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「俺はウエダってんだ! 町までだが、よろしくな!」
「俺は福田です。よろしくお願いしますね」
「兄ちゃん、かてぇな~! 見た所、似たような年じゃねぇか! 敬語なんか無し無し!!」
「そう? じゃ、改めてよろしく!」
「おうよ!!」
乗せてくれたウエダさんは気のいい人だ。
ちょっとバカっぽいけどね……。
剣を持って馬車を止める男を簡単に信用するのはどうかと思う。
その事を聞いたら、「この辺は騎士が巡回していて、盗賊なんか出ねぇんだ!」と言っていた。
どうやらアサイさんは、安全な場所に送ってくれたようだ。
方向は教えてくれなかったけどね……。
「兄ちゃんはカジノの町に何しに行くんだ? って当然ギャンブルか!」
「いやぁ、この辺は初めてなんでね。どんなギャンブルがあるの?」
「盛んなのはトランプだな。
他にはスロットマシーンやルーレットがあるぜ。
変わった所では、ガチャっていうくじ引きがあるぜ」
「ふ~ん。ウエダさんは何を?」
「俺か? 俺はトランプだな。ブラックジャックってやつだ」
「あっ、知ってる。21になればいいやつでしょ?」
「そうそう。これがなかなか奥が深いんだよな。
ま、カジノの町に行くんだ。ギャンブルをしない手はねぇぜ!」
「そうだな。ちょっとやってみようかな」
「お、そうかい! じゃあ俺が案内してやるよ!
案外ビギナーズラックってやつで勝てるかもよ?」
「ははは、どうだろうね?」
はぐらかしておいたが、多分勝てる。
他の人よりも運が高いんだもん、ある意味インチキだけど。
ウエダさんとバカ話をしているとカジノの町に到着した。
本当に町の名前が「カジノ」!
高い壁に囲まれているのに、出入り口は小さい扉だけだった。
身分証とか持ってないのに、簡単に入る事が出来た。
「出る時の審査が厳しい」とウエダさんに教えてもらった。
町中が煌びやかで、ラスベガスのようだ。(行った事は無いけど)
俺はウエダさんと共に、馬車置き場へ。
そこには鉄格子付きの受付があって、その中では女の人が働いている。
「兄ちゃんよ、覚えとけよ。ここでお金をカードと交換するんだ。
この町では現金はほとんど使えないからな」
「えっ、メシ食うのも宿も?」
「泊まった事ねぇから宿は知らねぇけど、飯屋も全部カードだ」
「それで大丈夫なの?」
「あぁ。俺も最初は驚いたけどな。カードに『持ち主認証』ってのが付くんだとよ。
だからカードを盗んでも他人には使えないらしいぜ。
そのカードにお金が入っているから、大金当てても持ち歩かなくて楽なんだとよ」
クレジットカードかな? いや、電子マネーとかデビットカードっぽいね。
口座にお金があれば使えるやつ。
たしかに便利だろうけど、現金が見えないのでついつい使ってしまうのを狙ってるんじゃない?
そうしてる内にウエダさんは、もうカードを受け取っていた。
10万くらいでいいか。泊まる事になるだろうし、メシも食うし。
また後でチャージするにしても場所が判らないし面倒だ。
受付で現金を渡すと、水晶玉に触ってくださいと言われた。
2~3秒後にはカードが出来ていて、裏に名前を書くようにとペンを渡されたので書く。
これで完了だそうだ。
「おっ、カードも無事受け取ったな!」
「えっ? 受け取れない事ってあるの?」
「おう、ギャンブルでインチキした事のあるヤツはもらえないらしいぞ!」
「そうなんだ……。怖いな」
「初めてなんだろ? 大丈夫大丈夫!! ほら、行くぞ!」
「お、おう。えっと……どこに行くんだ?」
「兄ちゃんは初めてだから、判りやすいガチャに行くか?! どうだ?!」
「それでいいよ」
「よし、ついて来な!!」
それで連れてこられたのは、巨大なホールだった。
そこには直径2mくらいの福引きで使う『ガラガラ』があちこちに置いてある。
ガチャってコレ??
