王様とメイド

立花すずな

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26-2 テレビ局が来た!

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「あ、もしもし、侍放送さんですか?いやあ、どうも。テレビの取材なんかね~あははは」

 翌朝アンドレアは早速、例のテレビ局に電話をかけていた。

 『えーと、何語…?キャンユースピークイングリッシュ?』

 「Yes。Can you speak Italy?」
 アンドレアは英語でそう言った。日本人も英語くらいは分かるだろう、と。因みにアレッサンドロはイタリア語が公用語である。

 『あ、イタリア語、これ?……担当のものを連れてきます。少々お待ちを』
 すると、テレテ~♪と音楽が流れ始めた。オルゴールの音だ。


 「何だ、この音は。というか声が聞こえなくなったぞ」
 アンドレアは、隣に立っているオリヴィアとルシアに言う。

 「アンドレア様。日本では電話に『保留ボタン』というものがあるそうですよ。大学の友人が言っていました」

 「…なに?そんなにすごい機能が日本にはあるのか。俺の電話は『切るボタン』しかないのに」

 「それはあなたの勝手です」オリヴィアが冷たく言い放つ。

 
 『お待たせしました~』イタリア語で話す声が聞こえてきた。

 「お、やっと声が聞こえた。待っていたぞ」

 『さて、先日お送りした手紙ですが…。そのことですよね?』

 「あぁ。良いだろう、受けてやる」

 なぜいつも上からなのだろう、と二人は恥ずかしく思う。

 『そうですか!ありがとうございます!早速日程ですが…』

 「待て」

 『はい』

 「ただし、条件がある」

 『条件、ですか。できる範囲ならさせていただきます』

 「日本刀を持ってこい。何兆ででも買ってやるから」

 『日本刀……あぁ、日本刀!分かりました。もしかしてお好きなんですか?』

 「あぁ。切れ味が良いからな。こっちにはほぼない」

 『そうですよね、カッコいいですよね。分かりました、では持っていきます。代金は頂戴しません。3人いらっしゃるのですよね、3刀持っていきます。とっておきのをね!』

 「そうか。ならば受けよう。日はいつでもいい」

 『分かりました。近々お伺いに行きます。よろしくお願いします』

 電話を終えたアンドレアは、
 「3刀持ってきてくれるらしい」と言った。

 「そうですか!日本で流行りのチャンバラごっこ、というものをやろ!」とオリヴィアははしゃいでいる。

 「じゃあ私はそれでリンゴを…」

 「「いや、ないない」」と二人にあっさり、言葉という刀で切られたルシアだった。

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