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Chapter4「命の針が止まるまで」
#1
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意識が戻った時、誰かが僕のことを覗き込んでいた。長い眠りに付いていたのか、目蓋がなかなか開かない。しかし木漏れ日の温かな光を感じるように、そこに誰かがいることは分かる。
その感覚が過去の記憶の一つと重なった。
まだ僕が幼稚園児くらいだった頃、突然高熱を出した時に両親が付きっ切りで看病してくれたことがあった。熱冷ましのシートをはり替えてくれたり、温かいお粥を食べさせてくれたり、子供ながらにそこまでしなくてもいいのに……とぼんやりとした意識のなか思っていたものだ。それでも身体の熱と同じくらい、心も温かくなっていた。
自分が辛い状況にあるとき、誰かに心配してもらえるというのは、いつになっても自分の存在を認めてもらえるようで嬉しいものだ。家族なのだから心配してもらえて当たり前という常識が通用しないことは、両親の姉に対する接し方で自ら学んでいた。
だからこそこの日を振り返った時、両親がくれた優しさは一般的な家庭の温かさとは違い、僕を優秀な人間に育てるための愛情に過ぎなかったのではないかと思うこともある。
あの一件があってもなお、僕は両親を見捨てられずにいる。姉は必然だったのだから気にする必要はないと言っていたが、僕の行動次第によっては二人を救えたのではないかと今でも思う。もっと僕が優秀だったら、もっと僕が寄り添えていたら、もっと僕が上手く生きられたら。
涙腺が刺激されて目に潤いが宿る。硬く結ばれていた目蓋が少しずつ開いていく。ようやく視界が晴れて色が付いた。そこに居たのが姉であることが分かり、僕は安堵して深く息を吐く。
「おはよう」
姉の声は春の陽気のように優しかった。雪解けから顔を覗かせた植物のように僕もおはようと呟く。姉が微笑んだ。
「ちょっと待っててね」
何処かへ向かう姉の後ろ姿が遠ざかり見えなくなる。
徐々に覚醒していく意識と共に、僕は視線だけを揺らした。
自分が今置かれている状況はすぐに理解することができた。事故の瞬間はもちろん、思い付く限りの過去の記憶に欠陥は見当たらない。身体を動かしてみると、下半身に重い痛みを感じた。かけられていた布団を浮かせて見てみると、右足の付け根から膝までに分厚いギブスのようなものが巻かれている。その見た目はとても物騒で後遺症が残るものなのではないかと心配になる。
程なくして医師と思わしき人がやってきた。その後ろには見守るように姉が立っている。姉が呼んできてくれたのだろう。
記憶の有無、痛みの状態など幾つかの項目を確認されて答えると、「リハビリを経て一ヶ月ほどで退院できるでしょう。お大事に」と言って医師は去っていった。
一度は死を覚悟した人間が受ける説明としてはあまりにも短い時間だったので(もっともそれは僕が勝手に悲劇のシナリオを浮かべていただけだったが)、状況を理解するのに幾ばくか思考の整理を要した。しかしすぐに僕は現実として受け入れることができた。幸運にも最悪の事態を回避できて、ユウにまた会えるのだと。
そうだ、ユウは――と喉元まで声が出かかった時、再び姉が僕の元まで歩み寄り、近くにあった椅子に座った。
「コウタが無事で良かったよ」
呟く姉の瞳が揺らめいている。映した僕の目にも再び滲むものを感じながら頷いた。
「連絡を受けた時はさすがにびっくりしたけどね。相手の声から察するに、もしものことも考えたよ。でも良かった、本当に」
「心配かけてごめん……」
と言ってから、姉があの日恋人とデートを交わしていたことを思い出す。
「姉ちゃんの好きな人は……?」
「うん?」
「二人にとって大切な日だったのに僕のせいで……」
「ああ、そのことね! ううん、彼が病院まで送ってくれたんだよ。嬉しかったな、私。彼の優しい一面が見られて」
姉は気を遣ってくれているが、一年に一度しかない大切な日を壊してしまった事実は変えられない。今度、会える機会を作ってもらい謝罪しようと心のメモ帳に書き留めた時、姉が逡巡した様子で言った。
「あ、そうそう。もし触れてほしくなかったら黙ってていいんだけどさ……。その、英莉さんっていう方が来てたんだけど……」
「そうだったんだ。後で連絡してお礼を言っておくよ。仕事についても連絡入れなくちゃな」
どこか温度差を感じながら重ねた会話に、姉が「いやいやそうじゃなくて」とたまらずと言った様子で僕に詰め寄る。
「それより、その人とは一体どういう関係性?」
「関係性……? 姉ちゃんも知ってるはずだよ。ほら、いつも職場でお世話になってる小柴農園の一人娘さん」
数秒ほど固まっていた姉の顔が、納得というように変わった。
「なーんだ! もう早く言ってよね!」
