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決戦編:裏S級との戦い
最期の願い
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洞窟に響く嗚咽。サンプソンとマデリアは、クルドの遺体の前で跪き敬意を払う。
「クルド……。君の冒険者パーティだったことは、僕の一番の誇りだ。どうか、安らかに……」
「S級冒険者パーティのリーダーとして立派だったわ……。あなたとの思い出、ずっと大切にするから……」
「カミーユも……辛いことを任せて悪かったね……」
サンプソンは泣き崩れるカミーユの肩に手を載せた。
カミーユは縋るようにサンプソンの腰に腕を回し、首を横に振る。
「俺がもっと強かったら……クルドはこんなこと……」
「それを言ってはいけない。クルドに叱られるよ」
「そうだな……。それに、すまねえ……まだ終わってねえんだ……」
「え……?」
シルヴェストルの死体から、ネチネチと気味の悪い音が聞こえた。
冒険者の視線がそこに注がれる。
「まさか……」
「ああ……俺が潰せたのは心臓いっこだけ……。それに、最後は心臓と首を同時に攻撃しないといけねえから……。まだこいつは死んでねえよ……」
張りつめた緊張が蘇る。瞬く間にシルヴェストルの体が繋ぎ合わされ……こぼれていた長い臓器が目にも止まらぬ速さでカミーユの左腕を切り落とした。
カミーユは咄嗟に右腕で構えていた剣で臓器を体から切り落とす。
「っ……」
「カミーユ!!」
「っ……大丈夫だ……! お前ら気をつけろ!! 死にかけてる魔物が一番あぶねえ!!」
カミーユの言った通り、瀕死のシルヴェストルは暴走を始めた。
刃物のように鋭い内臓を纏わせ、猛毒の血液を巻き散らす。彼の血が肌に付着しただけで、冒険者は嘔吐と眩暈に襲われる。そして肌は焼き爛れ、どすぐろく変色した。
それだけではない。シルヴェストルが地面に落とした血液から魔物の命が芽吹き、瞬く間に成長した。数えきれないほどの、歪な形をした気味の悪い魔物が冒険者に襲いかかる。
カミーユは意識を失ったリアーナを守りながら、他のS級は双子を守りながらそれらと戦う。倒しても倒しても、シルヴェストルが落とす血により増えるばかりだ。
「魔物は生存本能が極限まで働くと繁殖力が強まる……。そんなこたぁ常識だが……ここまでの繁殖力を持つ魔物なんざいねえぞ普通……!」
「きっとシルヴェストルは魔物を栄えさせるための特別な存在だったんだろうね。魔物の女王蜂のような存在……。じゃなきゃ、ここまで他の魔物と比べて桁違いの能力と繁殖力を持っているはずがない」
カミーユとジルがそう唸ったのが耳に入ったアーサーは、シルヴェストルが生み出した魔物に哀れみのこもった目を向けた。
(だから君は結婚に憧れてたの……? ただ役目として魔物を生み出すことが虚しかったの……?)
◇◇◇
「あっ……」
歪な魔物たちと冒険者が乱戦する中、遠距離で攻撃していたカトリナにシルヴェストルが襲いかかった。カトリナは咄嗟に避けたものの、そのひずみで目にシルヴェストルの血しぶきが大量にかかった。
彼女の美しい蒼色の瞳がくすみ、視力が奪われる。
毒に犯されふらついた彼女に、シルヴェストルの鋭い爪が襲いかかる。
「カトリナ!!」
それに気付いたサンプソンが、カトリナのもとへ駆けつける。シルヴェストルを反撃する余裕などない。彼はカトリナに覆いかぶさり、魔物の爪から守ろうとした。
「っ……」
しかし、何も起こらない。
「……?」
その代わり、生暖かいものがサンプソンの背中にかかった。
ゆっくりと顔を上げたサンプソンは、顔を真っ青にして言葉を失った。
そこには、魔物の手が背中から覗いているジルの後ろ姿があった。
「ガハッ……」
暴れる魔物を押さえているようだ。すぐに彼の肩甲骨あたりにもう一本の手が突き出した。
サンプソンは絶叫した。
「うわあぁあぁっ!! ジル……ジルッ……ジル……!!」
「うるさい……っ。何回も呼ばなくても……聞こえてる……」
