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第一章 全ての始まり 『種族の集まる国 ガイア』
第二十四話『初めて……』
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えーと。俺こと神楽坂憂は先ほど人生初のストーカーに会いました。会ったと言うよりそのストーカーにストーキングされているのは俺こと神楽坂憂なのだか。
てか、なんでついて来れるの? 結構スピード出して走ってるよ? もしかして監視カメラでもあんの? ………いや、こう言う場合は魔法なのかな。遠隔魔法か何かがあるのか。
まぁ、今は、追跡してくるストーカーが使っているのが魔法か科学か…………っは! 合わせて魔学! 何て言う一人脳内論争は置いといて。
「さぁ! 早く王城へモドリマショウ!」
とりあえずはこのストーカーをどうにかしてくれ。本当、誰でもいいから。
と、そんな事を思っていると、横からライムが当然の質問をしてくる。
「え!? お、王城ですか? 何でそんな事言われてるんですか、ユウ様!」
「いや、それはだなぁ……カクカクシカジカ……と、まぁこんなことがあったんだ」
「へぇ……そんな事が。で、なんで王女様は結婚したいなんて言い出したのですか?」
「それが分かれば、俺が今こうして逃げる事もないんだかな……」
そう、俺がライムに説明している時でも俺達の事を追いかけている騎士は、
「さあ! 早く王城へ!!」
と、同じ事を繰り返して言っていた。
(こいつはロボットかよ。同じこと何度も言いやがって。)
「もういい。ライム、俺は落ちるぞ」
「『落ちる?』 どこにですか?」
「ん? ……あぁ、現実の世界に戻るんだよ」
「ちょっと待って下さい。『現実の世界』とはどういう意味ですか? ここが現実の世界ではないのですか?」
と、ロボット騎士(ついさっき命名)が話に首を突っ込んでくる。
「なんだ。このゲームのNPCにはそう言う知識は入ってないのか」
「「NPC?」」
ライムとロボット騎士が口をそろえて疑問の声をあげる。それを聞いて俺は忘れかけていた変わりようのない事実を思い出す。
(NPCは自分で考えて動くことはない。予めプログラムされていることを繰り返すだけだ。感情なんてものは勿論存在しない。だが、ライムはどうだ。スカーレットは? 他の街の人は? 皆が皆、自分で考え、行動している。NPCの特徴に一致する人物など一人としていない。人工AIの可能性。それもないだろう。説明書には書いてなかった……。そう言えばログアウトの方法も説明書になかったな。一、二を争うほど大切な事なはずなのに……)
──謎を解き明かそうとすると、それが解けていないのに別の謎が現れる。思考回路がショートし、頭の中が真っ白になった。
切れた回線を無理矢理繋ぎあわせ、思考を続行する。
(まず最初に、この世界はゲームのはずだ。そうじゃないとステータスのような意味のわからない概念があるわけがないし、そもそも俺の住んでいた場所。日本には当たり前の事だがモンスターなんてものは実在しない。そう。つまりこの世界はバーチャルであってリアルではない……その筈だ。筈なんだ。)
俺はそう自分に言い聞かせながら自分のステータス画面を開いた。
───────────────────────
〈Name〉 ユウ 人間族
Lv.55 Male(男)
Urudo 395182
HP 140 +20
MP 70
STR 772 +20
VIT 132 +15
DEX 120
AGI 380 +5
INT 38
ジョブ:冒険者L v.50
侍 L v.50 《武士習得可》
武道家L v.20
二刀流L v.35
装備: 体:スチールプレート
右手:ハイゴブリンの刀
アクセサリー:竜騎士の指輪
称号: ノービス・短時間覚醒者40・モンスタ
ー狩り・舞う者・キングスライムハン
ター・テイマー・ユニークを従えし者
魔法: なし
スキル:武道家の派生スキル:正拳突き
侍の派生スキル:一本突き
二刀流の派生スキル:乱舞・二刀の舞い
ダブルカウンター
生産系スキル:解体・テイム
流派:神楽坂流:神楽坂流禁忌抜納術
連結スキル:チェイン
スキル:其ノ壱~拾
テイムモンスター: ライム
《後BPが、240振れます》
───────────────────────
……ステータス画面。次にアイテムボックス。開ける物は全て開き確認する。だが、何処にもあるはずのログアウトボタンがなかった。以前見たのと同じ、いつも見ているステータスと何の変化なく、ただそこにステータス画面はあった。だが、あるべきものはない。そう、肝心のログアウトボタンが……
(な、なぜログアウトボタンがない? なぜないんだ? どう言う事だ? まったく意味が分からない!? この世界はゲームじゃないのか?)