バシッと姉に足をはたかれた僕は軽い悲鳴を上げる。波打つ痛みに堪えていると姉が申し訳なさそうに、だけど苦笑して言った。
「あ、ごめんごめん。てっきり浮気してるのかと思っちゃったよ」
「まさか。もしそんなことがあったら、今みたいに遠慮なくどついてくれていいよ」
「ごめんって。でも本当にそうする。ユウちゃんとも会ったけど、すごく良い子だったから」
「そうなんだよ、ユウは……え?! ユウも来てくれていたのか?!」
「だってユウちゃんが私を呼んでくれたんだよ」
おぼろげに事故に遭ったときの映像が思い浮かぶ。ユウが駆けつけてくれた時、既に視覚と聴覚はまともに機能していなかったが、僕の名前を叫んで泣いているユウの姿だけは鮮明に記憶として残っている。
「ユウちゃん、とっても良い子だね」
「ああ、そうなんだ。彼女は本当にすごい人なんだ。最初から僕と出会うような……いや、同じ世界で生きるような人じゃないくらいに」
「でも、コウタがユウちゃんを助けてあげたこともあったんでしょ?」
「あった……のかもしれない。だけどそれは元々持っていたユウの魅力を教えただけなんだ。僕の力は何もないんだよ」
あのね、と姉が一度会話を区切って息を吸い直した。そこから数分に渡り語られた姉の言葉は、今も僕の心に深く刻まれていて時折思い出すことがある。
――人間そんなものだよ。完璧に見える人も心のどこかでは悩みを抱えている。それに同じ悩みでも痛みの度合いや種類だって変わってくるから、みんなに同じ答えを返せばいいってものじゃない。ちゃんとその人を見て理解してあげないと、どんなに綺麗な形の言葉や行動も心に届く前に壊れてしまう。
きっとユウちゃんはね、コウタに救われたって思ってるよ。ユウちゃんが何気なくしてくれたことをコウタが特別だと感じるように、コウタが何でもない普通のことだと思ってることも、ユウちゃんにとっては特別なことに感じているんだよ。互いにそう思い合えることってなかなかないからさ、今の関係性を私は大事にしてほしいな。
コウタの苦手なことやできないことはユウちゃんに頼って、得意なことやできることはユウちゃんの手を取ってあげる。そうして助け合って生きていければ、二人で何だってできるようになるんだよ。
だから大丈夫、ユウちゃんはコウタのどんな想いも受け止めてくれるよ。真っすぐな気持ちに想いを込めたらね──。
姉もこうして大切な人に言葉をかけてもらったのだろうか。そして僕もまた今後誰かに伝えることがあるのかもしれない。そうやって言の葉が広がり心の一面を覆えたら、この世界はもっと優しくなれるのかもしれないなと僕は思った。
その感覚が過去の記憶の一つと重なった。
まだ僕が幼稚園児くらいだった頃、突然高熱を出した時に両親が付きっ切りで看病してくれたことがあった。熱冷ましのシートをはり替えてくれたり、温かいお粥を食べさせてくれたり、子供ながらにそこまでしなくてもいいのに……とぼんやりとした意識のなか思っていたものだ。それでも身体の熱と同じくらい、心も温かくなっていた。
自分が辛い状況にあるとき、誰かに心配してもらえるというのは、いつになっても自分の存在を認めてもらえるようで嬉しいものだ。家族なのだから心配してもらえて当たり前という常識が通用しないことは、両親の姉に対する接し方で自ら学んでいた。
だからこそこの日を振り返った時、両親がくれた優しさは一般的な家庭の温かさとは違い、僕を優秀な人間に育てるための愛情に過ぎなかったのではないかと思うこともある。
あの一件があってもなお、僕は両親を見捨てられずにいる。姉は必然だったのだから気にする必要はないと言っていたが、僕の行動次第によっては二人を救えたのではないかと今でも思う。もっと僕が優秀だったら、もっと僕が寄り添えていたら、もっと僕が上手く生きられたら。
涙腺が刺激されて目に潤いが宿る。硬く結ばれていた目蓋が少しずつ開いていく。ようやく視界が晴れて色が付いた。そこに居たのが姉であることが分かり、僕は安堵して深く息を吐く。
「おはよう」
姉の声は春の陽気のように優しかった。雪解けから顔を覗かせた植物のように僕もおはようと呟く。姉が微笑んだ。
「ちょっと待っててね」
何処かへ向かう姉の後ろ姿が遠ざかり見えなくなる。
徐々に覚醒していく意識と共に、僕は視線だけを揺らした。
自分が今置かれている状況はすぐに理解することができた。事故の瞬間はもちろん、思い付く限りの過去の記憶に欠陥は見当たらない。身体を動かしてみると、下半身に重い痛みを感じた。かけられていた布団を浮かせて見てみると、右足の付け根から膝までに分厚いギブスのようなものが巻かれている。その見た目はとても物騒で後遺症が残るものなのではないかと心配になる。
程なくして医師と思わしき人がやってきた。その後ろには見守るように姉が立っている。姉が呼んできてくれたのだろう。
