42 / 71
4章
第41話 読書
しおりを挟む
不安がなくなった海茅は、上機嫌で基礎練習に臨んだ。しかし、テスト期間中一度もスティックを握っていなかった海茅の手首は固くなり、この前まで簡単に叩けていたリズムもままならない。
こんなに楽しくなかった基礎練習は久しぶりだと考えながら、海茅はクラッシュシンバルを手に教師控室に籠った。
海茅がクラッシュシンバルを握るのは、スティックと同じく約二週間ぶりだ。
ずっしりとした重み。使い込まれた、しなしなの持ち手。年季の入った金属の匂い。
大好きなクラッシュシンバルに再会できて、海茅は鼻の下を伸ばしてシンバルに頬ずりする。
「久しぶり~。改めてよろしくねっ」
早速海茅はシンバルを軽く鳴らし――
膝から崩れ落ちた。
シンバルから生まれたのは、星空ではなくジャリジャリの金属音。毎日練習していたときに比べ、明らかに音質が下がっている。
三カ月間毎日練習してきたことが、二週間で帳消しにされた気分だ。
汚い音に耳を塞ぎたくなる。変わり果ててしまった自分のシンバルの音を聞いていたくない。
耳では分かっているのに、手が忘れてしまっている。何度叩いても星空が散らない。
「……」
シンバルを叩いていて楽しくないと感じたのは、四月ぶりだった。
◇◇◇
夜、課題を終えた海茅は、この前購入した小説、『俺のマブダチ』を手に取った。
文庫本の表紙を自分の意志でめくったのは初めてだ。
きなりの紙に、「これは小難しい本ですよ」と念押ししているような、すましたフォントで文字が書かれている。すでに心が折れそうだ。
目次のページは見もせずめくると、タイトルだけが書かれた一ページが海茅を出迎えた。
とうとう小説が始まる。海茅は唾を呑み込み、そろっとページをめくった。
海茅はホッとしたと同時にがっかりした。
一ページには挿絵があった。だが、漫画のようなイラストではなく、これまた小難しそうな本を象徴するような、可愛くもなんともない挿絵だ。
海茅は、小説を読み始めて一分で頭を抱えた。分からない漢字と言葉が多すぎる。それに人物紹介や設定の説明もないので、状況が掴めないし主人公の名前すら分からない。
海茅は分からない単語をスマホで調べた。その説明の中にも分からない単語が出てくるので調べると、そこにもまた分からない単語が出てくる。
海茅は未使用のノートをベッドに広げ、調べた単語をメモした。
一時間ほどそんなことを繰り返していたが、ふと、まだ一ページ目から進んでいないことに気付き、ペンと本を放り投げて仰向けに寝転がる。
「だめだ。こんなんじゃ一生読み終わらない」
匡史や優紀はこんな難しい本を読んで面白いと思うのか。
それが海茅の率直な気持ちだった。
《匡史君は、『俺のマブダチ』のどういうところが好きなの?》
海茅がLINEを送ると、すぐに匡史から返事が来た。
《優しい気持ちになれるところかな。日本語が柔らかくて読んでて心地いいし》
海茅には「日本語が柔らかい」の意味も、本を読んでいて「心地いい」という気持ちも分からない。
続けて匡史からメッセージが届く。
《あと、共感できるところかな。『俺のマブダチ』って、シングルマザーに育ててもらった男の子が主人公なんだ。俺も母親しかいないから、主人公の悩みとか葛藤とかがよく分かるんだよね》
『俺のマブダチ』の主人公が匡史に似ていると知り、海茅の興味がぐんと上がった。
《でも、どうして急にそんなこと聞くの?》
匡史の純粋な質問に、海茅は正直に答えた。
「この前、匡史君と優紀ちゃんが話してるの聞いて、私も読んでみたいなあって思ったの。それで本屋さんで小説買ってみたんだけど、一ページ目で限界を迎えた……」
《えっ、みっちゃん文庫本買ったの!? 俺もちょうど今日喜田さんに本借りたんだよね。一緒に読もうよ》
「でも私、一時間かかっても一ページ読めなかった……」
《一時間!?笑 ちょっとよく分からないけど、とりあえず通話しない?》
通話でいきさつを聞いた匡史はケタケタ笑った。
《みっちゃん真面目すぎるよ! 読書するのに分からない単語調べてノートにメモって。勉強しちゃってるじゃん》
「読書は勉強でしょ……?」
《読書は趣味だよ。勉強じゃない》
