王様とメイド

立花すずな

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21 シェフ~前編~

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 今日は清々しい朝です。私、オリヴィアは、今洗濯をしています。


 「そういえばアンドレア様の服、めんどくさかったけど洗濯したなぁ。次の日、生乾きのコート着てたなぁ。ほんとにウケたw」
 オリヴィアは、家事中、暇さえあれば独り言を言っています。



 「おい」

 「へい?」

 後ろを振り向くとアンドレアがいた。
 

 「ぬぉぉぉぉぉぉ!?」

 「独り言を言ってて気づかなかった!」

 「そうだな。というか今日は何の日だ?」少し引き目で言う。


 「え。知りません」

 「ったく…」やれやれと言いながらアンドレアは言う。



 「今日はシェフが来る日だろ」





 「忘れてたぁぁぁぁぁ!」
 オリヴィアは、干そうと思っていたアンドレアのシャツを地面に叩きつける。

 「いやそれ俺のシャツ…!」

 「私!準備しないと!歓迎会の!!」
 「いや、分かってるけど…」


 「アンドレア様悪いんですけど、そこのかごの中の洗濯物、全部干してください!あとその地面のヤツも!!」
 オリヴィアは、急いで中庭を出ていった。


 「いや全部俺のやつ。まぁ?自分の事は自分でやれって言うしな…」
 ちょぼちょぼアンドレアは干していくのであった…。



 「よしできた!」時刻はお昼。
 オリヴィアは、キッチンでケーキを作っていた。


 「シェフを呼んだけど、料理をしないわけじゃないんだからね。ただ忙しいだけだから」
 そう言いながら、晩御飯を作っていく。


 「決して、ほんと料理を作れないわけじゃないから。晩御飯を作って?見本見せるみたいな?こんなのお前も作れよ的な?」


 「ま~た独り言か」
 「はいはい、そうですよ。ていうか、もうすぐで来ますよね?」
 「あぁ。15分くらいかな」


〇〇〇

 バン!と玄関の扉が開く。

 「みぃ~なさ~~ん!!」とビブラートをかけながら言う。

 その声を聞いたオリヴィアは「はーい!」と言って走っていく。その後に続きアンドレアも歩いていく。



 「どうもこんにちは。お初にお目にかかります。今日からお世話になる、シェフのルシアです。宜しくお願い致します」ルシアは深く礼をした。

 「あぁよろしく」アンドレアが言う。

 「よろしくお願いいたします!」オリヴィアは笑顔で言った。





 ルシアはダイニングに連れていかれた。

 席に座り、改めて自己紹介する。


 「改めてこんにちは。ルシア=ホフシュナイダーと申します。ルシアとお呼び下さい」

 「そうか。俺はアンドレアだ」
 「勿論存じております」


 「私はオリヴィアです!」
 「はい、知っています。そういえば料理ができないのですか?」

 「何をぉ⁉できますよ!!!!忙しいから頼んだだけですぅ!今から料理出しますよ。私の実力を侮るなよ⁉」


 「おい、こいつの料理はうまいぞ?下手じゃない。本当に忙しいんだ。ここはコイツ以外にメイドも執事もいないからな」
 「そうですね。申し訳ありません」

 オリヴィアのルシアの第一印象は嫌みなヤツだった。




 そうしてオリヴィアの料理とケーキをルシアたちは食べた。

 食べる直前までバカにしていたルシアは、
 「申し訳ない。うまいよ、うまいよ!!!」と言った。

 一番嬉しいのはオリヴィアだが、アンドレアも嬉しそうにしていた。

 「だろう?」
 「でしょでしょ!!」

 「はい!とっても」
 オリヴィアはえっへん<(`^´)>と胸張った。

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