記憶の有無、痛みの状態など幾つかの項目を確認されて答えると、「リハビリを経て一ヶ月ほどで退院できるでしょう。お大事に」と言って医師は去っていった。
一度は死を覚悟した人間が受ける説明としてはあまりにも短い時間だったので(もっともそれは僕が勝手に悲劇のシナリオを浮かべていただけだったが)、状況を理解するのに幾ばくか思考の整理を要した。しかしすぐに僕は現実として受け入れることができた。幸運にも最悪の事態を回避できて、ユウにまた会えるのだと。
そうだ、ユウは――と喉元まで声が出かかった時、再び姉が僕の元まで歩み寄り、近くにあった椅子に座った。
「コウタが無事で良かったよ」
呟く姉の瞳が揺らめいている。映した僕の目にも再び滲むものを感じながら頷いた。
「連絡を受けた時はさすがにびっくりしたけどね。相手の声から察するに、もしものことも考えたよ。でも良かった、本当に」
「心配かけてごめん……」
と言ってから、姉があの日恋人とデートを交わしていたことを思い出す。
「姉ちゃんの好きな人は……?」
「うん?」
「二人にとって大切な日だったのに僕のせいで……」
「ああ、そのことね! ううん、彼が病院まで送ってくれたんだよ。嬉しかったな、私。彼の優しい一面が見られて」
姉は気を遣ってくれているが、一年に一度しかない大切な日を壊してしまった事実は変えられない。今度、会える機会を作ってもらい謝罪しようと心のメモ帳に書き留めた時、姉が逡巡した様子で言った。
「あ、そうそう。もし触れてほしくなかったら黙ってていいんだけどさ……。その、英莉さんっていう方が来てたんだけど……」
「そうだったんだ。後で連絡してお礼を言っておくよ。仕事についても連絡入れなくちゃな」
どこか温度差を感じながら重ねた会話に、姉が「いやいやそうじゃなくて」とたまらずと言った様子で僕に詰め寄る。
「それより、その人とは一体どういう関係性?」
「関係性……? 姉ちゃんも知ってるはずだよ。ほら、いつも職場でお世話になってる小柴農園の一人娘さん」
数秒ほど固まっていた姉の顔が、納得というように変わった。
「なーんだ! もう早く言ってよね!」
バシッと姉に足をはたかれた僕は軽い悲鳴を上げる。波打つ痛みに堪えていると姉が申し訳なさそうに、だけど苦笑して言った。
「あ、ごめんごめん。てっきり浮気してるのかと思っちゃったよ」
「まさか。もしそんなことがあったら、今みたいに遠慮なくどついてくれていいよ」
「ごめんって。でも本当にそうする。ユウちゃんとも会ったけど、すごく良い子だったから」
「そうなんだよ、ユウは……え?! ユウも来てくれていたのか?!」
「だってユウちゃんが私を呼んでくれたんだよ」
おぼろげに事故に遭ったときの映像が思い浮かぶ。ユウが駆けつけてくれた時、既に視覚と聴覚はまともに機能していなかったが、僕の名前を叫んで泣いているユウの姿だけは鮮明に記憶として残っている。
「ユウちゃん、とっても良い子だね」
「ああ、そうなんだ。彼女は本当にすごい人なんだ。最初から僕と出会うような……いや、同じ世界で生きるような人じゃないくらいに」
「でも、コウタがユウちゃんを助けてあげたこともあったんでしょ?」
「あった……のかもしれない。だけどそれは元々持っていたユウの魅力を教えただけなんだ。僕の力は何もないんだよ」
あのね、と姉が一度会話を区切って息を吸い直した。そこから数分に渡り語られた姉の言葉は、今も僕の心に深く刻まれていて時折思い出すことがある。
――人間そんなものだよ。完璧に見える人も心のどこかでは悩みを抱えている。それに同じ悩みでも痛みの度合いや種類だって変わってくるから、みんなに同じ答えを返せばいいってものじゃない。ちゃんとその人を見て理解してあげないと、どんなに綺麗な形の言葉や行動も心に届く前に壊れてしまう。
きっとユウちゃんはね、コウタに救われたって思ってるよ。ユウちゃんが何気なくしてくれたことをコウタが特別だと感じるように、コウタが何でもない普通のことだと思ってることも、ユウちゃんにとっては特別なことに感じているんだよ。互いにそう思い合えることってなかなかないからさ、今の関係性を私は大事にしてほしいな。
コウタの苦手なことやできないことはユウちゃんに頼って、得意なことやできることはユウちゃんの手を取ってあげる。そうして助け合って生きていければ、二人で何だってできるようになるんだよ。
だから大丈夫、ユウちゃんはコウタのどんな想いも受け止めてくれるよ。真っすぐな気持ちに想いを込めたらね──。
姉もこうして大切な人に言葉をかけてもらったのだろうか。そして僕もまた今後誰かに伝えることがあるのかもしれない。そうやって言の葉が広がり心の一面を覆えたら、この世界はもっと優しくなれるのかもしれないなと僕は思った。
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