「そうなのぉ!?」
衝撃の事実を知らされたときかのように大袈裟に驚く海茅に、匡史がまた笑う。
《そうだよ! 分からない単語をそんな律儀に調べてメモしなくていいよ。俺はいつも雰囲気で意味をなんとなく想像するだけで、読み飛ばしてる》
「そんな読み方でいいの!?」
《いいよ! だって勉強じゃないから》
「えぇぇぇっ! そんなこと今まで誰も教えてくれなかったぁぁぁっ!」
それから海茅と匡史はもう一度始めから小説を読み始めた。
通話を繋いで読むのは正解だった。分からない単語を尋ねると、匡史が分かる範囲で教えてくれる。時には匡史も分かっていない単語があったので、海茅は少しホッとした。
なんとか十ページ目まで読み進めた頃には、海茅の集中力が切れていた。
「だめだ……。目がスベッて頭が入ってこない……」
《無理に読まなくてもいいよ。続きは気が向いたときに読めばいいし》
「でも、せっかくだし一章は読み切りたいなあ……」
《じゃあ、音読するのはどう? たぶん黙読よりは頭に入ると思うよ。みっちゃんが読んでもいいし、俺が読んでもいいし》
お言葉に甘えて、海茅は匡史に音読してもらうことにした。
国語の授業でも思っていたが、匡史は音読が上手い。詰まることなく滑らかに文章を読む彼の声は、優しくて柔らかい。
「匡史君の声聞いてたら眠くなってきちゃった」
《ごめん、退屈だった?》
「ううん。なんだか落ち着く。優しくてほわほわする」
《ああ、それは俺の声じゃなくて、この小説の文章がそうだからだよ》
きっと両方だ。そう考えながら、いつの間にか海茅は眠りに落ちていた。
こんなに楽しくなかった基礎練習は久しぶりだと考えながら、海茅はクラッシュシンバルを手に教師控室に籠った。
海茅がクラッシュシンバルを握るのは、スティックと同じく約二週間ぶりだ。
ずっしりとした重み。使い込まれた、しなしなの持ち手。年季の入った金属の匂い。
大好きなクラッシュシンバルに再会できて、海茅は鼻の下を伸ばしてシンバルに頬ずりする。
「久しぶり~。改めてよろしくねっ」
早速海茅はシンバルを軽く鳴らし――
膝から崩れ落ちた。
シンバルから生まれたのは、星空ではなくジャリジャリの金属音。毎日練習していたときに比べ、明らかに音質が下がっている。
三カ月間毎日練習してきたことが、二週間で帳消しにされた気分だ。
汚い音に耳を塞ぎたくなる。変わり果ててしまった自分のシンバルの音を聞いていたくない。
耳では分かっているのに、手が忘れてしまっている。何度叩いても星空が散らない。
「……」
シンバルを叩いていて楽しくないと感じたのは、四月ぶりだった。
◇◇◇
夜、課題を終えた海茅は、この前購入した小説、『俺のマブダチ』を手に取った。
文庫本の表紙を自分の意志でめくったのは初めてだ。
きなりの紙に、「これは小難しい本ですよ」と念押ししているような、すましたフォントで文字が書かれている。すでに心が折れそうだ。
目次のページは見もせずめくると、タイトルだけが書かれた一ページが海茅を出迎えた。
とうとう小説が始まる。海茅は唾を呑み込み、そろっとページをめくった。
海茅はホッとしたと同時にがっかりした。
一ページには挿絵があった。だが、漫画のようなイラストではなく、これまた小難しそうな本を象徴するような、可愛くもなんともない挿絵だ。
海茅は、小説を読み始めて一分で頭を抱えた。分からない漢字と言葉が多すぎる。それに人物紹介や設定の説明もないので、状況が掴めないし主人公の名前すら分からない。
海茅は分からない単語をスマホで調べた。その説明の中にも分からない単語が出てくるので調べると、そこにもまた分からない単語が出てくる。
海茅は未使用のノートをベッドに広げ、調べた単語をメモした。
一時間ほどそんなことを繰り返していたが、ふと、まだ一ページ目から進んでいないことに気付き、ペンと本を放り投げて仰向けに寝転がる。
「だめだ。こんなんじゃ一生読み終わらない」
匡史や優紀はこんな難しい本を読んで面白いと思うのか。
それが海茅の率直な気持ちだった。
《匡史君は、『俺のマブダチ』のどういうところが好きなの?》
海茅がLINEを送ると、すぐに匡史から返事が来た。
