王様とメイド

立花すずな

文字の大きさ
上 下
50 / 55

番外編  【寒い話:オリヴィア】

しおりを挟む
 私はここ一か月、毎夜とてつもない寒気を感じていました。

 寝ようとすると、寒気を感じる。

 やっと眠れたと思ったら、寒気を感じ、真夜中に起きてしまう。

 そんな生活を続けていました。

 何か見てはいけないものがいるのではないか?

 窓が開いている?ドアが開いている?暖房が壊れたのかしら…。

 私は明かりをつけて、部屋を見渡します。

 …何もおかしいところはない。

 そして私はある夜、やっと寒気の正体に気付くのです。


 …寒気を感じ、私は右手で左腕をさすりました。

 「…あれ?」

 長袖じゃない。

 太ももを触りました。

 長ズボンじゃない。

 パンツは…


 履いてない!!

 そう!私は、全裸だったのです!真っ裸で、毎夜眠っていたのです!!


 そりゃあ、寒くて起きるわけだ。私は暗い部屋で一人、深く頷きました。


 それから私は、服をしっかり着て、寝ています。

 そのおかげか、寒気を感じ、起きてしまう事はなくなりました(⌒∇⌒)。




〇〇〇

 「いや、服着ないで寝ることなんてあるんですか」ルシアが言う。

 「本当だ。あり得ない」アンドレアが、紅茶をすすりながら言う。
 

 「その時は、変な夢でも見ていたのでは?…例えば、アンドレア様に…」ルシアがニヤニヤしながら言う。

 「なっ!何を言うんですか!」

 「そうか。…ならこれから寒気を感じたり、怖い夢をみたなら、夜這いすればいい。待っているから」

 「ちょっ、変な話になっちゃったじゃん!」

 そんなオリヴィアを二人は微笑んでみていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?

四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。 もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。  ◆ 十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。 彼女が向かったのは神社。 その鳥居をくぐると――?

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

処理中です...