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第5章:純血エルフの村
第38話 純血エルフの村フルーバ
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夜八時ちょうどになると、ソチネが四体の妖精を連れて魔法陣の中に入った。
「いい? 魔法陣の外円を閉じると儀式が始まる。かなり強い魔法陣だから、たぶん結界が張られると私の声が聞こえなくなると思う。アサヒは事前に説明した通りに行動してね」
朝陽が頷くと、ソチネは線を書き足し魔法陣の外円を繋げた。
水晶の間の時と同じように、見えない壁が朝陽とソチネを隔てる。
朝陽は慌てながらも丁寧に、魔法陣の外に立てられた蝋燭に火を灯し、すり潰したマーメイドの鱗とヒミュルの蔦を一つまみ落とした。
火の色が赤から青に変わる。
ソチネが杖を振ると、妖精が四つの小さな円の中にそれぞれ移動した。
魔法陣が光を放つ。
(ここまでは前段階。今からが魔術師ソロモンの見せ場だ。……たぶん)
ソチネは跪き、両手を組んだ。
「アウ・コウタレスト・バノヌ・ドリスティア・ソシェンジェ・バモマルエンタル……」
途方もなく長い呪文を唱えるソチネの声は、いつもの声とも司書ソチネの声とも違った。
(威厳があるというか……神々しいというか……。呪文を聞いてるだけで畏怖を感じる。この人、ほんとにすごい人だったんだ)
詠唱を終えたソチネは、「太陽の第四」ペンタクルと杖を手に持ち、魔法陣の前に立つ大木に向けて水魔法を放った。
大木が、霧雨のように細かく柔らかい水に濡れる。
朝陽は緊張した面持ちで、上級「光」魔法スクロールを広げた。
「ラウツ・トレトラ」
すると、光に反射した霧雨が、一部分だけ淡い青色に変わった。その光は徐々に明確な形を浮き上がらせ、巨大な扉になった。
魔法陣の結界が解けたのか、ソチネの安堵した声が聞こえた。
「成功ね。この扉の向こうがフルーバよ」
腰が抜けた朝陽がへなへなと地面にへたりこむ。
「……すごい。すごかった。これが本物の……魔術師ソロモンが師を務める儀式……」
「あなたの上級魔法スクロールもなかなか良かったわよ。さ、早く行きましょう」
手を差し伸べるソチネを見上げた朝陽は、ぽっと頬を赤らめ顔を背けた。
(う、うわぁぁぁ~……っ。なんだかソチネさんが輝いて見える……。だって、さっきのさっきまで、ちょっと残念な女の人ってイメージが強かったからさぁぁぁ……っ。こ、こ、こんなすごいところ見たあとだと緊張する……っ。ぐ、ぐあぁぁ……なんかいつもよりソチネさんが綺麗に見えるしっ……)
「アサヒー。早く行かないと扉閉まっちゃうよ」
「はっ、はいっ。すみませんっ!」
現れた扉の奥には、ニワトコの木々に囲まれた小さな村があった。
朝陽とソチネの元に、弓をたずさえた青年エルフが馬に乗ってやって来た。彼ははじめ不審な表情を浮かべていたが、ソチネだと気付くと顔をほころばせる。
「なんだ、ソロモン様でしたか。お久しぶりです。フルーバへようこそ」
どうやらこのエルフはソチネの正体を知っているらしい。あとからソチネに聞いたところによると、ソチネの正体を知っているヒト族はほんの一握りだが、ヒト族と関りをほとんど持たない長命な種族に限り、正体を明かしているそうだ。
ソチネは、馬から降りた青年エルフと挨拶のハグをする。
「久しぶり、アロン。元気そうでなにより。ちょっと背が伸びたわね」
「ええ。ここ十年でぐんと成長しまして。今では立派な青年でしょう?」
「そうね。百年前はこーんなに小さかったのに。エルフの成長は早いわねえ」
「はは。そんなことをおっしゃるヒト族は、ソロモン様しかいませんよ」
旧知の友と挨拶を済ませたアロンは、朝陽に視線を移した。
「お連れの方でしょうか。これまた幼いヒト族を連れて」
幼い……? と眉をひそめる朝陽の代わりに、ソチネが応える。
「ええ、最近知り合ったヒトで、アサヒッていうの。私の婚約者よ」
「ちょっ……」
朝陽が否定する間もなく、アロンが満面の笑みで拍手した。
「おお、素晴らしい! ソロモン様にやっと番が! 町の者に伝えて宴会の準備をしてまいります! ソロモン様、フルーバに滞在する間は、いつもの宿をお使いください。それでは、失礼」
アロンが颯爽と去っていき、その場には朝陽とソチネだけが残された。
朝陽がジトッとした目を向けても、ソチネは口笛を吹いてはぐらかすだけだ。
「……あのぉ、ソチネさん。ああいうときは普通、弟子って紹介するもんじゃありませんか?」
「弟子も婚約者も似たようなものでしょ?」
「全然違いますよね。僕はあなたの婚約者になったつもりありません」
まあまあ、とソチネは朝陽の背中を押し、宿に向かって歩きだした。
「フルーバのエルフは警戒心がとっても強いの。だから、普段はヒト族を村に招き入れるようなことはしない。私の弟子だと言っても滞在は許されたでしょうけど、警戒されっぱなしできっと居心地悪いわ。私の婚約者って言っとけば、あなたも私と同じくらい歓迎されるはずなの!」
「そ、そうだったんですね。それを知らずに文句言ってすみません」
「いいのいいの。だから、この村にいる間は、私とあなたは婚約者! 分かった?」
朝陽が気乗りしないながらも仕方なく頷くと、ソチネがニヤッと笑った。
