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初夏編:まったりポントワーブ
【374話】パンツ
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「モニカ!下着を買いに行きたいです!」
まったりポントワーブ生活5日目。昼食を終えたアーサーが、穴のあいたパンツをモニカの目の前に広げながらそう言った。モニカは穴に指を突っ込みながらケタケタ笑った。
「あはは!!なにこれ穴あいてるー!!」
「このパンツを買って5年…とうとう穴が開いちゃいました…」
「はやく捨てればって何度言っても捨てなかったもんねアーサー」
「ボロボロになればなるほど愛着が湧いちゃって…一番のお気に入りだったのに…」
「分かる!着古した服ってなんでか着心地いいよね!」
「うんうん!でもさすがにこのパンツとはお別れだなあ。今までありがとうパンツ…」
アーサーはボロボロのパンツを名残惜しそうに撫で、アイテムボックスにしまった。(モニカは(え?捨てないの?)と思ったが黙っていることにした)
「ということで今日は服屋さんに行きたいです!」
「賛成!わたしも服屋さん行きたかったの!合宿で着る服が欲しかったの」
「そうだね!あ、それとモニカ。小さくなって着られなくなった服、トロワの子たちにあげない?」
「いいわね!小さくなった服たくさんある!あの子たちにあげようー!」
こうして双子は、もったいなくてずっと捨てられなかった服をクローゼットから取り出し紙袋へまとめた。小さくなった服を見ると5年間の思い出が蘇る。
「これ!ポントワーブで初めて買った服だ!」
「ほんとだー!ちいさいね!」
「それにすっごく安物!このときは金貨20枚で家が買えると思ってたわね」
「あはは懐かしい。このときの僕たちには、この服が立派な服に見えてたね。毎日服を着替えられるなんてって感激してた!」
「そうだったそうだった!懐かしいなあ」
「冒険者になりたてのころはこの服で依頼受けにいってたねえ」
「それでカミーユたちにびっくりされちゃった!」
「あ、これはカトリナとリアーナが選んでくれた服だ」
「それからわたしはスカートを履くようになったんだわ。えへへ」
「今見てもカトリナたちが選んだ服はおしゃれだねえ」
「うんうん!きっとトロワの子たちも喜んでくれるわ!」
「この服、ポロ着れるかなあ」
「着れるんじゃない?あの子も小柄だし」
小さくなった服を全て紙袋に放り込むと、クローゼットがスカスカになってしまった。思っていたより体に合った服を持っていなかったことに驚いた二人は、今日はたくさん服を買おうと決めた。
身だしなみを整えて服屋に行くと、店主がパァっと顔を輝かせた。お得意先が来てくれて嬉しいのかすでに手を揉んでいる。
「アーサー!モニカ!いらっしゃあい!なんだか久しぶりじゃない?!」
「久しぶり!今日はたくさん買っちゃうよ!」
「あらあらまあまあ!!それは嬉しいね!!」
「アーサー!はやくパンツ買いましょ!」
「うん!」
アーサーは新しい下着を5着カゴの中へ入れた。物持ちがいいアーサーはめったに買い替えることをしないので、ゴムが伸びきっていないパンツを見て感動している。
「うわぁぁ…!!すごい!!伸縮する!!」
「普通はするのよ。ゴムだから」
「すごい!!向こうが透けて見えない!!」
「アーサーのパンツ、擦り切れて履いてるのか履いてないのか分からないくらいだったもんね」
「それは言い過ぎだよ!ちゃんと隠せてたよ!」
「それにしても、男の子のパンツってバリエーションがないのね。選ぶ楽しみが半減だわ」
「女の子はいいよねー!いろんな色のパンツあるし、フリフリしてたり飾りがついてるもん」
「いいでしょ!」
「モニカいっぱいパンツ持ってるもんね。5着あれば十分じゃない?」
「その日の気分によって選んでるのー!あ、これかわいい!!水色のパンツ!」
「わー、夏らしくていいねえ!」
「あーん、買っちゃおうかなあ~。欲しいなあ~」
「それでパンツ何着目になるの?」
「うーん、21着目かな…?」
「多すぎない?!」
「買っちゃダメ…?」
モニカは水色のパンツをキュッと握って上目遣いで兄を見た。アーサーはなぜパンツが21着も必要なのか未だに理解できなかったが、モニカが欲しいと言ってるものをダメだと言うほどの理由ではないと考え、そのパンツを掴んでカゴに放り込んだ。モニカは「やったー!!」と飛び跳ねている。
「モニカはパンツが好きなんだねえ」
「すきー!でもアーサーのことのほうが好きよ!」
「わーいパンツに勝ったー」
下着を選び終えたアーサーとモニカは、夏用のコットとスカート、ズボンが並んでいるところへ移動した。サラサラした薄い生地の服は涼しそうで、早く着たくてウズウズする。アーサーがコットとズボンを5着ずつ、モニカはコットとスカートを3着ずつとワンピース2着を選んだ。
「ねえ、アビーの分も買いましょうよ!」
「あ!そうだった!!トロワで過ごすアビー用の服を買わないと…」
「アビーもワンピース買おうよ!」
「買う!!モニカとおそろいがいいなあー」
「きゃー!!最高!!」
「あ、これかわいい」
「いいわね!買っちゃいましょ!」
「買っちゃう!!」
「…アビー用のパンツも買ってみない?」
「ん?」
「さっきアビーに似合いそうな、紺色のパンツがあったんだけど…」
「ん?」
「さっきアビーに似合いそうな、紺色の…」
「聞こえてるよ!?買わないよ!!!」
「紺色の…」
「買わないよ!?!?」
「パンツ…」
「買わないってば!!!」
まったりポントワーブ生活5日目。昼食を終えたアーサーが、穴のあいたパンツをモニカの目の前に広げながらそう言った。モニカは穴に指を突っ込みながらケタケタ笑った。
「あはは!!なにこれ穴あいてるー!!」
「このパンツを買って5年…とうとう穴が開いちゃいました…」
「はやく捨てればって何度言っても捨てなかったもんねアーサー」
「ボロボロになればなるほど愛着が湧いちゃって…一番のお気に入りだったのに…」
「分かる!着古した服ってなんでか着心地いいよね!」
「うんうん!でもさすがにこのパンツとはお別れだなあ。今までありがとうパンツ…」
アーサーはボロボロのパンツを名残惜しそうに撫で、アイテムボックスにしまった。(モニカは(え?捨てないの?)と思ったが黙っていることにした)
「ということで今日は服屋さんに行きたいです!」
「賛成!わたしも服屋さん行きたかったの!合宿で着る服が欲しかったの」
「そうだね!あ、それとモニカ。小さくなって着られなくなった服、トロワの子たちにあげない?」
「いいわね!小さくなった服たくさんある!あの子たちにあげようー!」
こうして双子は、もったいなくてずっと捨てられなかった服をクローゼットから取り出し紙袋へまとめた。小さくなった服を見ると5年間の思い出が蘇る。
「これ!ポントワーブで初めて買った服だ!」
「ほんとだー!ちいさいね!」
「それにすっごく安物!このときは金貨20枚で家が買えると思ってたわね」
「あはは懐かしい。このときの僕たちには、この服が立派な服に見えてたね。毎日服を着替えられるなんてって感激してた!」
「そうだったそうだった!懐かしいなあ」
「冒険者になりたてのころはこの服で依頼受けにいってたねえ」
「それでカミーユたちにびっくりされちゃった!」
「あ、これはカトリナとリアーナが選んでくれた服だ」
「それからわたしはスカートを履くようになったんだわ。えへへ」
「今見てもカトリナたちが選んだ服はおしゃれだねえ」
「うんうん!きっとトロワの子たちも喜んでくれるわ!」
「この服、ポロ着れるかなあ」
「着れるんじゃない?あの子も小柄だし」
小さくなった服を全て紙袋に放り込むと、クローゼットがスカスカになってしまった。思っていたより体に合った服を持っていなかったことに驚いた二人は、今日はたくさん服を買おうと決めた。
身だしなみを整えて服屋に行くと、店主がパァっと顔を輝かせた。お得意先が来てくれて嬉しいのかすでに手を揉んでいる。
「アーサー!モニカ!いらっしゃあい!なんだか久しぶりじゃない?!」
「久しぶり!今日はたくさん買っちゃうよ!」
「あらあらまあまあ!!それは嬉しいね!!」
「アーサー!はやくパンツ買いましょ!」
「うん!」
アーサーは新しい下着を5着カゴの中へ入れた。物持ちがいいアーサーはめったに買い替えることをしないので、ゴムが伸びきっていないパンツを見て感動している。
「うわぁぁ…!!すごい!!伸縮する!!」
「普通はするのよ。ゴムだから」
「すごい!!向こうが透けて見えない!!」
「アーサーのパンツ、擦り切れて履いてるのか履いてないのか分からないくらいだったもんね」
「それは言い過ぎだよ!ちゃんと隠せてたよ!」
「それにしても、男の子のパンツってバリエーションがないのね。選ぶ楽しみが半減だわ」
「女の子はいいよねー!いろんな色のパンツあるし、フリフリしてたり飾りがついてるもん」
「いいでしょ!」
「モニカいっぱいパンツ持ってるもんね。5着あれば十分じゃない?」
「その日の気分によって選んでるのー!あ、これかわいい!!水色のパンツ!」
「わー、夏らしくていいねえ!」
「あーん、買っちゃおうかなあ~。欲しいなあ~」
「それでパンツ何着目になるの?」
「うーん、21着目かな…?」
「多すぎない?!」
「買っちゃダメ…?」
モニカは水色のパンツをキュッと握って上目遣いで兄を見た。アーサーはなぜパンツが21着も必要なのか未だに理解できなかったが、モニカが欲しいと言ってるものをダメだと言うほどの理由ではないと考え、そのパンツを掴んでカゴに放り込んだ。モニカは「やったー!!」と飛び跳ねている。
「モニカはパンツが好きなんだねえ」
「すきー!でもアーサーのことのほうが好きよ!」
「わーいパンツに勝ったー」
下着を選び終えたアーサーとモニカは、夏用のコットとスカート、ズボンが並んでいるところへ移動した。サラサラした薄い生地の服は涼しそうで、早く着たくてウズウズする。アーサーがコットとズボンを5着ずつ、モニカはコットとスカートを3着ずつとワンピース2着を選んだ。
「ねえ、アビーの分も買いましょうよ!」
「あ!そうだった!!トロワで過ごすアビー用の服を買わないと…」
「アビーもワンピース買おうよ!」
「買う!!モニカとおそろいがいいなあー」
「きゃー!!最高!!」
「あ、これかわいい」
「いいわね!買っちゃいましょ!」
「買っちゃう!!」
「…アビー用のパンツも買ってみない?」
「ん?」
「さっきアビーに似合いそうな、紺色のパンツがあったんだけど…」
「ん?」
「さっきアビーに似合いそうな、紺色の…」
「聞こえてるよ!?買わないよ!!!」
「紺色の…」
「買わないよ!?!?」
「パンツ…」
「買わないってば!!!」
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