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ジョセフは急いで顔についた涙をふき取り仕事の顔へと切り替える。
「あぁいいぞ、入りたまえ。」
「失礼いたします!至急報告させていただきたい事があります。」
アリサは片膝をつき返事を待った。
「あ、ああ。そんなに焦ってどうしたんだい?君はさっきスカーレットの部屋に行くといって向かったばかりじゃないか。」
「まさかスカーレットの身に何かあったのかい?!どうしようマリア視界が霞んできちゃったよう。」
目をウルウルとさせ子犬のような表情でマリアを見つめる。やはり家族のこととなるとダメダメなジョセフである。
「ジョセフさんでは話がすすまないから私が代わりに聞くわ、何があったのかしらアリサ?」
「お嬢様の部屋に伺ったところ目を覚ましておられました!」
「なに!?目を覚ましてくれたのか!こうしてはいられないスカーレットちゃーーん今迎えに行くからねー!」
部屋から飛び出していった夫を見て笑ってしまった。
「ウフフあの人たっらもう。」
「私もスカーレット様がお目覚めになってとても嬉しいです。」
「でも、慌ててあなたが入ってくるのだから悪い知らせかと思いましたわ。本当に肝が冷えましたわよ?」
「マリア様申し訳ありません。うれしくて舞い上がっていたので」
「それよりも今からスカーレットのもとに行っても大丈夫かしら?」
「はい、短時間であれば問題ないと思われます。しかしお医者様でも原因不明でしたのになにがあったのでしょうか?」
「スカーレットが目を覚ましてくれた、今はそれだけでいいじゃない。」
マリアの目元からぽろぽろと流れ出す涙にすかさずハンカチをかざした。
「ありがとう泣いた顔じゃまだいけないわね。」
「気にしなくても大丈夫ですよ。家族のことで泣いているのに馬鹿にする人なんていませんから。」
「そうね、じゃ今から行きましょうか。」
「あぁいいぞ、入りたまえ。」
「失礼いたします!至急報告させていただきたい事があります。」
アリサは片膝をつき返事を待った。
「あ、ああ。そんなに焦ってどうしたんだい?君はさっきスカーレットの部屋に行くといって向かったばかりじゃないか。」
「まさかスカーレットの身に何かあったのかい?!どうしようマリア視界が霞んできちゃったよう。」
目をウルウルとさせ子犬のような表情でマリアを見つめる。やはり家族のこととなるとダメダメなジョセフである。
「ジョセフさんでは話がすすまないから私が代わりに聞くわ、何があったのかしらアリサ?」
「お嬢様の部屋に伺ったところ目を覚ましておられました!」
「なに!?目を覚ましてくれたのか!こうしてはいられないスカーレットちゃーーん今迎えに行くからねー!」
部屋から飛び出していった夫を見て笑ってしまった。
「ウフフあの人たっらもう。」
「私もスカーレット様がお目覚めになってとても嬉しいです。」
「でも、慌ててあなたが入ってくるのだから悪い知らせかと思いましたわ。本当に肝が冷えましたわよ?」
「マリア様申し訳ありません。うれしくて舞い上がっていたので」
「それよりも今からスカーレットのもとに行っても大丈夫かしら?」
「はい、短時間であれば問題ないと思われます。しかしお医者様でも原因不明でしたのになにがあったのでしょうか?」
「スカーレットが目を覚ましてくれた、今はそれだけでいいじゃない。」
マリアの目元からぽろぽろと流れ出す涙にすかさずハンカチをかざした。
「ありがとう泣いた顔じゃまだいけないわね。」
「気にしなくても大丈夫ですよ。家族のことで泣いているのに馬鹿にする人なんていませんから。」
「そうね、じゃ今から行きましょうか。」
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