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10話

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父上と約束した剣術の訓練は予想以上に早く始まり、約束をした次の日であった

「さあスカーレットこれから剣について教えるけど俺について来れるかな?」

父上は謎にイケメンボイスを使って挑発してくるが、普通に嫌、無理でしょと思った私は悪くないはず……それよりも

「あの、父上?なんで上半身の脱いで胸をピクピクさせているのですか?」

「いやー今日は天気がいいからねえ、日差しが暑くていつの間にか無くなってしまってたよハハハ」

今日の天気はどんより雨が降りそうな空模様なのですが…そもそも太陽出てません

そう思っていると隣から声をかけられる

「うふふジョセフったら昨日の夜からあんな調子なのよ?スカーレットに剣を教えられて舞い上がってるのよ」

母上は口に手を当てて美しく微笑んでた

「ちょ!マリア言わない約束だっただろ!スカーレットそんな目で見ないでくれぇ」

まぁ当様の事をいじるのをこのくらいにして本題に入ろう

「今日から剣のお稽古なのですがいったいどんな事をするんですか?」

「うん!本当なら型や素振りをしようかとも思ったけどスカーレットの筋肉量と基礎体力が足りないと思った」

「だからまず、この庭をまず毎日20周を走ってもらう!その後に筋トレのメニューを出すからそれもやってもらうね」

え?!この庭を20周も!?何メートルあると思っているのですか!予想でも軽く1000メートルは超えてますけど!

「まだ剣を持つ段階でもないからこういう感じになっちゃうけどスカーレット大丈夫?」


父上は少し心配そうな顔でこちらを見ているが心配は無用である。昨日のうちに覚悟を決めておいたからね多分…

「えぇもちろん大丈夫ですわ!私から頼んだ事ですもの当然努力します」

「よかったー!本当に不安でしょうがなかったんだよねー騎士団でもやってたけどみんな無理無理言うんだもん」

「え?」

騎士団の方達でも無理?父上はいったい何を言ってるのでしょう

「騎士なんだからフルプレート着けて全力で走ったり運動するなんて息をするかのようにできないといけないのにね」

父上は当然かのように言っているが言っている事をわかっているのでしょうか?

確かフルプレートって40キロから50キロはありましたよね?

私の頭の中は絶望で染め上げられていた

あー終わった、婚約破棄の前に人生終了しそうですわ

昨日の私の覚悟はなんだったのだろうかでも父様にはかっこいい事言ってしまったし引き下がれないし

「スカーレットは気合十分だし俺もなんだか気分が上がってきたから今から鍛錬を始めようか!」

父上からこの言葉が出るのがわかっていたかのように母上は両手にフルプレートアーマーを抱えて持ってきていた

「あ、え?母上?なんで両手で持ててるのですか?」

「何を驚いているんですかスカーレット?フルプレートアーマーくらい持てて当然じゃないですか?」

母上はそれがまるで当たり前かのように私に伝えてきた

絶対に無理です、私今日生きて部屋に帰れるのかしら






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