イタリアマフィアは殺しはできても恋愛不器用

タタミ

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「あっ、ア、ぐっ……!」

 ベッドの上で、俺はフィルの身体を貫いていた。
 どれだけローションを使おうが入らないだろうと思われたフィルの穴は亀頭を辛くも飲み込み収縮し、フィルは身体を痙攣させて動物の鳴き声にも似た枯れた声を出した。

「バッカ息止めんな。吸って吐け」
「ハァッ、は……!バートさ、んッ……ぁッ」

 娼婦でさえ入らないことがあるものを、フィルが受け入れているのがにわかには信じがたかった。しかし一度入ってしまえば、男の欲に従って腰を押し進めるしかない。ぎゅうぎゅうと締め付けるフィルの中は、俺に浅く息を漏らさせた。

「お前、これ裂けてんじゃねェの。平気かよ」
「あ、わかんな!……いです……ッんん、アッ」

 フィルの目には涙が浮かんでいる。痛みによる涙だ。
 半開きの口は荒い呼吸と苦しげな嬌声を吐き出して、まるでレイプされているようだった。

「んッ……!あ、ハァッ……い、痛くない、ですかッ……」
「ハ、よく人のこと心配できるな」

 腰を進めるたびに痙攣するフィルの太ももを撫でると、フィルが少し幸せそうな顔をするので酷く不幸そうに見えた。

 あぁマジで一線越えちまった。

 刹那的に懺悔に似た感情が胸をよぎっても、それを霧散するようにフィルが俺を締めて離さない。熱い体内は腰を振りたいということしか考えさせなくしていった。

「クソッ、動くぞ」
「あ、アッ、バートさん……!ん、ああッ!」

 骨と筋肉の固さが目立つフィルの身体にのし掛かるようにして、俺は根本までフィルの中に突っ込んだ。フィルがシーツを握る手は、白くなっている。
 配慮することも忘れて中を抉るように動かすとフィルはほとんど悲鳴を上げた。知らないやつが聞いたら俺がフィルを殺しかけてると思うだろうという声だった。

「ッ、もうちょっと、静かにできねェのか」
「す、みませんっ……でもオレぇ……あ!む、ムリで……ッ!ァア」

 組み敷かれて口を閉じることもできず泣きながら喘ぎを溢す姿に、俺は毛が逆立つのを感じた。声を漏らし続けるフィルの口を塞ぐように口づけて、舌に噛みつく。そうして本能のまま腰を打ち付けた。

「ッ~~!!ん、っ~……!!」

 フィルの叫び声が口の中に消えていく。
 肌と肌がぶつかるたびに痙攣する細い身体を押さえ込むように体重をかけて、深く深く穿った。己の快楽だけを求める身勝手な動きでフィルを蹂躙していく。これじゃほんとにレイプだな、と微かな理性が思っても腰は止まらない。
 狭いベッドが俺と共に一層大きく揺れたとき、腹に生暖かい何かが当たった。見れば甘勃ちしたフィルのものが俺の腹を擦って先走りが糸を引いていて、俺は喉の渇きに襲われた。
    腹の底がゾクゾクと熱い。
    こんな暴行のようなセックスにフィルが興奮しているという事実は、俺を心底高ぶらせた。
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