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23 恋編
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「転入生?」
授業が終わり、ロイが医務室に遊びに行くとセルジュが近々この学院に転入生が来ることを教えてくれた。
「ああ。それもリリー寮にね。家名はなんだったかな…確か、リングイール」
「リングイール?聞いたことありませんね」
「そうなんだよ。私ですら聞いたことがない。一体どこの貴族なんだろう」
「リリー寮に入ってくるんですよね?だったら階級が高いはずですが…」
「ああ。リリー寮に入ってくる子が無名の貴族なんて前代未聞だね」
「優しい人間だといいなあ」
「そうだね」
セルジュとそんな話をした一週間後、二人の転入生がリリー寮に入ってきた。兄妹らしく、一人は15歳の男の子でアーサーといい、一人は14歳の女の子でモニカといった。二人とも端正な顔立ちをしており、おっとりしていてよく笑う子だった。
この学院には2種類のクラスがある。魔法を学ぶクラスと武器を学ぶクラス。ロイは魔法クラスで、その日からモニカもそのクラスに参加することになった。魔法の授業で初めてモニカを見た時、彼女の魔力の膨大さにロイは驚いた。
(なんだあの魔力量は…!吸血鬼の僕よりも…ううん、お父さまよりもすごい…。それに…とても綺麗な魔力。魔力だけじゃない。彼女の纏う空気は今まで見た誰よりも澄んでる。まるで…聖女みたいだ)
モニカにすっかり夢中になったロイは、授業中ずっと彼女を観察していた。
(あれ…?)
「イゼリルス…イゼリルス!…ううう…だめか」
モニカが何度杖を振っても魔法が発動していない。生徒たちが配られたキャンドルに魔法で火を灯している中、モニカだけが火を灯せていない。そのせいでジュリア王女にバカにされていた。
(魔法を使うのがはじめてなのかな?あんなに魔力があるのに魔法が発動しないなんておかしい。…いや、魔力が膨大すぎて上手く発動しないのかも…)
結局モニカは授業中に一度も魔法を発動することができなかった。先生にまで呆れられ、泣きそうになりながら杖を振り続けている彼女がかわいそうになってロイは声をかけることにした。
「モニカさん…だっけ?大丈夫?」
突然声をかけられたモニカはビクリと顔を上げた。また怒られたりバカにされたりすると思ったのだろう。ロイが心配して声をかけたことに気付いた彼女は恥ずかしそうに笑った。
「あっ、ありがとう…。だめ、全然できないや…」
「詠唱はね、魔法のイメージを助長させるためのものなんだって。だから、呪文を唱えているとき、頭に何かが燃えてるイメージをしたら、もしかしたら上手くいくかもしれないよ」
セルジュの城で読んだ本に書いてあったことをモニカに伝えた。魔力があるのに魔法が発動しない原因は、だいたい詠唱とイメージが上手くいっていない時だ。ロイも初めて杖を握った時にそこで苦しんだ。ロイの言葉にモニカはハッとしていた。
「あ…そうだね。詠唱に必死になって全然イメージできてなかった。ありがとう、えーっと…」
「ごめん、名乗ってなかったね。僕はロイ。よろしく」
「よろしく、ロイ。アドバイスありがとう」
モニカの小鳥がさえずるような可愛らしい声と、花のような笑顔にロイの胸がきゅっと締め付けられた。鼓動が速くなり、顔に血がのぼるのを感じた。
「ううん。君からはたくさん魔力が溢れてるのに、もったいないなあって思って」
「え…?」
「それじゃあね。頑張って」
顔が赤くなっていることを知られないよう、早口で話してそそくさと教室から出て行った。食堂へ向かうまで、無意識に早足になってしまう。今まで知らなかった感情に戸惑いを隠せない。
(この気持ちはなに?なんだかとっても胸が苦しい!)
食堂へ行くとマーサとグレンダが手を振ってロイを呼んでいた。グレンダの隣に座って無心で肉を頬張っていると、二人がロイを不思議そうに見ていた。
「ロイ、どうしたの?なんだか様子が変よ?」
「えっ?!そ、そうかな?!」
「あれ?顔が赤いわよ。熱でもあるの?」
「熱?!熱なんてないよっ!」
「なにをそんなに慌ててるの?」
「やっぱり今日のロイ変だわ」
「ぼっ、僕のことは気にしないで?!」
「んー?」
マーサとグレンダは「どうしたんだろうね?」「さあ」と目で会話している。だがそれ以上追及することはなく、二人はもう一人の転校生の話で盛り上がり始めた。
「もうアーサーくん最高じゃない?!すっごく剣が上手で、品があって、とっても優しそう!!」
「それになにより、顔がいい!!」
「それー!!」
(そっか、もう一人転入生がいたんだった。お父さまは兄妹って言ってた。ってことはアーサーって子はモニカさんのお兄さんか)
二人はアーサーとどのようにしてお近づきになるかの会議に夢中になっていた。目の前でハンカチを落として拾ってもらおう、手相占いをするふりをして手を握ろう、近くで転べば抱き起こしてくれるんじゃないか、など話してはキャーキャーと黄色い声を出している。二人のしょうもない話を聞いているとだんだんと落ち着いてきて、やっと料理の味が分かるようになった。
「ねえロイ、魔法クラスにもう一人の転校生がいたでしょ?どんな子だった?!」
「ブッ!!!」
「わ!きたなっ!!」
思いがけずモニカの話になってロイは飲んでいたジュースを噴き出してしまった。また心臓がドクドクと激しく打ち始める。
「ご、ごめん…」
「いやいいけど…。それより、転入生の話を聞かせてよ!」
「えっと…モニカって言う子」
「他には?」
「魔法が苦手みたい」
「ふーん。で?」
「…声がかわいくて、笑顔がすてき…」
「……」
「…?」
二人が黙り込んだのでちらりと目をやると、マーサもグレンダも口に手を当ててニヤニヤとロイを見ていた。
「な、なに?」
「ふーん」
「ほぉーん」
「だからなんだよぉ!」
「そっかあ。とうとうロイにも…へえ」
「3年経って初めて…むふふ」
「さっきからなに?!その顔やめてよ!」
「ねえロイぃ…。モニカのことを考えたら、胸が苦しくならない?」
「ぶわぁぁってならないぃ?」
「な、なる…。なんで知ってるの?これってなに?」
「きゃーーーー!!!」
「わ!うるさ!」
マーサとグレンダが興奮して奇声を発しながら抱き合った。あまりの大声にロイは耳を塞ぐ。二人がとうとう気でも狂ったかと思った。「なんだこいつら」という目で二人を見ていると、グレンダがロイを抱き寄せて耳元で囁いた。
「ロイ。それが、恋よ」
「こっ…?!」
「そう、恋よ!!」
「一目ぼれってやつよ!!」
「ひとっ…?!」
「きゃーーーー!!!」
「うるさ!!」
ロイ、113歳にして、初めて人に恋をする。
授業が終わり、ロイが医務室に遊びに行くとセルジュが近々この学院に転入生が来ることを教えてくれた。
「ああ。それもリリー寮にね。家名はなんだったかな…確か、リングイール」
「リングイール?聞いたことありませんね」
「そうなんだよ。私ですら聞いたことがない。一体どこの貴族なんだろう」
「リリー寮に入ってくるんですよね?だったら階級が高いはずですが…」
「ああ。リリー寮に入ってくる子が無名の貴族なんて前代未聞だね」
「優しい人間だといいなあ」
「そうだね」
セルジュとそんな話をした一週間後、二人の転入生がリリー寮に入ってきた。兄妹らしく、一人は15歳の男の子でアーサーといい、一人は14歳の女の子でモニカといった。二人とも端正な顔立ちをしており、おっとりしていてよく笑う子だった。
この学院には2種類のクラスがある。魔法を学ぶクラスと武器を学ぶクラス。ロイは魔法クラスで、その日からモニカもそのクラスに参加することになった。魔法の授業で初めてモニカを見た時、彼女の魔力の膨大さにロイは驚いた。
(なんだあの魔力量は…!吸血鬼の僕よりも…ううん、お父さまよりもすごい…。それに…とても綺麗な魔力。魔力だけじゃない。彼女の纏う空気は今まで見た誰よりも澄んでる。まるで…聖女みたいだ)
モニカにすっかり夢中になったロイは、授業中ずっと彼女を観察していた。
(あれ…?)
「イゼリルス…イゼリルス!…ううう…だめか」
モニカが何度杖を振っても魔法が発動していない。生徒たちが配られたキャンドルに魔法で火を灯している中、モニカだけが火を灯せていない。そのせいでジュリア王女にバカにされていた。
(魔法を使うのがはじめてなのかな?あんなに魔力があるのに魔法が発動しないなんておかしい。…いや、魔力が膨大すぎて上手く発動しないのかも…)
結局モニカは授業中に一度も魔法を発動することができなかった。先生にまで呆れられ、泣きそうになりながら杖を振り続けている彼女がかわいそうになってロイは声をかけることにした。
「モニカさん…だっけ?大丈夫?」
突然声をかけられたモニカはビクリと顔を上げた。また怒られたりバカにされたりすると思ったのだろう。ロイが心配して声をかけたことに気付いた彼女は恥ずかしそうに笑った。
「あっ、ありがとう…。だめ、全然できないや…」
「詠唱はね、魔法のイメージを助長させるためのものなんだって。だから、呪文を唱えているとき、頭に何かが燃えてるイメージをしたら、もしかしたら上手くいくかもしれないよ」
セルジュの城で読んだ本に書いてあったことをモニカに伝えた。魔力があるのに魔法が発動しない原因は、だいたい詠唱とイメージが上手くいっていない時だ。ロイも初めて杖を握った時にそこで苦しんだ。ロイの言葉にモニカはハッとしていた。
「あ…そうだね。詠唱に必死になって全然イメージできてなかった。ありがとう、えーっと…」
「ごめん、名乗ってなかったね。僕はロイ。よろしく」
「よろしく、ロイ。アドバイスありがとう」
モニカの小鳥がさえずるような可愛らしい声と、花のような笑顔にロイの胸がきゅっと締め付けられた。鼓動が速くなり、顔に血がのぼるのを感じた。
「ううん。君からはたくさん魔力が溢れてるのに、もったいないなあって思って」
「え…?」
「それじゃあね。頑張って」
顔が赤くなっていることを知られないよう、早口で話してそそくさと教室から出て行った。食堂へ向かうまで、無意識に早足になってしまう。今まで知らなかった感情に戸惑いを隠せない。
(この気持ちはなに?なんだかとっても胸が苦しい!)
食堂へ行くとマーサとグレンダが手を振ってロイを呼んでいた。グレンダの隣に座って無心で肉を頬張っていると、二人がロイを不思議そうに見ていた。
「ロイ、どうしたの?なんだか様子が変よ?」
「えっ?!そ、そうかな?!」
「あれ?顔が赤いわよ。熱でもあるの?」
「熱?!熱なんてないよっ!」
「なにをそんなに慌ててるの?」
「やっぱり今日のロイ変だわ」
「ぼっ、僕のことは気にしないで?!」
「んー?」
マーサとグレンダは「どうしたんだろうね?」「さあ」と目で会話している。だがそれ以上追及することはなく、二人はもう一人の転校生の話で盛り上がり始めた。
「もうアーサーくん最高じゃない?!すっごく剣が上手で、品があって、とっても優しそう!!」
「それになにより、顔がいい!!」
「それー!!」
(そっか、もう一人転入生がいたんだった。お父さまは兄妹って言ってた。ってことはアーサーって子はモニカさんのお兄さんか)
二人はアーサーとどのようにしてお近づきになるかの会議に夢中になっていた。目の前でハンカチを落として拾ってもらおう、手相占いをするふりをして手を握ろう、近くで転べば抱き起こしてくれるんじゃないか、など話してはキャーキャーと黄色い声を出している。二人のしょうもない話を聞いているとだんだんと落ち着いてきて、やっと料理の味が分かるようになった。
「ねえロイ、魔法クラスにもう一人の転校生がいたでしょ?どんな子だった?!」
「ブッ!!!」
「わ!きたなっ!!」
思いがけずモニカの話になってロイは飲んでいたジュースを噴き出してしまった。また心臓がドクドクと激しく打ち始める。
「ご、ごめん…」
「いやいいけど…。それより、転入生の話を聞かせてよ!」
「えっと…モニカって言う子」
「他には?」
「魔法が苦手みたい」
「ふーん。で?」
「…声がかわいくて、笑顔がすてき…」
「……」
「…?」
二人が黙り込んだのでちらりと目をやると、マーサもグレンダも口に手を当ててニヤニヤとロイを見ていた。
「な、なに?」
「ふーん」
「ほぉーん」
「だからなんだよぉ!」
「そっかあ。とうとうロイにも…へえ」
「3年経って初めて…むふふ」
「さっきからなに?!その顔やめてよ!」
「ねえロイぃ…。モニカのことを考えたら、胸が苦しくならない?」
「ぶわぁぁってならないぃ?」
「な、なる…。なんで知ってるの?これってなに?」
「きゃーーーー!!!」
「わ!うるさ!」
マーサとグレンダが興奮して奇声を発しながら抱き合った。あまりの大声にロイは耳を塞ぐ。二人がとうとう気でも狂ったかと思った。「なんだこいつら」という目で二人を見ていると、グレンダがロイを抱き寄せて耳元で囁いた。
「ロイ。それが、恋よ」
「こっ…?!」
「そう、恋よ!!」
「一目ぼれってやつよ!!」
「ひとっ…?!」
「きゃーーーー!!!」
「うるさ!!」
ロイ、113歳にして、初めて人に恋をする。
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