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12-1 戦い
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戦いが始まるのならば、私は沢山の仕事をしなければいけません。国の戦争に行けない女性たちと。
この国の女性は、とにかく軍の身の回りの世話をします。ケガをしたら治すのは私たちです。だから大忙しです。
でも勝って、喜ぶ皆の姿を想像すると、疲労なんて吹っ飛んでしまうのです。
子供たちのお母さんたちは、軍の世話をしているので、子供たちも、それを手伝います。
国民全員が戦いに参加する。言わば総力戦なのです。
城には女子供が集まってきて、何からやろうか、と言っています。
戦争中の食事を作る者。武器を作る者、等々グループに分かれて、戦争の準備をします。
因みに、わたくしオリヴィアは食事担当です!
「オリヴィアちゃんの料理は世界一だからねぇ」と同じグループの、街で大きな食堂を営んでいる、ロウラさんから言われます。
世界一ではありませんが、料理を作る仕事をしている方から褒めていただけるのは、やはり嬉しいことです。
「国のために、みなさん頑張りましょうね!」
「はい!!!!」女子供の元気な声が城中をこだまする。
〇〇〇
「お、来たか?」アンドレアは城の屋上からゾフィエ軍を観察していた。
「そろそろ来ますので、準備をしましょう」と大佐が言う。
「あぁ。楽しみだな」
「出てこいアンドレア!私たちはお前の首をとるためにここにきた!」
あたりはだんだんと暗くなる夕方。ジャーロと思わしき声が外から聞こえてきました。
国民は全員、背筋がピシッとし、その後の言葉を待ちます。
「ふっ、出てこないのか?やはり器の小さき男。姿を現すのも怖気づいてできないのか!」と嘲笑してきた。ワハハッ、とあたりに軍の笑う声が聞こえてくる。
私は腹が立ち、机を叩きそうになる。それをロウラさんが止める。
「大丈夫よ。後でこんなこと、恥ずかしくて言えなくなるんだから。ね?今はアンドレア様を信じましょう」優しく言われ、「はい、そうですね!」そう言うしかなかった。
「なんだ。やかましいな。お前は大きな声を出すことしかできないのか。時には冷静に物事をいえばよいのに。子供のようだな」と屋上から姿を現すはアンドレア。
「子供なのはお前だろう。なんだ、ずっと怖くて屋上に隠れていたのか?」と言う。
「違うさ、分かるか?時に様子をうかがうことも必要だぞ?」
「わかったわかった。子供なのは!」
そう言うと軍隊が一斉に笑う。お腹を叩く者。踊るような行為をする者。あからさまに笑いながらメンチを切ってくる者。
その様子を見て、ごめん、流石に何かあちらが言う度に軍隊が笑うのはやばいわ。そう、言うようにしつけられてるの? と、女子供は正直引いた。
「俺はお前を見たくないんだ。さっさと失せな」
「何を言っているんだよ兄さん。折角ここまで来たんだ。話し合おうよ」
「何が兄さんだ。話し合う?お前はそんなものを望んでいるのか。笑わせる」
いやさっさと話し合えよ。 と女子供は思う。
「対話をすれば多少戦いも、範囲が狭まるのでは?」とオリヴィアが言う。
すると、「アンドレア様がそんなことすると思う?ましてやあのジャーロとかいうやつ、バカそうで頑固そうだし、問いかけに上手く応じないんじゃない」と声が。
・・・・いやどこぉ!?
