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28.ルシャナ
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軍とは、将軍とは、国を守るという最大の役目の裏側で、けして人に見せることのできないきれい事だけでは済まされない仕事も当然含まれていると知った。
軍人の妻になったということは、そういう影の部分が夫にあるということを肝に銘じておくべきだったのだ。
覚悟が足りないと言われればそうかもしれないが、そんな夫を支えるのが妻の役目であり、ただ可愛がられ、愛されているだけではだめなのだと、直面して初めて考えようという思いに至ったのだ。
マンフリートがなんでもかんでも教えてくれるとはさすがに思ってはいない。当然そこには国家機密も含まれているかもしれない。そういうことを話し合う相手は自分ではないのだ。
自分はどういう風に振る舞えばよいのだろうか。もちろん今は覗き見をしているので、とても言えるような状況ではないのだが。
ただそういう場面を見たからといって、動揺してはいけないのだ。何事もなかったように夫を迎える、疑うことを悟られないように、身も心も疲弊している夫を愛を以て迎える、それでこそ軍人たる妻の役目なのではないか、ルシャナはそう考えた。
(ほかの軍人の妻たちも同じような考えを持っているのかな? 今度会ってみたいな)
今日もらった鏡は、あくまで覗き見だ。ユージンが単に好意でくれただけとは思わない。そんなことのために、わざわざ国の宰相が一個人のためにやってくるとは思えないからだ。
本当の目的はわからないが、詮索せずありがたく頂戴することにした。
「でも、ただここにいて悶々とするより絶対にいいもんね」
そして、結局はベッドに入ってからも次の一時間まで、眠いのを我慢して、マンフリートが寝る映像を見るまでルシャナも起きていたので、気づけば夜中まで寝なかった。そのせいで朝の目覚めがつらかったのは、言うまでもなかった。
「ルシャナ様。気持ちはわかりますが、限度というものがございますよ? ほどほどになさりませんと、お体に触ってはいけません」
「僕、体は頑丈だよ? それにね、マンフリート様を眺めている方が気分がいいもの」
リチャードに窘められるのだが、止めるときはマンフリートが帰ってきたときだけだ。チャドラが心配して父に相談したのだろうが、ルシャナはいつになく気分がよかった。
朝起きてすぐには鏡を覗いた。
(森? 林? どこかへ遠出をしているみたいだ。結構な人数で武装してるし……危ないことをしなければいいんだけど)
おそらくは移動中なのだろう。軍事訓練にでも行くのだろうか。次の映像までまだ二十分もある。やきもきしながら朝食を頬張る。ゆっくり食べてくださいと言われたが、そんなことをしていたらあっという間に時間になってしまう。
再び鏡を覗くと、さきほどとほとんど変わらぬ光景だった。かなり遠くへ遠征にでも向かっている最中なのだろうか。次こそは違う映像だと思ったのに、また次も移動中だった。
昼食を食べ終わってからは午後の勉強の時間だ。今日は魔法について学ぶのだ。これは少し楽しみにしていた。西洋のおとぎ話の本からの知識というより単なる他人の空想でしかない絵本が、魔法のすべてだった。
それが現実に彼らは使えるのだから、不思議としかいいようがない。
今日の講師もリチャードだ。
「ノースフィリアで魔力を持たない人は……おそらくルシャナ様だけです。我々が持つ魔法の種類は基礎魔法、職業魔法、成長魔法、固有魔法、この四つになります」
基礎魔法と固有魔法は生まれた時点で持っているその人の能力のことで、種族や系統などにより、魔力の量が人により様々なのだそうだ。
例えばマンフリートの場合だと、熊一族で熊の能力を魔力として保有しており、さらに直系一族としての魔力も持ち合わせているので、リチャードたちよりももともとのスペックが違うのだという。
それに対して、職業魔法と成長魔法というのは、あとから本人が選択して学ぶことで身につけることのできる能力だという。たとえば軍人になれば戦闘系の攻撃魔法が訓練で使えるようになるし、強化も可能だ。