「ガチャには種類とランクがあってな。
武具・アイテム・便利な道具、の3種類がある。ガチャでは現金は当たらねぇぞ。
ランクっていうのは単純に、初心者・中級者・上級者の違いだ」
「なるほどね。俺は初心者だから、初心者用のしか出来ないんだな?」
「そういう事だ。まぁ、心配すんなよ。何度か来ればすぐに中級者用が出来るようになるって!」
「通うつもりはないんだけどな……」
「ハハハ、誰もが最初はそう言うんだよ! さあさあ、早速やろうじゃねぇか!」
「じゃ、じゃあ、武具のをしてみるか」
そこには冒険者っぽい格好の人ばかりだった。
よく見れば、冒険者に成り立てのような人から中堅くらいの人までいる。
誰もが一喜一憂しているので、見てるだけでもちょっと面白い。
そうしてるとウエダさんに押されて、受付の前に来ていた。
「1回1万円です。1人1日3回まで出来ます。何回やりますか?」
「え~と、じゃあ3回で」
「判りました。ではカードをこのテーブルの上に置いて下さい。
置きましたら、このレバーを時計回りに3回、回して下さい」
言われた通りにカードを置き、レバーを回す。
ギアの仕組みなのか、この小さいレバーで巨大なガラガラが回っていく。
3回回すと、巨大ガラガラがようやく1回転して、直径10cmくらいの玉を吐き出した。
よく見れば『カプセル』じゃないか! 本当にガチャだな!
手元まで転がってきたので開けてみると、中には紙が入っていた。
その紙には何かが書いてある。
「鋼の剣? って書いてあるんですけど?」
俺がそう言った瞬間、店員さんは突然ハンドベルをガランガランと鳴らしだした!
「鋼の剣! 大~当たり~~!!!」
「俺は福田です。よろしくお願いしますね」
「兄ちゃん、かてぇな~! 見た所、似たような年じゃねぇか! 敬語なんか無し無し!!」
「そう? じゃ、改めてよろしく!」
「おうよ!!」
乗せてくれたウエダさんは気のいい人だ。
ちょっとバカっぽいけどね……。
剣を持って馬車を止める男を簡単に信用するのはどうかと思う。
その事を聞いたら、「この辺は騎士が巡回していて、盗賊なんか出ねぇんだ!」と言っていた。
どうやらアサイさんは、安全な場所に送ってくれたようだ。
方向は教えてくれなかったけどね……。
「兄ちゃんはカジノの町に何しに行くんだ? って当然ギャンブルか!」
「いやぁ、この辺は初めてなんでね。どんなギャンブルがあるの?」
「盛んなのはトランプだな。
他にはスロットマシーンやルーレットがあるぜ。
変わった所では、ガチャっていうくじ引きがあるぜ」
「ふ~ん。ウエダさんは何を?」
「俺か? 俺はトランプだな。ブラックジャックってやつだ」
「あっ、知ってる。21になればいいやつでしょ?」
「そうそう。これがなかなか奥が深いんだよな。
ま、カジノの町に行くんだ。ギャンブルをしない手はねぇぜ!」
「そうだな。ちょっとやってみようかな」
「お、そうかい! じゃあ俺が案内してやるよ!
案外ビギナーズラックってやつで勝てるかもよ?」
「ははは、どうだろうね?」
はぐらかしておいたが、多分勝てる。
他の人よりも運が高いんだもん、ある意味インチキだけど。
ウエダさんとバカ話をしているとカジノの町に到着した。
本当に町の名前が「カジノ」!
