幸せだったのに

kana_01

文字の大きさ
6 / 10

最6話 戻らない日常

しおりを挟む
少し、短いです。

―――――

夕方、吉岡さんと会った。妻の昨日の様子を話すと
「うーん。間違いないですね。でも昨日の状況では、浮気と言っても適当に逃げられてしまいます。しっかりとした証拠を掴まないと」
「どうすれば」

一時間半ほど、浮気の証拠を探す方法を詰めた。

帰宅後、
「優香、今度の土曜日から、毎週土曜日の午後、ゴルフの練習をする」
「えっ、ゴルフ。和樹が」
「うん、上から、そろそろ付き合いゴルフの立場も出てくる。取敢えず、クラブは貸すから練習場に来いと言われてね」
「練習場って」
「うん。多摩川の方にある」
「分かった」

土曜。
僕は出かける振りをして、家が見えるぎりぎりの位置から、様子見ていたが、妻は買い物に出かけただけだった。僕も適当な時間に家に帰った。

次の週、妻は、僕が家を出て、十五分後、家を出た。随分と綺麗に着飾っていた。そっと後を付ける。

妻が入って行ったのは、渋谷にある、有名なシティホテルだ。

入り口近くで待つこと二時間。妻が男と出て来た。男の腕に絡みつくようにべったり体を男に傾けて嬉しそうに歩いてくる。しっかりとスマホで撮影する。

「今日は、ここまでにしましょう。これだけでは、まだ逃げられてしまいます」
「分かりました」

妻の不貞の実態を掴みながら、それが確定したものでなければ、裁判で勝てない。そう言われて、今回は、見逃した。


「ただいま」
「お帰りなさい」
「疲れたよ」

玄関に来た妻を抱こうとすると、すり抜けられた。えっ、ありえない。

「夕飯の支度していますから。お風呂は沸いていますよ」

まだ、午後四時だ。何故風呂が沸いている。あの男との情事を消す為か。
「そうか、先に入るね」
「はーい」

洗面所に行くと風呂に入ったはずの妻の下着が無かった。

取敢えずシャワーを浴びてリビングに戻ると、妻が、ビールを用意していた。
「お帰りなさい」
「うん」

妻がビールを注いでくれた。
どういう事だろう。

「ゴルフの練習っていつまで続くの」
「ああ、そのことだけど、中止になった」
「えっ。どうして」
凄い驚きようだ。

「いや、僕にセンスが無くて。課長から、向いていない。諦めろ。と言われた」

とてもショックな顔をしている。
「そ、そうなんだ」
「どうした。僕が土曜日、優香と一緒に居れる時間が、元に戻ったんだよ」
「そ、そうだね。うん、とても嬉しいよ」

僕に抱き着いて来た。

なんで、せっかく、また与野君と会える時間が出来たと思ったのに。
与野君に連絡しないと。がっかりするだろうな。

妻は、その夜は求めてこなかった。


「優香、行って来る。今日も少し遅くなる」
「分かりました。無理をしないでね」

いつもの様に、彼に抱かれ口付けをされた。お尻も触って来ている。でも、もう何も感じない。彼の方が、いいから。


今日、和田さんから連絡が有った。証拠を掴んだから見てくれと。
今日は、少しお洒落して行こうか。和田君は、ちょっと好みだし。少し、見せる様にして。
ふふふっ。私、人の不幸に乗じる悪い女かな。

「吉岡さん。これを見て下さい」
土曜日に撮影した動画を見せた。

「これは。信じたくないですが、優香とこの男には、肉体関係があると考えてよろしいでしょうね」
「……」

吉岡さんが、スマホを前かがみで見ている。胸の谷間がはっきり見えて、淡いピンクのブラの上の方が、丸見えだ。気持ちがぐっと来てしまう。

「証拠が取れたので、土曜日のゴルフ練習は、中止だと言った時、ものすごくがっかりした顔をしていました」
「どうするんですか。この後。訴えるとか、しますか。勝てると思いますが」

僕は首を横に振って
「いえ、このままにしておきます。妻もこの男と会う時間を持てなければ、自然と消滅すると思いたい。彼女に仕事事情では、僕が家にいる限り、今までの様な事は出来ないでしょうから」
「もし、優香がそれでも、この男と会ったら」
「その時は、その時です」

ちょっと呆れられたかなと思ったが、話し終わった後、ジーっと顔を見られた。スマホを見ている姿勢と同じにして。
 つい、視点が胸元へ泳いでしまった。

彼が、私の胸元を見ている。食事でも誘ってみよう。
「和田さん。ご都合宜しければ、食事でもいかがですか」
「いや、今日は。妻に多少遅くなると言っているだけですので」
断られてしまった。残念な顔をして和田君を見ると

「・・あの明日、十六時位から会えませんか」
「では、この続きは明日にしましょうか」
「はい」

僕は、家に戻り、遅い夕食を取った。一人でだ。前なら優香は待っていてくれる。随分変わってしまった。

夜、僕が求めた。応じてくれたが、淡白なもので、あそこの一番感じる所を触っている時だけは、声が出たが、入れて突いても、少し反応した位だった。


―――――

優香さん。不味いのでは。

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

処理中です...