「ジル……! ああ、なんてことだ……! ジル……ッ!」
ジルを助けに行こうとしたサンプソンに気付いたジルが大声を上げる。
「カトリナから離れないで!! カトリナを守れ!!」
「っ……だが君が……っ!!」
「なんのためにこんなことしてると思ってんの……!? これでカトリナに何かあったら許さないからね……っ!」
ちがう、とサンプソンは首を横に振った。ジルがこんなことをしているのはカトリナを守るためだけではない。
「ジル……ッ。どうして僕なんかを守った……!!」
「分から……ないの……?」
ジルはゴボッと大量の血を吐き、微かに聞こえる声を出す。
「君は……死んじゃいけない……からだ……」
ジルは、事態に気付き助けに来ようとしているカミーユとマデリアにも叫ぶ。
「君たちも来ないで!! アーサーとモニカを守れ!! アーサーも来るな!! シルヴェストルに近づくな!!」
「クソがぁっ……! クソがぁぁぁっ……!!」
「バカッ……!」
「ジルゥゥゥゥゥゥ!! うわあぁあああぁっ! いやだ! いやだぁああぁぁっ!!」
ジルの言いつけを破り助けに行こうとするアーサーを、カミーユが引き留める。
「アーサー……! やめてくれ……っ」
「カミーユ!! ジルが死んじゃう!! ジルが死んじゃうよぉぉぉっ……!!」
「すまねえ……すまねえ……っ! 俺にはもう腕が一本しかねえんだ……お前まで守れなかったら……俺は……!」
「うわぁぁぁああっ!! ジルッ! ジルゥッ……!! いやだぁぁぁあっ! やめろっ……! シルヴェストル……お願いだからやめてぇぇぇっ……! ジルは僕の……僕のぉぉぉぉっ……!!」
アーサーの泣き叫ぶ声に、ジルがふっと笑う。
「僕は君の……お父さんになれてたかな……?」
ジルの瞳に、七年間深く愛した少年と少女が映る。
「大切な……大切な……僕の大好きな……アーサーとモニカ……。生に執着なんてしていないつもりだった。カトリナを守るためなら、いつだって命を捨てる覚悟だった。それなのに……君たちを悲しませてしまうと思うと……こんな醜い命すら惜しい」
ジルがどす黒い血を大量に吐いた。体内はシルヴェストルの猛毒がいきわたり、腐敗が始まっている。
「アーサー、モニカ。幼い頃に苦しんだ分、明るい未来では幸せに……」
そしてジルの視線がカミーユとリアーナに移る。
「カミーユ……。君はゴリラだけど……良いゴリラだった」
「……良いゴリラってなんだよ……」
「君のおかげで……生きるのが楽しかったよ……もっと君と冒険したかった」
「……ッ。だったら……死ぬな……っ!」
「リアーナに伝えといて……。君はうるさくてめんどうくさかったけど……実は君と過ごす時間を気に入ってた……。君と会えなくなるのが……寂しい」
「……伝えておく……っ」
そしてマデリアに一言。
「マデリア……。サンプソンと……カトリナを頼んだよ」
「……ええ。命にかえても」
最後に、ジルは背後にいるカトリナに言葉を遺す。
「僕に心を与えてくれてありがとう」
しかし、彼の言葉は毒に犯され意識が混とんとしているカトリナの耳には届かない。
それでもよかった。カトリナが生きてさえすれば。
ジルの意識が遠のいていく。それをサンプソンは感じ取り、涙を流しながら叫んだ。
「君も死んではいけない……!! ジル……そこを離れるんだ……! 頼む……! 頼む……!!」
「……君は……カトリナを幸せにしなきゃいけない……っ。カトリナを……悲しませてはいけない……。君を失うことは……カトリナが……一番悲しむこと……っ」
「違う……違う……っ! 君は分かっていない……! カトリナが一番悲しむことは……僕を失うことじゃない……っ! 君を失うことなんだ……!!」
ジルの背中から魔物の手が引き抜かれ、新たな穴から腕が覗いだ。
「ガァッ……ッ」
「もうやめてくれっ……やめてくれぇぇぇっ……!」
「サンプソン……ッ。君が守るのは……カトリナだけじゃ……ない……。君と同じ血を引いている……アーサーと……モニカ……彼らも……守らなきゃいけないから……っ」
ジルは最期の力を振り絞り、頭だけ振り返り訴えた。
「君が……統治者になるんだ……サンプソン……ッ」
「……っ」
そして、ジルの目が虚ろになった。
「クルド……。君の冒険者パーティだったことは、僕の一番の誇りだ。どうか、安らかに……」
「S級冒険者パーティのリーダーとして立派だったわ……。あなたとの思い出、ずっと大切にするから……」
「カミーユも……辛いことを任せて悪かったね……」
サンプソンは泣き崩れるカミーユの肩に手を載せた。
カミーユは縋るようにサンプソンの腰に腕を回し、首を横に振る。
「俺がもっと強かったら……クルドはこんなこと……」
「それを言ってはいけない。クルドに叱られるよ」
「そうだな……。それに、すまねえ……まだ終わってねえんだ……」
「え……?」
シルヴェストルの死体から、ネチネチと気味の悪い音が聞こえた。
冒険者の視線がそこに注がれる。
「まさか……」
「ああ……俺が潰せたのは心臓いっこだけ……。それに、最後は心臓と首を同時に攻撃しないといけねえから……。まだこいつは死んでねえよ……」
張りつめた緊張が蘇る。瞬く間にシルヴェストルの体が繋ぎ合わされ……こぼれていた長い臓器が目にも止まらぬ速さでカミーユの左腕を切り落とした。
カミーユは咄嗟に右腕で構えていた剣で臓器を体から切り落とす。
「っ……」
「カミーユ!!」
「っ……大丈夫だ……! お前ら気をつけろ!! 死にかけてる魔物が一番あぶねえ!!」
カミーユの言った通り、瀕死のシルヴェストルは暴走を始めた。
刃物のように鋭い内臓を纏わせ、猛毒の血液を巻き散らす。彼の血が肌に付着しただけで、冒険者は嘔吐と眩暈に襲われる。そして肌は焼き爛れ、どすぐろく変色した。
それだけではない。シルヴェストルが地面に落とした血液から魔物の命が芽吹き、瞬く間に成長した。数えきれないほどの、歪な形をした気味の悪い魔物が冒険者に襲いかかる。
カミーユは意識を失ったリアーナを守りながら、他のS級は双子を守りながらそれらと戦う。倒しても倒しても、シルヴェストルが落とす血により増えるばかりだ。
「魔物は生存本能が極限まで働くと繁殖力が強まる……。そんなこたぁ常識だが……ここまでの繁殖力を持つ魔物なんざいねえぞ普通……!」
「きっとシルヴェストルは魔物を栄えさせるための特別な存在だったんだろうね。魔物の女王蜂のような存在……。じゃなきゃ、ここまで他の魔物と比べて桁違いの能力と繁殖力を持っているはずがない」
カミーユとジルがそう唸ったのが耳に入ったアーサーは、シルヴェストルが生み出した魔物に哀れみのこもった目を向けた。
(だから君は結婚に憧れてたの……? ただ役目として魔物を生み出すことが虚しかったの……?)
◇◇◇
「あっ……」
歪な魔物たちと冒険者が乱戦する中、遠距離で攻撃していたカトリナにシルヴェストルが襲いかかった。カトリナは咄嗟に避けたものの、そのひずみで目にシルヴェストルの血しぶきが大量にかかった。
彼女の美しい蒼色の瞳がくすみ、視力が奪われる。
毒に犯されふらついた彼女に、シルヴェストルの鋭い爪が襲いかかる。
「カトリナ!!」
それに気付いたサンプソンが、カトリナのもとへ駆けつける。シルヴェストルを反撃する余裕などない。彼はカトリナに覆いかぶさり、魔物の爪から守ろうとした。
「っ……」
しかし、何も起こらない。
「……?」
その代わり、生暖かいものがサンプソンの背中にかかった。
ゆっくりと顔を上げたサンプソンは、顔を真っ青にして言葉を失った。
そこには、魔物の手が背中から覗いているジルの後ろ姿があった。
「ガハッ……」
暴れる魔物を押さえているようだ。すぐに彼の肩甲骨あたりにもう一本の手が突き出した。
サンプソンは絶叫した。
「うわあぁあぁっ!! ジル……ジルッ……ジル……!!」
「うるさい……っ。何回も呼ばなくても……聞こえてる……」
「ジル……! ああ、なんてことだ……! ジル……ッ!」
ジルを助けに行こうとしたサンプソンに気付いたジルが大声を上げる。
「カトリナから離れないで!! カトリナを守れ!!」
「っ……だが君が……っ!!」