「……あの、その理由は本当なんですよね?」
「へ!? も、もも、もちろんよ!? 本当よ!?」
「怪しいなあ……」
「いい? 魔法陣の外円を閉じると儀式が始まる。かなり強い魔法陣だから、たぶん結界が張られると私の声が聞こえなくなると思う。アサヒは事前に説明した通りに行動してね」
朝陽が頷くと、ソチネは線を書き足し魔法陣の外円を繋げた。
水晶の間の時と同じように、見えない壁が朝陽とソチネを隔てる。
朝陽は慌てながらも丁寧に、魔法陣の外に立てられた蝋燭に火を灯し、すり潰したマーメイドの鱗とヒミュルの蔦を一つまみ落とした。
火の色が赤から青に変わる。
ソチネが杖を振ると、妖精が四つの小さな円の中にそれぞれ移動した。
魔法陣が光を放つ。
(ここまでは前段階。今からが魔術師ソロモンの見せ場だ。……たぶん)
ソチネは跪き、両手を組んだ。
「アウ・コウタレスト・バノヌ・ドリスティア・ソシェンジェ・バモマルエンタル……」
途方もなく長い呪文を唱えるソチネの声は、いつもの声とも司書ソチネの声とも違った。
(威厳があるというか……神々しいというか……。呪文を聞いてるだけで畏怖を感じる。この人、ほんとにすごい人だったんだ)
詠唱を終えたソチネは、「太陽の第四」ペンタクルと杖を手に持ち、魔法陣の前に立つ大木に向けて水魔法を放った。
大木が、霧雨のように細かく柔らかい水に濡れる。
朝陽は緊張した面持ちで、上級「光」魔法スクロールを広げた。
「ラウツ・トレトラ」
すると、光に反射した霧雨が、一部分だけ淡い青色に変わった。その光は徐々に明確な形を浮き上がらせ、巨大な扉になった。
魔法陣の結界が解けたのか、ソチネの安堵した声が聞こえた。
「成功ね。この扉の向こうがフルーバよ」
腰が抜けた朝陽がへなへなと地面にへたりこむ。
「……すごい。すごかった。これが本物の……魔術師ソロモンが師を務める儀式……」
「あなたの上級魔法スクロールもなかなか良かったわよ。さ、早く行きましょう」
手を差し伸べるソチネを見上げた朝陽は、ぽっと頬を赤らめ顔を背けた。
(う、うわぁぁぁ~……っ。なんだかソチネさんが輝いて見える……。だって、さっきのさっきまで、ちょっと残念な女の人ってイメージが強かったからさぁぁぁ……っ。こ、こ、こんなすごいところ見たあとだと緊張する……っ。ぐ、ぐあぁぁ……なんかいつもよりソチネさんが綺麗に見えるしっ……)
「アサヒー。早く行かないと扉閉まっちゃうよ」
「はっ、はいっ。すみませんっ!」
現れた扉の奥には、ニワトコの木々に囲まれた小さな村があった。
朝陽とソチネの元に、弓をたずさえた青年エルフが馬に乗ってやって来た。彼ははじめ不審な表情を浮かべていたが、ソチネだと気付くと顔をほころばせる。
「なんだ、ソロモン様でしたか。お久しぶりです。フルーバへようこそ」
どうやらこのエルフはソチネの正体を知っているらしい。あとからソチネに聞いたところによると、ソチネの正体を知っているヒト族はほんの一握りだが、ヒト族と関りをほとんど持たない長命な種族に限り、正体を明かしているそうだ。
ソチネは、馬から降りた青年エルフと挨拶のハグをする。
「久しぶり、アロン。元気そうでなにより。ちょっと背が伸びたわね」
「ええ。ここ十年でぐんと成長しまして。今では立派な青年でしょう?」
「そうね。百年前はこーんなに小さかったのに。エルフの成長は早いわねえ」
「はは。そんなことをおっしゃるヒト族は、ソロモン様しかいませんよ」
旧知の友と挨拶を済ませたアロンは、朝陽に視線を移した。
「お連れの方でしょうか。これまた幼いヒト族を連れて」
幼い……? と眉をひそめる朝陽の代わりに、ソチネが応える。
「ええ、最近知り合ったヒトで、アサヒッていうの。私の婚約者よ」
「ちょっ……」
朝陽が否定する間もなく、アロンが満面の笑みで拍手した。
「おお、素晴らしい! ソロモン様にやっと番が! 町の者に伝えて宴会の準備をしてまいります! ソロモン様、フルーバに滞在する間は、いつもの宿をお使いください。それでは、失礼」
アロンが颯爽と去っていき、その場には朝陽とソチネだけが残された。
朝陽がジトッとした目を向けても、ソチネは口笛を吹いてはぐらかすだけだ。
「……あのぉ、ソチネさん。ああいうときは普通、弟子って紹介するもんじゃありませんか?」
「弟子も婚約者も似たようなものでしょ?」
「全然違いますよね。僕はあなたの婚約者になったつもりありません」
まあまあ、とソチネは朝陽の背中を押し、宿に向かって歩きだした。
「フルーバのエルフは警戒心がとっても強いの。だから、普段はヒト族を村に招き入れるようなことはしない。私の弟子だと言っても滞在は許されたでしょうけど、警戒されっぱなしできっと居心地悪いわ。私の婚約者って言っとけば、あなたも私と同じくらい歓迎されるはずなの!」
「そ、そうだったんですね。それを知らずに文句言ってすみません」
「いいのいいの。だから、この村にいる間は、私とあなたは婚約者! 分かった?」
朝陽が気乗りしないながらも仕方なく頷くと、ソチネがニヤッと笑った。
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「怪しいなあ……」
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