高い壁に囲まれているのに、出入り口は小さい扉だけだった。
身分証とか持ってないのに、簡単に入る事が出来た。
「出る時の審査が厳しい」とウエダさんに教えてもらった。
町中が煌びやかで、ラスベガスのようだ。(行った事は無いけど)
俺はウエダさんと共に、馬車置き場へ。
そこには鉄格子付きの受付があって、その中では女の人が働いている。
「兄ちゃんよ、覚えとけよ。ここでお金をカードと交換するんだ。
この町では現金はほとんど使えないからな」
「えっ、メシ食うのも宿も?」
「泊まった事ねぇから宿は知らねぇけど、飯屋も全部カードだ」
「それで大丈夫なの?」
「あぁ。俺も最初は驚いたけどな。カードに『持ち主認証』ってのが付くんだとよ。
だからカードを盗んでも他人には使えないらしいぜ。
そのカードにお金が入っているから、大金当てても持ち歩かなくて楽なんだとよ」
クレジットカードかな? いや、電子マネーとかデビットカードっぽいね。
口座にお金があれば使えるやつ。
たしかに便利だろうけど、現金が見えないのでついつい使ってしまうのを狙ってるんじゃない?
そうしてる内にウエダさんは、もうカードを受け取っていた。
10万くらいでいいか。泊まる事になるだろうし、メシも食うし。
また後でチャージするにしても場所が判らないし面倒だ。
受付で現金を渡すと、水晶玉に触ってくださいと言われた。
2~3秒後にはカードが出来ていて、裏に名前を書くようにとペンを渡されたので書く。
これで完了だそうだ。
「おっ、カードも無事受け取ったな!」
「えっ? 受け取れない事ってあるの?」
「おう、ギャンブルでインチキした事のあるヤツはもらえないらしいぞ!」
「そうなんだ……。怖いな」
「初めてなんだろ? 大丈夫大丈夫!! ほら、行くぞ!」
「お、おう。えっと……どこに行くんだ?」
「兄ちゃんは初めてだから、判りやすいガチャに行くか?! どうだ?!」
「それでいいよ」
「よし、ついて来な!!」
それで連れてこられたのは、巨大なホールだった。
そこには直径2mくらいの福引きで使う『ガラガラ』があちこちに置いてある。
ガチャってコレ??
「ガチャには種類とランクがあってな。
武具・アイテム・便利な道具、の3種類がある。ガチャでは現金は当たらねぇぞ。
ランクっていうのは単純に、初心者・中級者・上級者の違いだ」
「なるほどね。俺は初心者だから、初心者用のしか出来ないんだな?」
「そういう事だ。まぁ、心配すんなよ。何度か来ればすぐに中級者用が出来るようになるって!」
「通うつもりはないんだけどな……」
「ハハハ、誰もが最初はそう言うんだよ! さあさあ、早速やろうじゃねぇか!」
「じゃ、じゃあ、武具のをしてみるか」
そこには冒険者っぽい格好の人ばかりだった。
よく見れば、冒険者に成り立てのような人から中堅くらいの人までいる。
誰もが一喜一憂しているので、見てるだけでもちょっと面白い。
そうしてるとウエダさんに押されて、受付の前に来ていた。
「1回1万円です。1人1日3回まで出来ます。何回やりますか?」
「え~と、じゃあ3回で」
「判りました。ではカードをこのテーブルの上に置いて下さい。
置きましたら、このレバーを時計回りに3回、回して下さい」
言われた通りにカードを置き、レバーを回す。
ギアの仕組みなのか、この小さいレバーで巨大なガラガラが回っていく。
3回回すと、巨大ガラガラがようやく1回転して、直径10cmくらいの玉を吐き出した。
よく見れば『カプセル』じゃないか! 本当にガチャだな!
手元まで転がってきたので開けてみると、中には紙が入っていた。
その紙には何かが書いてある。
「鋼の剣? って書いてあるんですけど?」
俺がそう言った瞬間、店員さんは突然ハンドベルをガランガランと鳴らしだした!
「鋼の剣! 大~当たり~~!!!」
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