成長魔法というのは、植物学や薬学がこれに相当し、おもに魔力を補完するための生成術がこれに該当し、回復薬などの生成などもこれに該当する。
「じゃあ、僕に出来ることは……何もないんだね」
「そんなことはございませんよ! ルシャナ様は伝説の人。きっと何か固有のものがきっとおありになるはずで、まだ発動していないだけではないでしょうか。それにですね。マンフリート様といずれはお子を授かるかと思いますが、お子様はおそらくマンフリート様よりも強大な力を有するものになるかと存じます、理論上は。なにせ、すでにマンフリート様の基礎能力は受け継ぎます。さらにルシャナ様の血統も入るのです。これ以上最強なことはないと思いますよ」
「僕の血統が交じったら……弱くなるんじゃないの?」
「いえ、より強いものに変化するのがこの世界の道理です。わざわざ低いほうにいく通りがありません」
「じゃあ、少なくとも、弱くはならないってこと?」
「そうです。これは断言できます」
なぜ自分に強い能力があると思うのか、それすら理解できていない。最悪でもマンフリートの能力だけでも受け継げば弱くなることはないというのを聞いて安心した。
「よかった。僕の子だから悪くいわれたら、子供がかわいそうだもの……」
今日は興味深い内容の勉強だったので、時間はあっという間に過ぎた。
おかげで、一回鏡を見るのを見逃したほどだ。
ソファに寝転がり、鏡を取り出す。
「休憩中? なんか、みんな疲れているみたい。山道であの重装備はきついよね」
心なしか、マンフリートも疲れているように見える。
遠くまで行きすぎて疲れてしまったのか。いや、そんなに間抜けな将軍はいないだろう。きっと何かがこの二時間の間に起こったのかもしれない。ただ休憩しているだけの風景で五分間は終わってしまった。
なぜか不安で心がいっぱいになってしまった。
(悪いことを考えちゃダメ。きっと全速力で山を駆け上り、帰ってきてそれで休憩しているだけだ。平和ボケしてるって言ってたから、喝を入れるための訓練をしてるんだよ、きっと)
そんなことを考えていると、あっという間に一時間が過ぎた。
「マンフリート・バウムガルデン!」
想いを込めて、次こそは明るい映像をと期待した。
鏡の中のマンフリートは再び山道を歩いていた。木々が密集していて、なかなか機敏には動けない場所のようで、進みが若干遅いように感じられる。
「ていうか、一日中歩いていたら、今日は山で寝泊まりするってこと?」
信じられないとぶつぶつ言った、そのときだった。
「まぶしい!」
鏡越しにも目が潰れそうなほどの光をルシャナは感じた。それは刺すような痛みにも近い急激な光に、思わず鏡を取り落としそうになり、慌てて両手で握りしめたほどだ。
鏡を急いで覗いたのだが、ただの鏡になっていた。
「一時間、って長いよ……っ、マンフリート様大丈夫かな」
いったい何が起こったのか状況がわからず、やぎもぎしながら早く一時間過ぎないかと時計ばかりみてしまう。何度もマンフリートの名前を呼ぶが、当然無反応だ。祈る気持ちで時間の経過をいらいらしながら待っていた。ようやく繋がったのだが、
「うそ、どういうこと!」
あたりは煙でまったく何も見えないのだ。
目を凝らすと人の動く気配があり、この鏡は名前を呼んだ人物を中心に映しているのだから当然、マンフリートがいるはずだ。
思わず名前を呼んでしまう、聞こえないとわかっていても何度も何度も鏡に向かって叫んでいた。
「ルシャナ様、どうなさったんですか?」
「マンフリートが、見えないの、煙で! 一時間前にすごい光が反射して、今は煙に巻かれて何も見えないの。もしかして山火事とか?」
頭で整理できなくて、焦りから支離滅裂になっているのはわかるのだが、うまく言葉が出てこないのだ。
「ひとまず、ルシャナ様、落ち着きましょう。すぐにお茶を入れますから!」
落ち着いてなどいられないが、だからといってここにいても離れているマンフリートに何もしてあげられないのはわかっている。
「ねえ、どうしよう。ユージン様かラウル様に教えた方がよくない? それとももう知っているのかな?」
チャドラでは判断できないので、リチャードを呼ぶ。すると彼は政治や軍のことに関して口出しをすれば、旦那様の顔に泥を塗ることになるので、もう少し行動を慎重にいたしましょうと窘められてしまった。
でもリチャードも心配なのか、次の映像は三人で見ることにした。
軍人の妻になったということは、そういう影の部分が夫にあるということを肝に銘じておくべきだったのだ。
覚悟が足りないと言われればそうかもしれないが、そんな夫を支えるのが妻の役目であり、ただ可愛がられ、愛されているだけではだめなのだと、直面して初めて考えようという思いに至ったのだ。
マンフリートがなんでもかんでも教えてくれるとはさすがに思ってはいない。当然そこには国家機密も含まれているかもしれない。そういうことを話し合う相手は自分ではないのだ。
自分はどういう風に振る舞えばよいのだろうか。もちろん今は覗き見をしているので、とても言えるような状況ではないのだが。
ただそういう場面を見たからといって、動揺してはいけないのだ。何事もなかったように夫を迎える、疑うことを悟られないように、身も心も疲弊している夫を愛を以て迎える、それでこそ軍人たる妻の役目なのではないか、ルシャナはそう考えた。
(ほかの軍人の妻たちも同じような考えを持っているのかな? 今度会ってみたいな)
今日もらった鏡は、あくまで覗き見だ。ユージンが単に好意でくれただけとは思わない。そんなことのために、わざわざ国の宰相が一個人のためにやってくるとは思えないからだ。
本当の目的はわからないが、詮索せずありがたく頂戴することにした。
「でも、ただここにいて悶々とするより絶対にいいもんね」
そして、結局はベッドに入ってからも次の一時間まで、眠いのを我慢して、マンフリートが寝る映像を見るまでルシャナも起きていたので、気づけば夜中まで寝なかった。そのせいで朝の目覚めがつらかったのは、言うまでもなかった。
「ルシャナ様。気持ちはわかりますが、限度というものがございますよ? ほどほどになさりませんと、お体に触ってはいけません」
「僕、体は頑丈だよ? それにね、マンフリート様を眺めている方が気分がいいもの」
リチャードに窘められるのだが、止めるときはマンフリートが帰ってきたときだけだ。チャドラが心配して父に相談したのだろうが、ルシャナはいつになく気分がよかった。
朝起きてすぐには鏡を覗いた。
(森? 林? どこかへ遠出をしているみたいだ。結構な人数で武装してるし……危ないことをしなければいいんだけど)
おそらくは移動中なのだろう。軍事訓練にでも行くのだろうか。次の映像までまだ二十分もある。やきもきしながら朝食を頬張る。ゆっくり食べてくださいと言われたが、そんなことをしていたらあっという間に時間になってしまう。
再び鏡を覗くと、さきほどとほとんど変わらぬ光景だった。かなり遠くへ遠征にでも向かっている最中なのだろうか。次こそは違う映像だと思ったのに、また次も移動中だった。
昼食を食べ終わってからは午後の勉強の時間だ。今日は魔法について学ぶのだ。これは少し楽しみにしていた。西洋のおとぎ話の本からの知識というより単なる他人の空想でしかない絵本が、魔法のすべてだった。
それが現実に彼らは使えるのだから、不思議としかいいようがない。
今日の講師もリチャードだ。
「ノースフィリアで魔力を持たない人は……おそらくルシャナ様だけです。我々が持つ魔法の種類は基礎魔法、職業魔法、成長魔法、固有魔法、この四つになります」
基礎魔法と固有魔法は生まれた時点で持っているその人の能力のことで、種族や系統などにより、魔力の量が人により様々なのだそうだ。
例えばマンフリートの場合だと、熊一族で熊の能力を魔力として保有しており、さらに直系一族としての魔力も持ち合わせているので、リチャードたちよりももともとのスペックが違うのだという。
それに対して、職業魔法と成長魔法というのは、あとから本人が選択して学ぶことで身につけることのできる能力だという。たとえば軍人になれば戦闘系の攻撃魔法が訓練で使えるようになるし、強化も可能だ。
成長魔法というのは、植物学や薬学がこれに相当し、おもに魔力を補完するための生成術がこれに該当し、回復薬などの生成などもこれに該当する。
「じゃあ、僕に出来ることは……何もないんだね」