《優しい気持ちになれるところかな。日本語が柔らかくて読んでて心地いいし》
海茅には「日本語が柔らかい」の意味も、本を読んでいて「心地いい」という気持ちも分からない。
続けて匡史からメッセージが届く。
《あと、共感できるところかな。『俺のマブダチ』って、シングルマザーに育ててもらった男の子が主人公なんだ。俺も母親しかいないから、主人公の悩みとか葛藤とかがよく分かるんだよね》
『俺のマブダチ』の主人公が匡史に似ていると知り、海茅の興味がぐんと上がった。
《でも、どうして急にそんなこと聞くの?》
匡史の純粋な質問に、海茅は正直に答えた。
「この前、匡史君と優紀ちゃんが話してるの聞いて、私も読んでみたいなあって思ったの。それで本屋さんで小説買ってみたんだけど、一ページ目で限界を迎えた……」
《えっ、みっちゃん文庫本買ったの!? 俺もちょうど今日喜田さんに本借りたんだよね。一緒に読もうよ》
「でも私、一時間かかっても一ページ読めなかった……」
《一時間!?笑 ちょっとよく分からないけど、とりあえず通話しない?》
通話でいきさつを聞いた匡史はケタケタ笑った。
《みっちゃん真面目すぎるよ! 読書するのに分からない単語調べてノートにメモって。勉強しちゃってるじゃん》
「読書は勉強でしょ……?」
《読書は趣味だよ。勉強じゃない》
「そうなのぉ!?」
衝撃の事実を知らされたときかのように大袈裟に驚く海茅に、匡史がまた笑う。
《そうだよ! 分からない単語をそんな律儀に調べてメモしなくていいよ。俺はいつも雰囲気で意味をなんとなく想像するだけで、読み飛ばしてる》
「そんな読み方でいいの!?」
《いいよ! だって勉強じゃないから》
「えぇぇぇっ! そんなこと今まで誰も教えてくれなかったぁぁぁっ!」
それから海茅と匡史はもう一度始めから小説を読み始めた。
通話を繋いで読むのは正解だった。分からない単語を尋ねると、匡史が分かる範囲で教えてくれる。時には匡史も分かっていない単語があったので、海茅は少しホッとした。
なんとか十ページ目まで読み進めた頃には、海茅の集中力が切れていた。
「だめだ……。目がスベッて頭が入ってこない……」
《無理に読まなくてもいいよ。続きは気が向いたときに読めばいいし》
「でも、せっかくだし一章は読み切りたいなあ……」
《じゃあ、音読するのはどう? たぶん黙読よりは頭に入ると思うよ。みっちゃんが読んでもいいし、俺が読んでもいいし》
お言葉に甘えて、海茅は匡史に音読してもらうことにした。
国語の授業でも思っていたが、匡史は音読が上手い。詰まることなく滑らかに文章を読む彼の声は、優しくて柔らかい。
「匡史君の声聞いてたら眠くなってきちゃった」
《ごめん、退屈だった?》
「ううん。なんだか落ち着く。優しくてほわほわする」
《ああ、それは俺の声じゃなくて、この小説の文章がそうだからだよ》
きっと両方だ。そう考えながら、いつの間にか海茅は眠りに落ちていた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。
【完】ノラ・ジョイ シリーズ
丹斗大巴
児童書・童話
✴* ✴* 母の教えを励みに健気に頑張る女の子の成長と恋の物語 ✴* ✴*
▶【シリーズ1】ノラ・ジョイのむげんのいずみ ~みなしごノラの母の教えと盗賊のおかしらイサイアスの知られざる正体~ 母を亡くしてみなしごになったノラ。職探しの果てに、なんと盗賊団に入ることに! 非道な盗賊のお頭イサイアスの元、母の教えを励みに働くノラ。あるとき、イサイアスの正体が発覚! 「え~っ、イサイアスって、王子だったの!?」いつからか互いに惹かれあっていた二人の運命は……? 母の教えを信じ続けた少女が最後に幸せをつかむシンデレラ&サクセスストーリー
▶【シリーズ2】ノラ・ジョイの白獣の末裔 お互いの正体が明らかになり、再会したノラとイサイアス。ノラは令嬢として相応しい教育を受けるために学校へ通うことに。その道中でトラブルに巻き込まれて失踪してしまう。慌てて後を追うイサイアスの前に現れたのは、なんと、ノラにうりふたつの辺境の民の少女。はてさて、この少女はノラなのかそれとも別人なのか……!?
✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴* ✴*
【完結】アシュリンと魔法の絵本
秋月一花
児童書・童話
田舎でくらしていたアシュリンは、家の掃除の手伝いをしている最中、なにかに呼ばれた気がして、使い魔の黒猫ノワールと一緒に地下へ向かう。
地下にはいろいろなものが置いてあり、アシュリンのもとにビュンっとなにかが飛んできた。
ぶつかることはなく、おそるおそる目を開けるとそこには本がぷかぷかと浮いていた。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
と、アシュリンを旅に誘う。
どういうこと? とノワールに聞くと「説明するから、家族のもとにいこうか」と彼女をリビングにつれていった。
魔法の絵本を手に入れたアシュリンは、フォーサイス家の掟で旅立つことに。
アシュリンの夢と希望の冒険が、いま始まる!
※ほのぼの~ほんわかしたファンタジーです。
※この小説は7万字完結予定の中編です。
※表紙はあさぎ かな先生にいただいたファンアートです。
すべての世界で、キミのことが好き♥~告白相手を間違えた理由
立坂雪花
児童書・童話
✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:.+*:゚+。✨.゚・*..☆.。.:*✨
結愛は陸のことが好きになり、告白しようとしたけれど、間違えて悠真に告白することになる。そうなった理由は、悠真の元に届いたあるメールが原因で――。
☆綾野結愛
ヒロイン。
ピンクが大好きな中学二年生!
うさぎに似ている。
×
☆瀬川悠真
結愛の幼なじみ。
こっそり結愛のことがずっと好き。
きりっとイケメン。猫タイプ
×
☆相川陸
結愛が好きになった人。
ふんわりイケメン。犬タイプ。
結愛ちゃんが告白相手を間違えた理由は?
悠真の元に、未来の自分からメール?
☆。.:*・゜
陸くんに告白するはずだったのに
間違えて悠真に。
告白してからすれ違いもあったけれど
溺愛される結愛
☆。.:*・゜
未来の自分に、過去の自分に
聞きたいことや話したい事はありますか?
☆。.:*・゜
――この丘と星空に、キミがいる。そんな景色が見たかった。
✩.*˚第15回絵本・児童書大賞エントリー
散りばめられたきずなたち✩.*˚
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~
とらんぽりんまる
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞、奨励賞受賞】ありがとうございました!
主人公の光は、小学校五年生の女の子。
光は魔術や不思議な事が大好きで友達と魔術クラブを作って活動していたが、ある日メンバーの三人がクラブをやめると言い出した。
その日はちょうど、召喚魔法をするのに一番の日だったのに!
一人で裏山に登り、光は召喚魔法を発動!
でも、なんにも出て来ない……その時、子ども達の間で噂になってる『追いかけ鬼』に襲われた!
それを助けてくれたのは、まさかの悪魔王子!?
人間界へ遊びに来たという悪魔王子は、人間のフリをして光の家から小学校へ!?
追いかけ鬼に命を狙われた光はどうなる!?
※稚拙ながら挿絵あり〼
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる