夏の海の出来事

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第15話 愛と欲望

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見合いの当日

「幸田専務。お嬢様。こちらが、お話していました柏木浩一上級課長です」
「初めまして。柏木浩一です。本日はお招き頂きありがとうございます」
「おいおい、柏木君。わが社のトップエリートを私が知らないはずがないだろう」
「はっ」

「はは、噂の通りだな。鬼の柏木か」
「柏木君。今日は仕事モードは無しにしてくれ」
「吉田本部長。分かりました」

「紹介するよ。隣に座っているのが、私の末娘の幸田美羽だ。我儘娘でな。男が寄り付かん」
「お父様。娘の前で失礼ですよ」

答えたのは、幸田専務の奥様だろう。そう思いながら、娘さんの方を見ると
素敵な淡いブルーを基調としたワンピースを着ている。顔は普通。可もなく不可もなくというところか。

「柏木さん。いい度胸ですね。初めて会う女性をジロジロ見て品定めですか」
「美羽。口を慎みなさい」
「よいです。幸田専務。心に溜められて、後で爆発されるより、思ったことをはっきり言って頂いた方が、話をしやすいですから」

なに、この男。普通は、これでビビるのに。それに、何この自信たっぷりな顔。

「美羽さんも、私の品定めですか。良いですね」
「柏木君。ちょっと、言葉を」

「吉田君。いやいや、構わないよ。気が合いそうじゃないか」
「ふん」

そっぽは向いていないが、僕を睨みつけている。

「食事を始めましょうか」

僕は、食事中は、お嬢さんの質問を控えめに回答していた。まあ、食事中、話過ぎるのは好きではない。

食事もデザートに移った頃、
「吉田君、我々は席を外そう。二人で話がはずんでいるようだ」
「はい」

幸田専務と奥様。吉田本部長と奥様が席を外した。

「柏木さんって言ったわね。バツイチなんだって」
「はい」
「結構な美人だったそうじゃない。私なんか、相手にしたく無いいじゃないの」

凄い言い様だ。我儘と言っていたが、ここまでとは。

「容姿の事を言うという事は、美羽さんは自分の容姿に自信がないんですか」
「……っ。そんな事言ってないわよ。私だって。少しは自信あるわ」

なんで、この男、折れないんだろう。大体の男は、この辺で、根を上げるはずなんだけど。

少しの雑談の後、
「さて、美羽さん。私とこれ以上お話をしても、気分を害されるだけでしょうから、お開きにしましょう。もう美羽さんの目を煩わせる事もないですよ」

「えっ、ちょっ、ちょっと待って」
「はい?」


結局、良く聞けば、見合いに来る男なんて大した輩じゃない。
バツイチ仕事人間が上司の縁談に乗って来るなんて、最低な男と見ていたらしい。
だが、来て見ると自分の好みの容姿。考えに芯があり、媚びを売らない姿に
この男と付き合ってもいいが、付き合うなら自分がマウント取りたいと思って、暴言を吐いていたらしい。

恋愛も高校、大学時代としたが、碌な奴が居なくて今に至ったそうだ。

その日の内に、吉田本部長より、向こうから結婚を前提にお付き合いさせて頂きたいと申し出があった。

それはそれで、困るのだが、本部長としては、専務とのパイプが太くなるメリットがあり、大いに乗り気の様だ。



「ただいま」
「お帰りなさい」

可笑しなものだ。ここは里美のマンション。でも今は、ここを拠点に動いている。前のマンションは、日曜に帰るだけ。

「遅いのは、変わらないのね」
「ああ、仕方ない」

浩一には、毎日抱いて貰っている。
彼が私の体を貫く時、体の芯から幸福感で満たされる。過去に犯した裏切りも許されているのだという気持ち。
彼が積極的に私の体の奥に注いでくれるあれが、いずれ元の立場に戻れるという期待から、心の中も満たされていた。


「里美、来週から、来れる日が、月曜、水曜と土曜になる。今年七月にシンガポール支社長に着任する為の準備が忙しくなってくる」
「えーっ、寂しいよ。もう一日増やせない。金曜とか」
「ちょっと無理。それに里美も準備あるだろう」
「えっ」
「えっじゃない。一緒にシンガポール行くんだよ」
「えっ、えーっ……。いいの」
「行くまでには、籍も入れよう」
「浩一……」

