帝王! 帝王!」と帝王コールまで起きている。
それは止めてもらいたい。
ドヤ顔でシキメを見ると、顔色が青白くなり白くなり、最後に真っ赤になってた。
そしてそのまま立ち上がり、叫んだ。
「インチキだ! この勝負、無効だ!!」
すると舞台袖から、先ほどの町長が出てきた。
「どこにもインチキや不正は認められませんでしたよ? なのでこの勝負は有効です。」
「バカな! こんな確率で当たる訳が無い!!」
「実際に当たってますよ? それとも当たらないように細工でもしたのですか?」
「さ・細工なんてしていない!」
「ならば有効でしょう。それに福田さんは一度も機械には触れていない。不正は不可能です。」
「ソイツの着けているイヤリングは『運気底上げのイヤリング』じゃないか! 卑怯だろ!!」
「はて?貴方の店でも『着けてはいけない』というルールは無い。ならば卑怯ではない。有効な作戦ですね。」
「くっ! さてはその女か町長が買収されてるんじゃないか?!」
「おや、聞き捨てなりませんなぁ。この町の代表として、不正は許しません。
そのような者が買収に応じる等と言われては……。謝罪を要求します!」
「調べなきゃ事実か判らないだろうが!!」
「ほう、そこまで言いますか……。
判りました。身辺調査を第3者に依頼しましょう。そして調べられる事を了承しましょう。
そしてついでに貴方の身辺調査もしましょうかね」
「何故俺まで?!」
「貴方には不正や買収の噂が絶えずあるのですよ。今まではあくまで噂だったので調べませんでした。
しかし貴方は『調べなきゃ事実か判らない』と言われましたので、調べて事実かどうかハッキリさせます」
「・・・!!」
あ~、この慌てぶりは、何らかの不正をやってるな?
よけいな事を言って、怒らせてはいけない人を怒らせちゃったな。
バカなヤツだな~とシキメを見てると町長さんが俺の方にやってきた。
「すみません、福田さん。このような事になったので、結果が確定するまで賞品の授与は待ってください。」
「あぁ、気にしないで下さい。」
「ありがとうございます。
ついでになんですが、結果が確定するまでは町を出ないでください。」
「えっ? 連れもですか?!」
「はい、それも調査対象になりますので。
その代わり、滞在費は町が持ちますので今の宿に泊まっていてくだされば良いですよ。」
今、スイートルームなんだけどな…。
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