「そんなことはございませんよ! ルシャナ様は伝説の人。きっと何か固有のものがきっとおありになるはずで、まだ発動していないだけではないでしょうか。それにですね。マンフリート様といずれはお子を授かるかと思いますが、お子様はおそらくマンフリート様よりも強大な力を有するものになるかと存じます、理論上は。なにせ、すでにマンフリート様の基礎能力は受け継ぎます。さらにルシャナ様の血統も入るのです。これ以上最強なことはないと思いますよ」
「僕の血統が交じったら……弱くなるんじゃないの?」
「いえ、より強いものに変化するのがこの世界の道理です。わざわざ低いほうにいく通りがありません」
「じゃあ、少なくとも、弱くはならないってこと?」
「そうです。これは断言できます」
なぜ自分に強い能力があると思うのか、それすら理解できていない。最悪でもマンフリートの能力だけでも受け継げば弱くなることはないというのを聞いて安心した。
「よかった。僕の子だから悪くいわれたら、子供がかわいそうだもの……」
今日は興味深い内容の勉強だったので、時間はあっという間に過ぎた。
おかげで、一回鏡を見るのを見逃したほどだ。
ソファに寝転がり、鏡を取り出す。
「休憩中? なんか、みんな疲れているみたい。山道であの重装備はきついよね」
心なしか、マンフリートも疲れているように見える。
遠くまで行きすぎて疲れてしまったのか。いや、そんなに間抜けな将軍はいないだろう。きっと何かがこの二時間の間に起こったのかもしれない。ただ休憩しているだけの風景で五分間は終わってしまった。
なぜか不安で心がいっぱいになってしまった。
(悪いことを考えちゃダメ。きっと全速力で山を駆け上り、帰ってきてそれで休憩しているだけだ。平和ボケしてるって言ってたから、喝を入れるための訓練をしてるんだよ、きっと)
そんなことを考えていると、あっという間に一時間が過ぎた。
「マンフリート・バウムガルデン!」
想いを込めて、次こそは明るい映像をと期待した。
鏡の中のマンフリートは再び山道を歩いていた。木々が密集していて、なかなか機敏には動けない場所のようで、進みが若干遅いように感じられる。
「ていうか、一日中歩いていたら、今日は山で寝泊まりするってこと?」
信じられないとぶつぶつ言った、そのときだった。
「まぶしい!」
鏡越しにも目が潰れそうなほどの光をルシャナは感じた。それは刺すような痛みにも近い急激な光に、思わず鏡を取り落としそうになり、慌てて両手で握りしめたほどだ。
鏡を急いで覗いたのだが、ただの鏡になっていた。
「一時間、って長いよ……っ、マンフリート様大丈夫かな」
いったい何が起こったのか状況がわからず、やぎもぎしながら早く一時間過ぎないかと時計ばかりみてしまう。何度もマンフリートの名前を呼ぶが、当然無反応だ。祈る気持ちで時間の経過をいらいらしながら待っていた。ようやく繋がったのだが、
「うそ、どういうこと!」
あたりは煙でまったく何も見えないのだ。
目を凝らすと人の動く気配があり、この鏡は名前を呼んだ人物を中心に映しているのだから当然、マンフリートがいるはずだ。
思わず名前を呼んでしまう、聞こえないとわかっていても何度も何度も鏡に向かって叫んでいた。
「ルシャナ様、どうなさったんですか?」
「マンフリートが、見えないの、煙で! 一時間前にすごい光が反射して、今は煙に巻かれて何も見えないの。もしかして山火事とか?」
頭で整理できなくて、焦りから支離滅裂になっているのはわかるのだが、うまく言葉が出てこないのだ。
「ひとまず、ルシャナ様、落ち着きましょう。すぐにお茶を入れますから!」
落ち着いてなどいられないが、だからといってここにいても離れているマンフリートに何もしてあげられないのはわかっている。
「ねえ、どうしよう。ユージン様かラウル様に教えた方がよくない? それとももう知っているのかな?」
チャドラでは判断できないので、リチャードを呼ぶ。すると彼は政治や軍のことに関して口出しをすれば、旦那様の顔に泥を塗ることになるので、もう少し行動を慎重にいたしましょうと窘められてしまった。
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