Xmas・nighT

鳴神月

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恋は盲目っていうじゃない?

ー腹ごしらえも終わった事やしー

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 よく安永と来るハンバーガー屋にやって来た。店内に入って寂しく安永が食べとらんか確認する。チッ…居たら散々バカにしたんのに…。


「栞は何食べる?」


優君も誰かを探しとったみたいやけど、おらんだんかな…?


「あ、私メガ……じゃなくて!!め、目玉焼きバーガーで」


あっぶな!?いつものクセでメガバーガー頼むとこやった…安永にはいつも食い過ぎ言われてるからな…。優君に引かれたら困るし


「じゃあ目玉焼きバーガーのセットと…」


「お客様!!本日限定の聖夜のクリスマスバーガーセットがありますが!!どうでしょう!!」


聖夜のクリスマスバーガーセット!?な、なんやそのウチの心をくすぐる名前のセット…。気になる…でも…高いやろし…優君も食べたい事を祈ろ…


「…じゃあそれで」


来た!!やった!!ウチの念が通じたんやな!!クリスマスバーガーセット…ごっつ気になるやん…!!


「お飲み物をお伺いします」


ウチはレモンティー、優君はコーラを注文した。値段を見てびっくりしたわ。二千円もするやん。ファーストフード店やのに…うー…優君ごめん…


「高い?それはクリスマスだから…」


やかましいわ店員。その口車に乗ったウチが悪いんやけど…。少ししたら照り焼きバーガーと目玉焼きバーガーのセットに二人で食べるには充分な大きさのケーキが付いてきた。こ、これがクリスマスバーガーセットか…!!


「何処で食べる?」


何処かにいい席…あ、あそこええやん。二人きりって感じやし。ウチが走ったら優君も着いてきてくれた。当たり前やねんけど…。向かい合って座ったから目の前に優君居る…。


「えへへ…。何だかこういうの…ちょっと恥ずかしいね」


本当に恥ずかしいねん…。正直優君かっこいいから直視出来んし…。なんて事考えとったら優君がハンバーガー渡して来てくれた。


「あ、ごめん。私ポテトから食べたい人なんだ」


気を遣ってくれたのにごめん優君…。ちなみにウチポテトは手で触ったら指コッテコテになるからポテトの入れもん掴んでそのままちょっとずつ口に入れるタイプやねん。ガサツっぽいから手で食べるけど…うー…汚れる…


「いただきます優君」


安永相手なら「ウチの為にご苦労」とか言うけど、相手は優君やからね。













 こ、この後どうすんねやろ…。クリスマスに男女二人っきりって言ったら…ほ、保健体育の実技やんな…!?


「ね、ねぇ…こ、この後は…どうする…ん…?」


うわぁぁぁ!!う、ウチから誘うとかはしたなかったか!!い、いや!!まだ誘っとらん!!セーフや!!


「し、栞が良いなら…ほ、ホテルにでも…?」

 
誘われたぁぁぁぁ!!こ、こんなイケメンに…う、ウチの初めてを…!!


「わ、わわわ、わ、わ、分かった…です…」


すっごい恥ずかしい…。絶対ウチ顔赤なってるやん…


「な、なな、なら!!は、早く食べよ!!」


うぅ…早く食べよじゃはしたないわ…そういう女の子や思われてないかな…心配や…
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