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第一章 全ての始まり 『種族の集まる国 ガイア』
第二十七話『初めての実験part3』
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戴冠式が終わってから数日が経った。
式が終わるなり、大臣が色々と質問攻めにしてくるものだから本当に疲れた。
閑話休題
今は結婚式の準備の真っ只中だ。俺に手伝えることなどなにもないのだがな! ハッハッハ!
そんな訳で俺は結婚式の準備が終わるまでの間、王城の地下にある書庫にこもっていた。……そこで俺は一冊の本を見つけた。
「なんだこれ? 『魔王の書』だと……かなり古そうな本だな。それにやっぱりこの世界には魔王と呼ばれる者も存在するのか」
そう言ってから俺はその本を開いた。
「何々、魔王と呼ばれる者は魔族の国『グラシャ』を治める者の一家のことを指す。この魔王と呼ばれる者達は代々力が強く戦闘能力がとても高い。それに比較的、好戦的な性格をしている事が多い。もし、一国を統べる国王などになったのならば用心した方がいいだろう…………」
まるで俺に宛てられて書かれた本みたいだな。でもやっぱり魔王が攻めて来るなんて事がもしあったら大変だし、戦いに備えてもう少しダンジョンに潜ってレベルを上げておくかな。
…………………そういえば確かこの世界には魔法があったんだよな。今思い出した。なら魔法に関する本もあるか。
そう思い俺は魔法に関する本を探しだした。そしてしばらくすると目的の本が見つかった。
「お、あった。これだな。何々『魔法使いへの道 入門編』か。まあ、魔法を使った事のない俺には丁度いいな」
俺はそう言って本のページをめくった。
そこにはこう書かれていた。
───────────────────────
この世界には主に四種類の四大元素魔法とそれに光と闇の二種類の魔法。合わせて明暗魔法と言う。それに特別な存在の者が操るユニーク魔法がある。
四大元素魔法には『火』『水』『地』『風』があり、それらを組み合わせることにより新たな魔法を創り出す事もできる。ちなみに作者は水魔法から氷を創り出すことに成功した。詳しいことは『魔法使いへの道 混合魔法編』をどうぞ。
明暗魔法には光の属性を持つ『天明魔法』とその対となる闇の属性を持つ『獄暗魔法』がある。ちなみに回復系の魔法は全て天明魔法に含まれる。天明と、何かを掛け合わせて複合魔法みたいなものにすれば他のでも回復は可能かも?
ユニーク魔法は存在するものの、100万分の1ぐらいの確率で現れるので詳細は不明である。
魔法に最も大切なものはMPの量と創造力である。
どんな魔法にするのか、決定づけるのは最終的には創造力となる。
例えば先程の水魔法。
手から零れ落ちる感じのイメージで魔法を使うとそうなるし、逆に桶を倒したとき感じのイメージで使うとそうなる。術者の熟練度にもよるが。
なお、階級の高い魔法は呪文を必要とする物もある。
各地に設置されている転移魔法の道具は神から授かった物として今でもそれは言い継がれている。現在の魔法では再現不可である。
ここからは各魔法についてまとめる…………
───────────────────────
この世界の学者は凄いんだな。コンピューターのないこの世界で一つずつ手書きで記してある。
まぁそれはおいといて、
魔法凄いね! さらには魔法から魔法が創れるなんて! 浪漫だね! ハハッ!
───さて。俺の左手には先程の本で右手をフリーにします。
この本によると、基礎の魔法は適性がある者にはすぐ出来るとのこと。ここが室内ということを考慮して今回は風魔法を試してみたいと思いまーす!
「……適性がなかったら俺立ち上がれんな。絶対」
風魔法の初級魔法。つまり基礎は『リーフ』と唱えるだ。これはただの風を起こすだけのようだ。まぁ基礎中の基礎だろうな。
ほかには火魔法だと『ファイア』、水魔法だと『ウォーター』とかだ。それぞれ火が出たり水が出たりするだけ。
「さてと…いよいよ俺の初魔法! いくぞ、『リーフ!!』」
と唱えるとほんの少しだけ風が舞起こった。
「………しょぼ!!」
───俺の初魔法終了のお知らせ───
「orz」
俺は今日、生まれて初めて「オーアールゼット」と言って倒れたよ。
こんなのいつ使うんだよとか思ってたら今使いましたね。はい。
火魔法とか水魔法は今は使えないので、今度草原にでもいこ。仕事? シラナイシラナイ。
俺は更なる本を見つけるために先程の本をアイテムボックスに放り込んで歩いた。
「しっかし……無駄にデカいな。1日で回れるか? これ」
ちなみに大きさは通常サイズのコンビニ5つ分くらいある。天井も高い。ジャンプして手が届く訳もないくらいには高い。
「『勇者の冒険』『武器カタログ』『旨い料理をつくるには』『魔力操作』………ここは図書館かよ」
いいえ、書庫です。──とりあえず『魔力操作』に関する書物が気になるのでアイテムボックスに放り込む。
「ほっかにーはなーいっかなー♪」
誰も居ないので歌だって歌える。コンサート会場並に響くよ、ここ。空気が澄んでるのかな。埃とか被っててもおかしくないけど。
そうして本を探していると一際目立つ本を見つけた。何かオーラ的なのが出てそうな雰囲気だ。
「なんだこの本……タイトルは───」
「ユウ様ーー! 結婚式の準備が出来ましたよー!」
本を取りかけたら声をかけられた。スカーレットだ。準備が完了するの、思ったより早かったな。この本は気になるが、結婚式の方が先だ。
そう思い、本から手を引いて、階段を上がり結婚式の式場へ向かう。
式が終わるなり、大臣が色々と質問攻めにしてくるものだから本当に疲れた。
閑話休題
今は結婚式の準備の真っ只中だ。俺に手伝えることなどなにもないのだがな! ハッハッハ!
