魔王(神様)の花嫁候補

鈴木ファティ

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5.アレス、童貞卒業

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女を抱いたことはないため、その差は分からない。
けれど、アレスがどこに触れようと、オルフェは甘い声を上げる。白い肌はしっとりと手に馴染み、見慣れたはずの男性器でさえ、まったく別のものに見えた。

ふるふると震えて蜜をこぼす様子がたまらず、つい口をつける。オルフェの目が驚きに見開かれ、アレスを拒絶しようと手を持ち上げる。しかし、アレスがオルフェのそこを思い切り吸い上げると、オルフェは甲高い声を上げてアレスの頭を抱えるようにして倒れこんだ。

「そんなとこ、吸うなよ」
息も絶え絶えにオルフェが言う。同じ男のものだ。
汚い、気持ち悪いと思ってもよさそうなのに、まったくそう感じないのは、オルフェの姿形が美しいからだろうか。それとも、昼間あれほど怒っていた男の見せる色気に、そのギャップにやられてしまったとでも言うのだろうか。
それよりも、もっとだ。アレスはオルフェの体中を舐める。
それだけで自分の性器も痛いほどに張り詰める。

さぁ、入れよう。そうして気づいた。
どこに?

女性の体のことも一通り知っている。知識として理解はしているのだ。しかし、女性と同じものが男性にはない。いったいどうすればいいのか。
今日はこれで終わりにしてもよいのだろうとは思うが、ダメだ。我慢できない。これほどにおいしそうな獲物を目の前にして、止まることなどできない。
いっそ神としての力を使って、オルフェを女性に変えるか、とまで思い悩んだ時、そっとオルフェの手がアレスの男性器に伸びた。

「ここに、入れるんだ。本当だったらほぐさないといけないんだろうけど、なんか、もう、熱いし、濡れてるから、早く」
男は初めてだと言っていたはずなのにどうしてそんなことを知っているのか。オルフェの言葉に、アレスは一瞬激高しかける。しかし、オルフェのとろけきったまなざしに、そんな気持ちも失せてしまった。

早く、早く。
気持ちばかりが焦るのを、オルフェの手が助ける。当たった場所は恐ろしいほど熱く、濡れていた。
たまらず、一気に奥まで押し込む。オルフェが衝撃にのけぞり、精液が顔まで飛ぶ。本来であれば、相手が少し落ち着くまで待った方が良いのだろう。しかし無理だ。
こんなに気持ちがいいこと、待てるはずがない。

「や、まて、あ、いやぁっ!」
オルフェが叫び声をあげる。それをうるさいとばかりに唇でふさぎ、何度も中を強くえぐる。あまりの気持ちよさに、頭が真っ白になる。
こんなに素晴らしいことを、今まで知らなかったとは。

見下ろすと、オルフェの顔は快感に真っ赤になっている。目尻からは涙があふれ、助けを求めるかのように手が空中をさまよう。その手をアレスは自分の背に回し、さらに激しく動き始める。もはやオルフェは声さえ出せなくて、必死にアレスにしがみついていた。
恐ろしいほどの波がやってくる。アレスはそれに身を任せ、激流をオルフェの中に叩きつけた。

真っ白だ。何も分からない。
はぁはぁと荒い息を整えて、腕の中にいるオルフェを見る。
するとオルフェは、まだ軽くイキながら、気を失っていた。
赤く上気した肌。ぼさぼさの髪、様々な液体で濡れた体を見ていると、イッたにも関わらず、さらに欲が出てくる。

もっと、もっと。
アレスが中に入れたまま動くと、気を失っているはずのオルフェの体が跳ねる。
まだ、大丈夫だろう。
アレスは一人でそう納得し、再び律動を始めたのだった。
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