思い切り抱き着いて、浩一の唇を奪うと、あそこも奪った。全部飲み込んだ。
「里美……」



「浩一さん。美羽は、もう心の準備は出来ております。いつでも」

見合いから一か月後、初めてデートして、もう二ヶ月が経っていた。
見合いの時に見せた我儘さは、鳴りを潜め、今は、お嬢様という言葉がぴったりの美羽だった。

デートは、金曜日が多い。偶に日曜日に僕のマンションに来る時も有った。
 始めは、緊張の塊のような美羽だったが、段々、心の準備が出来て来たようだ。無理はさせなくていい。いずれ美羽から落ちる。そう思っていた。

美羽としては、今までに出会った事のないタイプの男だったこともあり、すっかり惚れ込んでいた。
いずれ、この人の妻になり、シンガポール支社長夫人として着任する。それも心が緩む原因の一つだった。

 美羽は、浩一のマンションで、リビングのソファに座っていた。
そして、先ほどの言葉を僕に言った。

僕の肩に寄りかかって来た。ゆっくりと背中を支える様にソファに寝かすと顔を近づけた。目を閉じている。

少し震えているような気がする。
ゆっくりと口付けをすると、ピクンと肩を震わせた。そして、僕の体にしがみついて来た。……初めてなんだ。

口付けを優しくしながらブラウスのボタンに手を掛ける。抵抗は無かった。ブラウスを開けると薄いピンクのキャミソールがあり、その下に里美程ではないが、しっかりと胸のふくらみが有った。

キャミソールを上げて、ブラの上から軽く手で揉んであげると、また肩をピクンと震わせた。
「あの、出来ればベッドで」
「………」

背中と膝の下に手を入れて、お姫様抱っこの形でベッドに運んで横にした。
その時、ブラウス、キャミソール、ブラは、外した。目をつむり抵抗はしていない。
綺麗な体だった。胸はしっかりあり、腰は括れている。お尻はさほど大きくなく可愛かった。

まだ、誰も触ったことがない胸を優しく揉みながら乳首を舌で転がすと
「あっ、あっ」

反応が可愛かった。ゆっくりと胸を揉みながら体の力を抜かせると、手を下にずらした。ブラと同じように淡いピンクだ。パンティの中に手を入れてあそこに触れると
「あの、あの……。はじめてなの。優しくして」
「うん」

もう濡れているあそこに指を入れて少し遊んであげると、声が大きくなってきた。
顔を下げて、パンティを降ろし、足を広げさせると、まだ誰も知らない、綺麗なあそこが有った。自分の液で濡れている。

静かに口付けすると、声が更に大きくなった。舌を入れ、一番感じる所を舐めあげると
「あっ、あっ、あーっ。だめ。だめ。だめですー」

奥から白い液体が出て来た。
この子も感じやすいのかな。二回ほどいかせた後、
位置を合わせゆっくり進めた。途中でつかえた。
「痛い。……いいです。そのままして」

少し、小刻みに前後しているとスルっと入った。
目から涙が出ている。
「痛かった」
「はい、でもいいんです。もう私は、浩一さんのものですから」

少しの間、動かずにして、落ち着かした後、前後し始めた。
痛さでなく悦楽の喘ぎ声を出している。
「美羽。我慢できない。出していい」
「大丈夫な日です」

僕は、思い切り美羽のあそこの奥に吐き出した。
さすがに初めての時は、ここまでだと思い、後は優しくフォローした。

「ふふっ、嬉しいです。これでやっと浩一さんの妻になる準備が出来ました」
「えっ、ああそうだね」

「こうして浩一さんの胸に顔を埋めていると心臓の音がよく聞こえます。ふふっ」


その後、シャワーを浴びて、街で食事をした後、家まで送った。いつも家の前でお母さんが待っている。僕は外で挨拶だけして帰る事にしている。上がると結構面倒そうだから。


帰り道、
美羽と肉体関係を持ってしまった。里美の事もある。早めに判断しなければいけない。結論は決まっている。

―――――

うーん。浩一さん。何かおかしくない。

次回最終回となります。・・多分。

次回をお楽しみに。


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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