思考が絡まる。頭を働かせようと体が大量の酸素を求める。それに応えて呼吸のペースが速くなる。過呼吸で段々と意識が遠のき始める。
(うっ! ……まだどう言うことか分かってないんだ。もう少しだけ持ってくれ……くそっ………意識が…遠くなって……いく──────)
俺は今度こそ意識を完全に手放した。
てか、なんでついて来れるの? 結構スピード出して走ってるよ? もしかして監視カメラでもあんの? ………いや、こう言う場合は魔法なのかな。遠隔魔法か何かがあるのか。
まぁ、今は、追跡してくるストーカーが使っているのが魔法か科学か…………っは! 合わせて魔学! 何て言う一人脳内論争は置いといて。
「さぁ! 早く王城へモドリマショウ!」
とりあえずはこのストーカーをどうにかしてくれ。本当、誰でもいいから。
と、そんな事を思っていると、横からライムが当然の質問をしてくる。
「え!? お、王城ですか? 何でそんな事言われてるんですか、ユウ様!」
「いや、それはだなぁ……カクカクシカジカ……と、まぁこんなことがあったんだ」
「へぇ……そんな事が。で、なんで王女様は結婚したいなんて言い出したのですか?」
「それが分かれば、俺が今こうして逃げる事もないんだかな……」
そう、俺がライムに説明している時でも俺達の事を追いかけている騎士は、
「さあ! 早く王城へ!!」
と、同じ事を繰り返して言っていた。
(こいつはロボットかよ。同じこと何度も言いやがって。)
「もういい。ライム、俺は落ちるぞ」
「『落ちる?』 どこにですか?」
「ん? ……あぁ、現実の世界に戻るんだよ」
「ちょっと待って下さい。『現実の世界』とはどういう意味ですか? ここが現実の世界ではないのですか?」
と、ロボット騎士(ついさっき命名)が話に首を突っ込んでくる。
「なんだ。このゲームのNPCにはそう言う知識は入ってないのか」
「「NPC?」」
ライムとロボット騎士が口をそろえて疑問の声をあげる。それを聞いて俺は忘れかけていた変わりようのない事実を思い出す。
(NPCは自分で考えて動くことはない。予めプログラムされていることを繰り返すだけだ。感情なんてものは勿論存在しない。だが、ライムはどうだ。スカーレットは? 他の街の人は? 皆が皆、自分で考え、行動している。NPCの特徴に一致する人物など一人としていない。人工AIの可能性。それもないだろう。説明書には書いてなかった……。そう言えばログアウトの方法も説明書になかったな。一、二を争うほど大切な事なはずなのに……)
──謎を解き明かそうとすると、それが解けていないのに別の謎が現れる。思考回路がショートし、頭の中が真っ白になった。
切れた回線を無理矢理繋ぎあわせ、思考を続行する。
(まず最初に、この世界はゲームのはずだ。そうじゃないとステータスのような意味のわからない概念があるわけがないし、そもそも俺の住んでいた場所。日本には当たり前の事だがモンスターなんてものは実在しない。そう。つまりこの世界はバーチャルであってリアルではない……その筈だ。筈なんだ。)
俺はそう自分に言い聞かせながら自分のステータス画面を開いた。
───────────────────────
〈Name〉 ユウ 人間族
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Urudo 395182
HP 140 +20
MP 70
STR 772 +20
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AGI 380 +5
INT 38
ジョブ:冒険者L v.50
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武道家L v.20
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装備: 体:スチールプレート
右手:ハイゴブリンの刀
アクセサリー:竜騎士の指輪
称号: ノービス・短時間覚醒者40・モンスタ
ー狩り・舞う者・キングスライムハン
ター・テイマー・ユニークを従えし者
魔法: なし
スキル:武道家の派生スキル:正拳突き
侍の派生スキル:一本突き
二刀流の派生スキル:乱舞・二刀の舞い
ダブルカウンター
生産系スキル:解体・テイム
流派:神楽坂流:神楽坂流禁忌抜納術
連結スキル:チェイン
スキル:其ノ壱~拾
テイムモンスター: ライム
《後BPが、240振れます》
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……ステータス画面。次にアイテムボックス。開ける物は全て開き確認する。だが、何処にもあるはずのログアウトボタンがなかった。以前見たのと同じ、いつも見ているステータスと何の変化なく、ただそこにステータス画面はあった。だが、あるべきものはない。そう、肝心のログアウトボタンが……
(な、なぜログアウトボタンがない? なぜないんだ? どう言う事だ? まったく意味が分からない!? この世界はゲームじゃないのか?)
思考が絡まる。頭を働かせようと体が大量の酸素を求める。それに応えて呼吸のペースが速くなる。過呼吸で段々と意識が遠のき始める。
(うっ! ……まだどう言うことか分かってないんだ。もう少しだけ持ってくれ……くそっ………意識が…遠くなって……いく──────)
俺は今度こそ意識を完全に手放した。
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