そんな訳で俺は結婚式の準備が終わるまでの間、王城の地下にある書庫にこもっていた。……そこで俺は一冊の本を見つけた。
「なんだこれ? 『魔王の書』だと……かなり古そうな本だな。それにやっぱりこの世界には魔王と呼ばれる者も存在するのか」
そう言ってから俺はその本を開いた。
「何々、魔王と呼ばれる者は魔族の国『グラシャ』を治める者の一家のことを指す。この魔王と呼ばれる者達は代々力が強く戦闘能力がとても高い。それに比較的、好戦的な性格をしている事が多い。もし、一国を統べる国王などになったのならば用心した方がいいだろう…………」
まるで俺に宛てられて書かれた本みたいだな。でもやっぱり魔王が攻めて来るなんて事がもしあったら大変だし、戦いに備えてもう少しダンジョンに潜ってレベルを上げておくかな。
…………………そういえば確かこの世界には魔法があったんだよな。今思い出した。なら魔法に関する本もあるか。
そう思い俺は魔法に関する本を探しだした。そしてしばらくすると目的の本が見つかった。
「お、あった。これだな。何々『魔法使いへの道 入門編』か。まあ、魔法を使った事のない俺には丁度いいな」
俺はそう言って本のページをめくった。
そこにはこう書かれていた。
───────────────────────
この世界には主に四種類の四大元素魔法とそれに光と闇の二種類の魔法。合わせて明暗魔法と言う。それに特別な存在の者が操るユニーク魔法がある。
四大元素魔法には『火』『水』『地』『風』があり、それらを組み合わせることにより新たな魔法を創り出す事もできる。ちなみに作者は水魔法から氷を創り出すことに成功した。詳しいことは『魔法使いへの道 混合魔法編』をどうぞ。
明暗魔法には光の属性を持つ『天明魔法』とその対となる闇の属性を持つ『獄暗魔法』がある。ちなみに回復系の魔法は全て天明魔法に含まれる。天明と、何かを掛け合わせて複合魔法みたいなものにすれば他のでも回復は可能かも?
ユニーク魔法は存在するものの、100万分の1ぐらいの確率で現れるので詳細は不明である。
魔法に最も大切なものはMPの量と創造力である。
どんな魔法にするのか、決定づけるのは最終的には創造力となる。
例えば先程の水魔法。
手から零れ落ちる感じのイメージで魔法を使うとそうなるし、逆に桶を倒したとき感じのイメージで使うとそうなる。術者の熟練度にもよるが。
なお、階級の高い魔法は呪文を必要とする物もある。
各地に設置されている転移魔法の道具は神から授かった物として今でもそれは言い継がれている。現在の魔法では再現不可である。
ここからは各魔法についてまとめる…………
───────────────────────
この世界の学者は凄いんだな。コンピューターのないこの世界で一つずつ手書きで記してある。
まぁそれはおいといて、
魔法凄いね! さらには魔法から魔法が創れるなんて! 浪漫だね! ハハッ!
───さて。俺の左手には先程の本で右手をフリーにします。
この本によると、基礎の魔法は適性がある者にはすぐ出来るとのこと。ここが室内ということを考慮して今回は風魔法を試してみたいと思いまーす!
「……適性がなかったら俺立ち上がれんな。絶対」
風魔法の初級魔法。つまり基礎は『リーフ』と唱えるだ。これはただの風を起こすだけのようだ。まぁ基礎中の基礎だろうな。
ほかには火魔法だと『ファイア』、水魔法だと『ウォーター』とかだ。それぞれ火が出たり水が出たりするだけ。
「さてと…いよいよ俺の初魔法! いくぞ、『リーフ!!』」
と唱えるとほんの少しだけ風が舞起こった。
「………しょぼ!!」
───俺の初魔法終了のお知らせ───
「orz」
俺は今日、生まれて初めて「オーアールゼット」と言って倒れたよ。
こんなのいつ使うんだよとか思ってたら今使いましたね。はい。
火魔法とか水魔法は今は使えないので、今度草原にでもいこ。仕事? シラナイシラナイ。
俺は更なる本を見つけるために先程の本をアイテムボックスに放り込んで歩いた。
「しっかし……無駄にデカいな。1日で回れるか? これ」
ちなみに大きさは通常サイズのコンビニ5つ分くらいある。天井も高い。ジャンプして手が届く訳もないくらいには高い。
「『勇者の冒険』『武器カタログ』『旨い料理をつくるには』『魔力操作』………ここは図書館かよ」
いいえ、書庫です。──とりあえず『魔力操作』に関する書物が気になるのでアイテムボックスに放り込む。
「ほっかにーはなーいっかなー♪」
誰も居ないので歌だって歌える。コンサート会場並に響くよ、ここ。空気が澄んでるのかな。埃とか被っててもおかしくないけど。
そうして本を探していると一際目立つ本を見つけた。何かオーラ的なのが出てそうな雰囲気だ。
「なんだこの本……タイトルは───」
「ユウ様ーー! 結婚式の準備が出来ましたよー!」
本を取りかけたら声をかけられた。スカーレットだ。準備が完了するの、思ったより早かったな。この本は気になるが、結婚式の方が先だ。
そう思い、本から手を引いて、階段を上がり結婚式の式場へ向かう。
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