あたりを見回すと、いた。小さな背で、頭の良さそうな顔をした少年を。いかにも生意気そうだ。
「…そうかなぁ?」と赤ん坊に話しかけるように言うと、「やめてよ。僕をバカにしないで。僕は人を観察できる能力があるんだ」と言う。
メガネをクイッと上げ、エリート風を装っている。
いや、それただの人間観察じゃん。大体の人がやってるやつじゃん。能力とか、普通にしてても大体、人の性格とか分るじゃん。 と少年以外の女子供は思うのであった。
この国の女性は、とにかく軍の身の回りの世話をします。ケガをしたら治すのは私たちです。だから大忙しです。
でも勝って、喜ぶ皆の姿を想像すると、疲労なんて吹っ飛んでしまうのです。
子供たちのお母さんたちは、軍の世話をしているので、子供たちも、それを手伝います。
国民全員が戦いに参加する。言わば総力戦なのです。
城には女子供が集まってきて、何からやろうか、と言っています。
戦争中の食事を作る者。武器を作る者、等々グループに分かれて、戦争の準備をします。
因みに、わたくしオリヴィアは食事担当です!
「オリヴィアちゃんの料理は世界一だからねぇ」と同じグループの、街で大きな食堂を営んでいる、ロウラさんから言われます。
世界一ではありませんが、料理を作る仕事をしている方から褒めていただけるのは、やはり嬉しいことです。
「国のために、みなさん頑張りましょうね!」
「はい!!!!」女子供の元気な声が城中をこだまする。
〇〇〇
「お、来たか?」アンドレアは城の屋上からゾフィエ軍を観察していた。
「そろそろ来ますので、準備をしましょう」と大佐が言う。
「あぁ。楽しみだな」
「出てこいアンドレア!私たちはお前の首をとるためにここにきた!」
あたりはだんだんと暗くなる夕方。ジャーロと思わしき声が外から聞こえてきました。
国民は全員、背筋がピシッとし、その後の言葉を待ちます。
「ふっ、出てこないのか?やはり器の小さき男。姿を現すのも怖気づいてできないのか!」と嘲笑してきた。ワハハッ、とあたりに軍の笑う声が聞こえてくる。
私は腹が立ち、机を叩きそうになる。それをロウラさんが止める。
「大丈夫よ。後でこんなこと、恥ずかしくて言えなくなるんだから。ね?今はアンドレア様を信じましょう」優しく言われ、「はい、そうですね!」そう言うしかなかった。
「なんだ。やかましいな。お前は大きな声を出すことしかできないのか。時には冷静に物事をいえばよいのに。子供のようだな」と屋上から姿を現すはアンドレア。
「子供なのはお前だろう。なんだ、ずっと怖くて屋上に隠れていたのか?」と言う。
「違うさ、分かるか?時に様子をうかがうことも必要だぞ?」
「わかったわかった。子供なのは!」
そう言うと軍隊が一斉に笑う。お腹を叩く者。踊るような行為をする者。あからさまに笑いながらメンチを切ってくる者。
その様子を見て、ごめん、流石に何かあちらが言う度に軍隊が笑うのはやばいわ。そう、言うようにしつけられてるの? と、女子供は正直引いた。
「俺はお前を見たくないんだ。さっさと失せな」
「何を言っているんだよ兄さん。折角ここまで来たんだ。話し合おうよ」
「何が兄さんだ。話し合う?お前はそんなものを望んでいるのか。笑わせる」
いやさっさと話し合えよ。 と女子供は思う。
「対話をすれば多少戦いも、範囲が狭まるのでは?」とオリヴィアが言う。
すると、「アンドレア様がそんなことすると思う?ましてやあのジャーロとかいうやつ、バカそうで頑固そうだし、問いかけに上手く応じないんじゃない」と声が。
・・・・いやどこぉ!?
あたりを見回すと、いた。小さな背で、頭の良さそうな顔をした少年を。いかにも生意気そうだ。
「…そうかなぁ?」と赤ん坊に話しかけるように言うと、「やめてよ。僕をバカにしないで。僕は人を観察できる能力があるんだ」と言う。
メガネをクイッと上げ、エリート風を装っている。
いや、それただの人間観察じゃん。大体の人がやってるやつじゃん。能力とか、普通にしてても大体、人の性格とか分るじゃん。 と少年以外の女子供は思うのであった。
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