Xmas・nighT

鳴神月

文字の大きさ
上 下
3 / 12
恋は盲目っていうじゃない?

ーナンパ成功…?ー

しおりを挟む
 ゲーセンに向かう途中…俺は…今までで一番可愛い女の子に出会った。こんなに可愛い子が居るなんて思いもしなかった…。花村に見せて『これが本当の可愛い女の子だ』と言ってやりたい。


もしかしたら…彼氏持ちかもしれないが…人生で一番の勇気を振り絞ってナンパするべきか…いやはやしかし…。


よし!!ゆっくり近付いてそーっと声を掛けよう…心無しか向こうも俺の方に向かって来てる気が…いやそれは無いな。自然な感じで行け俺…!!


「「あのっ!!」」


思考回路が停止した。え?今ハモった…?つまり向こうも俺に声を掛けようと?いやいや…えっ?


「「えっと…」」


きぇえぇぇぇぇ!!ハモったぁぁぁあぁあぁ!!ど、どうする!?譲るべきか!?えぇおい!?


「えっと…お…ぼ、僕に何か用ですか?」


これは来た!!超紳士!!やべぇ自分に惚れそう…って馬鹿な事考えてないで…


「あ、えっと…ひ、一人かなぁ…って…」


いぇぇぇぇぇす!!一人!!ぼっち!!こんなにぼっちが嬉しい事はこの先絶対ねぇぇぇぇえ!!


「う、うん。君は…?」


がっつくな俺…紳士に…紳士に行動しろ…お前は煩悩と同じ数のギャルゲーをクリアしたはずだ。俺なら出来る…!!


「う、うち…じゃなくて…私も1人で…い、一緒にクリスマス…「も、もちろんです!!」


ってしまったァァァ!!焦り過ぎて聞かれる前に答えてしまったぁぁぁぁ!?


「あ、ありがとうございます。えっと…ど、どこ行きましょう」

 
よ、よーし!!引かれてない?ぞ…。落ち着け俺…紳士にな…!!


「こ、こんな時間ですけど…お食事の方は…?」


お食事!!そんな丁寧な言い方生まれてこの方使った事無いわ!!大体メシだわ!!


「ま、まだや…じゃなくて!!まだです!!」


俺は明日死ぬのかぁぁあ!?こ、こんなトントン拍子に話が進むなんて…。はっ!?まさかこの子…キャバ嬢!?こんな清楚なキャバ嬢ありかよ…いいぞもっとやれ!!じゃなくて…それとなく聞いてみよう…それとなく…


「えっと…もしかして…何処かのお店の人だったりします?」


何がそれとなくじゃボケぇぇぇ!!どストレートじゃねぇかぁぁぁ!!俺はジョーギブソンかゴルァァァ!!


「ち、ちゃうわ!!…えっと…わ、私まだ高校生ですから!!」


高校生!?まさか同い年か年下か年上?いや選択肢多いな!?


「そ、そうなんだ。凄く美人だからてっきり大学生かと…」


ギャルゲー奥義「それとなく褒める」はどうだ…!?


「び、美人だなんて…そんな…」


謙虚過ぎる!!なんだこの子超可愛いじゃねぇか!!


「えっと…何て呼べばいいですか?」


そ、そうか…デート?だもんな。呼び方…正直花村のせいで苗字で呼ばれるのが好かないし…名前でいいか。デート?だもんな


「お…ぼ、僕の事はすぐるって呼んで下さい」


個人的に俺じゃなくて僕なのはそっちの方が好感持てるかなとか思ってたり…俺のやったギャルゲー主人公も僕の方が多いし…


「す、優…君…。うん…優君ね」


改まって名前で呼ばれると恥ずかしいな…。俺ゲームとかでも主人公に自分の名前付けるタイプだから呼ばれなれてると思ってたけどやっぱ生は違いますよ!!


「う…わ、私の事はしおりって呼んでくれたら嬉しい…です…」


栞だって名前まで可愛い。やべぇ一目惚れかこれ。二次に大量に嫁を抱え込んでる俺にもリアルに春ですよー!


「す、優君!!私美味しいお店知ってるんだけど…」


あれ…この流れネットで見たぞ…?これアレじゃね?くっそ高い店に連れてかれて奢らされるアレじゃね?ハメられた!?くそったれぇ!!そりゃそうだ!!こんな可愛い子が女の子なわけなかったんだ!!


「ちょ…いきなり壁殴り出してどないしてん…大丈夫か?」


…くくく…いいだろう!!高い飯奢る代わりに性夜にしてやる!!俺のペガスス流星拳を受けるがいい!!って…


「どないしてん?」


今この子関西弁使った?関西弁にはロクな思い出がない。主に花村とか花村とか花村とか


「あっ…えっと…うち…普段はこの喋りやねんけど…あんまし受け良くないから…頑張って普通に…」


栞が使う分には清楚そうなギャップと裏腹にいいかもしれないけど如何せんサンプルが栞と花村だ。美少女とゴリラみたいな比較だからな…


「出来ればそのまま頑張って下さい」


すまない栞…。君が悪いわけじゃない…。君とは接点が一切無いであろう友達のせいで自分を押し殺すなんて…。ありのままの姿見せるのよ~って言った方が良かったかもだが…


「…頑張ります。じゃ、じゃあ行きましょう」


ぬぉぉおぉ!?シレッと腕組んできた!?大人の階段を二段飛ばしで登ってるかのよう!!だがここでテンションを上げてしまうのは二流!!クールに…クールに行くぜ…!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ヤンデレトナカイと落ちこぼれサンタクロースの十二月二十四日

橙乃紅瑚
恋愛
落ちこぼれと呼ばれるサンタクロースの女の子と、愛が重いトナカイの獣人が、子供の願いを叶えるために奮闘する話。 ※この小説は他サイトにも掲載しています。 ※表紙画像は「かんたん表紙メーカー」様にて作成しました。 ※性的描写が入る話には「★」をつけています。 (フリースペースに小ネタへのリンクを貼り付けています。よろしければ見てみてください!※ネタバレ有)

一夜の男

詩織
恋愛
ドラマとかの出来事かと思ってた。 まさか自分にもこんなことが起きるとは... そして相手の顔を見ることなく逃げたので、知ってる人かも全く知らない人かもわからない。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

処理中です...