「なんのためにこんなことしてると思ってんの……!? これでカトリナに何かあったら許さないからね……っ!」
ちがう、とサンプソンは首を横に振った。ジルがこんなことをしているのはカトリナを守るためだけではない。
「ジル……ッ。どうして僕なんかを守った……!!」
「分から……ないの……?」
ジルはゴボッと大量の血を吐き、微かに聞こえる声を出す。
「君は……死んじゃいけない……からだ……」
ジルは、事態に気付き助けに来ようとしているカミーユとマデリアにも叫ぶ。
「君たちも来ないで!! アーサーとモニカを守れ!! アーサーも来るな!! シルヴェストルに近づくな!!」
「クソがぁっ……! クソがぁぁぁっ……!!」
「バカッ……!」
「ジルゥゥゥゥゥゥ!! うわあぁあああぁっ! いやだ! いやだぁああぁぁっ!!」
ジルの言いつけを破り助けに行こうとするアーサーを、カミーユが引き留める。
「アーサー……! やめてくれ……っ」
「カミーユ!! ジルが死んじゃう!! ジルが死んじゃうよぉぉぉっ……!!」
「すまねえ……すまねえ……っ! 俺にはもう腕が一本しかねえんだ……お前まで守れなかったら……俺は……!」
「うわぁぁぁああっ!! ジルッ! ジルゥッ……!! いやだぁぁぁあっ! やめろっ……! シルヴェストル……お願いだからやめてぇぇぇっ……! ジルは僕の……僕のぉぉぉぉっ……!!」
アーサーの泣き叫ぶ声に、ジルがふっと笑う。
「僕は君の……お父さんになれてたかな……?」
ジルの瞳に、七年間深く愛した少年と少女が映る。
「大切な……大切な……僕の大好きな……アーサーとモニカ……。生に執着なんてしていないつもりだった。カトリナを守るためなら、いつだって命を捨てる覚悟だった。それなのに……君たちを悲しませてしまうと思うと……こんな醜い命すら惜しい」
ジルがどす黒い血を大量に吐いた。体内はシルヴェストルの猛毒がいきわたり、腐敗が始まっている。
「アーサー、モニカ。幼い頃に苦しんだ分、明るい未来では幸せに……」
そしてジルの視線がカミーユとリアーナに移る。
「カミーユ……。君はゴリラだけど……良いゴリラだった」
「……良いゴリラってなんだよ……」
「君のおかげで……生きるのが楽しかったよ……もっと君と冒険したかった」
「……ッ。だったら……死ぬな……っ!」
「リアーナに伝えといて……。君はうるさくてめんどうくさかったけど……実は君と過ごす時間を気に入ってた……。君と会えなくなるのが……寂しい」
「……伝えておく……っ」
そしてマデリアに一言。
「マデリア……。サンプソンと……カトリナを頼んだよ」
「……ええ。命にかえても」
最後に、ジルは背後にいるカトリナに言葉を遺す。
「僕に心を与えてくれてありがとう」
しかし、彼の言葉は毒に犯され意識が混とんとしているカトリナの耳には届かない。
それでもよかった。カトリナが生きてさえすれば。
ジルの意識が遠のいていく。それをサンプソンは感じ取り、涙を流しながら叫んだ。
「君も死んではいけない……!! ジル……そこを離れるんだ……! 頼む……! 頼む……!!」
「……君は……カトリナを幸せにしなきゃいけない……っ。カトリナを……悲しませてはいけない……。君を失うことは……カトリナが……一番悲しむこと……っ」
「違う……違う……っ! 君は分かっていない……! カトリナが一番悲しむことは……僕を失うことじゃない……っ! 君を失うことなんだ……!!」
ジルの背中から魔物の手が引き抜かれ、新たな穴から腕が覗いだ。
「ガァッ……ッ」
「もうやめてくれっ……やめてくれぇぇぇっ……!」
「サンプソン……ッ。君が守るのは……カトリナだけじゃ……ない……。君と同じ血を引いている……アーサーと……モニカ……彼らも……守らなきゃいけないから……っ」
ジルは最期の力を振り絞り、頭だけ振り返り訴えた。
「君が……統治者になるんだ……サンプソン……ッ」
「……っ」
そして、ジルの目が虚ろになった。
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